【最終更新日】2024年11月20日
こんにちは。WBSの前場です。
ソムリエ試験、ワインエキスパート試験は近年大きな転換点にあって、ざっくりいえば難易度が上がり、これまでの「ワイン界の登竜門的な試験」の影は薄まり、資格取得にプレミアのあるイメージがつきつつあります。
もっとも、この難化傾向は今のところ一次試験に顕著に現れていて、二次試験、三次試験についてはまだそこまでの難化には至っていないのが個人的な感想です。
では、そうなると気になるのが二次試験の難易度でしょう。
おそらくあなたはソムリエ試験・ワインエキスパート試験の二次テイスティングの通過率について調べているのでしょう。
一次試験の難化傾向は理解できたけど、じゃあ二次試験はどうなんだって気になるのが人情です。
最初に結論を言いますと、主催者のソムリエ協会からは、受験者数と最終合格者の発表はあっても、個別の一次試験、二次試験、三次試験の合格者などのデータは発表されていません。
ただしそれであっても何となくの経験と雰囲気で「二次試験はこれくらい、三次試験はこれくらい」という合格率というものは存在します。
ざっくりいえば二次試験は8~9割の通過率で、年によるボラティリティがある、とお考え下さい。
ここでは、きになるソムリエ試験・ワインエキスパート試験の二次試験のみの合格率について、できる限り詳しく解説します。
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ソムリエ・ワインエキスパート 二次試験 ”のみ” の合格率・通過率は?
相対評価ではなく、絶対評価の試験
この記事をお読みになることで、ソムリエ試験・ワインエキスパート試験の二次試験は、相対評価ではなく、絶対評価の試験であることが理解できると思います。
相対評価:受験生のうちの上位何%が合格、などの、受験生の出来不出来によって合格点が変動する評価制度
絶対評価:受験生の出来不出来にかかわらず、事前に合格点を決める評価制度
これまで案外この辺りの情報はあいまいで、「大体このくらい」という数値で情報は出回っていたのが現実です。
ソムリエ・ワインエキスパート試験の二次試験の通過率はだいたい8割~9割と、多くのスクールやサイトは解説しているはずです。
ですが、いろいろ分析をすると事前に合格点を決めている絶対評価の試験ではないか、という推測が成り立ち、そうなるともう少し精緻な分析が必要だ、ということがわかります。
具体的な計算方法
前述しましたように、ソムリエ試験・ワインエキスパート試験の合格率は、最終合格こそ発表されていますが、個別の二次試験、三次試験の合格率は発表されていません。
ただし、主催者のソムリエ協会のサイトを見ると、↑のように通過者が発表されていますので、これをもとに計算することになります。
二次試験の合格者はウェブで受験番号を表示する形で発表されますが、ここから、受験番号の頭数を数えることで二次試験の合格者数がわかります。
ワインエキスパートの場合はこの数値が最終合格になりますので、通過者数イコール最終合格者になります。
ここから、二次試験通過者数がわかりますが、まだこれでは推測には不十分です。
この試験は免除制度といって、二次試験、三次試験で不合格になった場合はその後に二次試験から、三次試験から受験できるという、いわゆる救済措置があります。
そのため、テイスティングであれば二次試験から参加、という方のボリュームも検討しなければなりませんが、この人数は発表されていませんので推測をするしかありません。
推測ですのでどこまで精緻な分析かは経験がものを言うことになります。
この変数は経験で合理的に考えれば、いいとこ前年受験者の5%程度でしょう。
というのも、二次試験に進む人は、難易度の高い一次試験を通過しているため、モチベーションは高く、試験を研究していることが多いです。
そのため二次試験も一発通過をする方は多く、僕が運営するWBSでもほとんどの方は二次試験は一発合格をします。
ただし、先ほど申し上げました通り、二次試験は絶対評価の試験の可能性が高いため、不合格が多かった場合は翌年度の再試験組が増えることになります。
そのためもっと精緻に分析をしようと思えばこの辺りを計算に入れることになりますが、そこまでしても大差はありませんし、わかりやすく定数として前年受験者の5%としたいと思います。
また、一次試験通過率も公表はされていませんが、これも経験則で全体の50%として計算をします。
二次試験通過率=二次試験通過者÷(全受験者数×0.5+昨年受験者数×0.05)
が計算式になります。
2023年度分析
ソムリエ
1 ソーヴィニヨン・ブラン フランス 2021年
2 マルベック アルゼンチン 2020年
3 メルロ 日本 2018年
4 ドライベルモット
5 スコッチウイスキー
ワインエキスパート
1 ソーヴィニヨン・ブラン チリ 2021年
2 リースリング オーストラリア 2021年
3 グルナッシュ フランス 2021年
4 テンプラニーリョ スペイン 2017年
5 ジン
この計算をもとにすると、2023年度はワインエキスパートで93.51%、ソムリエで59.68%となっています。
ソムリエとワインエキスパートで通過率に大きな差をつける合理的な理由は見出しにくいので、これも二次試験は相対評価ではなく絶対評価の試験だという端緒になります。
ワインエキスパートは2023年度は比較的素直な銘柄が多く、受験生の声を聞いても銘柄、表現ともにやりやすいように映りました。
一方のソムリエはおそらく過去で最も難易度の高い出題で、1番目のフランス・ソーヴィニョンブランもこれまでの定番であったロワールではなく、ボルドーのソーヴィニョンブランでした。
これに多くの受験生は戸惑ったでしょうし、飲みなれていない場合はどのように表現をしていいかがつかめなかったはずです。
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