【最終更新日】2024年11月30日
ソムリエ試験はまんべんなくワインの知識がある「ワイン試験の登竜門」という位置づけです。
そこからさらにブラッシュアップということになると専門店で知見を深めたり様々なお店で様々なお客様と知り合うということになります。
しかし、いわゆるメジャーなソムリエとなると限定されてくるのが実情です。
そのひとつがコンクールに出場して、いい結果を残すことです。
現在のソムリエ界はソムリエコンクールでの活躍が非常に重要視されていて、ソムリエ協会の運営のトップもほとんどがコンクール経験者です。
現在はSNSにより活躍の場が広がりましたが、それでもいわゆる分かりやすい「ソムリエ界での活躍」はソムリエコンクールでの活躍ととらえる人は多いかもしれません。
僕が運営するWBSワインブックススクールは一般呼称資格合格後のエクセレンス試験、コンクール向けのカリキュラムがございます。
皆様のご参加をお待ちしております。
目次
ソムリエコンクール出場のメリット
ソムリエ協会のトップはコンクール優勝者
メジャーなソムリエとなると、テレビに出たり、雑誌で見かけたりという人ですが、この場合は「なぜその人を取り上げるのか」という事前の協議が必要になることがほとんどです。
また、取材依頼がソムリエ協会にあったときも、数多くいるソムリエからあえてその人を選ぶわけですから「その人を選ぶ理由」が必要です。
その理由として一番わかりやすく、また説得力があるのが「ソムリエコンクールで勝った人」となるのです。
この傾向はソムリエ協会の会長や副会長はじめ理事のほとんどがコンクール優勝者であることからもうかがえます。
現在の会長は世界大会で優勝し、副会長のかたも世界大会で3位になっています。
それだけソムリエ協会内ではコンクール優勝者が重宝されているのです。
以前は数多かったが、現在は・・・
ソムリエコンクールは2000年前後はその数も多く、優勝者も多数いました。
・JALUX ワインアワード
・キュヴェ ルイーズ ポメリーソムリエコンテスト
・ポートワインソムリエコンテスト
・スペインワインコンテスト
・ロワールワイン ソムリエコンクール
・若手ソムリエコンテスト
などがほぼ毎年開かれていましたので、コンクールの数だけ優勝者がいたことになります。
これは、ソムリエそのものに注目度が高かったので協賛する企業も主催すれば話題になり、その結果宣伝になりやすいという背景があります。
ただし、優勝者を多数輩出することになりますので結果として優勝者の価値を相対的に下げることにもなりかねません。
ソムリエ内では何となく「このコンクールのレベルは高い」「このコンクールはそうでもない」という認識はあっても、一般の方にとってはその違いを見出すことはできませんし、普通に興味ないはずです。
そのため優勝者が増えれば増えるほど優勝プレミアは下がるため、必ずしもコンクールの数は多ければ多いほどいい、というわけではないのです。
現在は経済的な理由か、もしくはこれらを反映しているのか、ソムリエコンクールは数が絞られています。
ソムリエ試験とコンクールの差
私も実際にソムリエコンクールに出場したことがありますが、ソムリエ試験とソムリエコンクールの差は圧倒的で、試験に合格したレベルではコンクールでは全く歯が立ちません。
勉強時間もソムリエ試験を1とすれば最低でも10倍は努力しなければ予選すら通らないでしょう。
ソムリエ試験は多くの人が受験して、多くの人が受かるのでコンクールに比べると絶対評価の試験とみていいでしょう。
もちろん試験内容によっては相対評価で決まることもありますが、ある程度の「ここまでできればいい」というラインは存在します。
しかし、コンクールになると相対評価なので自分以上にほかの人がそれ以上に頑張れば決して優勝できません。
一位になると副賞もあり、海外研修などにも参加できるようになり、メディアでの活躍も期待できます。
それだけにトップの争いはし烈で並々ならぬ競争があるのです。
トップのソムリエは、毎回同じ顔ぶれ
これはどの競技でも同様ですが、実力ある人は毎回決勝戦に残るものです。
ソムリエコンクールも同様で、審査内容は毎回違うのですが傾向は似てますので当然決勝戦に残る面々は同じような人になります。
中にはコンクールあらしとでもいいましょうか、何個ものコンクールに出場し、優勝をする人もいます。
その中に割って出てくる人もいますが、本当の新人が割って入るのはいいとこ3年に一人くらいでしょう。
ソムリエコンクールで一番になりたいあなたに
ソムリエはシェフと違い接客スタッフなので仕事が形になりにくい一面があります。
シェフであれば料理という形でお客様の口に入ったり写真になったりできますが、ソムリエはそうはいきません。
そのためいくら「自分はいいソムリエなんだ」と思っていても、それを他人に証明できませんのでもどかしいものかもしれません。
それであればコンクールに出場し、上位入賞することで他人にも示しやすいし、ソムリエとして活躍するチャンスも広がります。
ソムリエ試験に合格したのちに、極めようと思った場合はコンクールの出場も有効な手段でしょう。
ソムリエコンクール出場のデメリット
ここまでソムリエコンクール出場のメリットについてご紹介しましたが、やはりデメリットも検討したうえで出場するかしないかを判断するのがベストです。
メリットとしては、一番は自己研鑽ではありますが、それとともに
①わかりやすいソムリエ界での活躍
②協会内、メディアでの活躍の場が広がる
③他者にわかりやすく自身のキャリアを伝えることができる
などがあります。
そのうえで、デメリットについては、現代社会はもっと多様な発信の方法があるため、必ずしもソムリエコンクールが唯一の活躍の手段ではない、ということです。
現在はネットでいくらでも情報発信ができる時代なので、ユーザーは必ずしもソムリエコンクールの価値を評価基準にはしていません。
仮にソムリエコンクールで優勝をしている人であっても、自分から発信しなければその人の情報は埋もれてしまいます。
また、そのひとの発信する情報の質が低ければ決して評価をされることはありませんし、現代社会ではユーザーから評価をされる方法は多角化しているのです。
また、これは言いづらいですがソムリエコンクールは自身との相性と言うか、いわゆる運不運もあるものなので、たまたま不運が続いてしまうと、それだけで何年も浪費をする可能性もあります。
上位者になるとそれこそコンクールにすべてをささげる人がほとんどなので、そうなるとそれ以外の分野の割く時間がもてずにもったいない時間を過ごすことにもなりかねません。
そのためコンクール出場はご自身で「挑戦するのは何年」とはっきり定めて、その期間中は真剣に取り組み、結果が出なかった場合はきっぱり諦める、というのも有効な手段です。
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