ソムリエ・ワインエキスパート二次試験 ソーヴィニヨン・ブランの見分け方

こんにちは!今回はソムリエ・ワインエキスパート試験の二次試験でのソーヴィニヨン・ブランの見分け方についてご紹介させていただきます。

ソーヴィニヨン・ブランはシャルドネに次いで最も試験で出題されやすい白ブドウ品種です。

シャルドネと比べると品種自体の個性はある品種ですので見分け方を押さえれば解答しやすい品種と言えます。

今回は過去のソムリエ・ワインエキスパート二次試験での出題を分析し、外観、香り、味わいの観点から他の品種との見分け方を共有させていただきます。

 

ソムリエ・ワインエキスパート二次試験 ソーヴィニヨン・ブランの見分け方

■過去の出題分析

まずは直近10年間でソーヴィニヨン・ブランが出題された試験を下記にまとめました。

 

2022年 ワインエキスパート ニュージーランド

2020年 ソムリエ フランス

2019年 ワインエキスパート ニュージーランド

2017年 ワインエキスパート チリ

2015年 ソムリエ フランス

2014年 ワインエキスパート ニュージーランド

2013年 ワインエキスパート フランス

 

過去10年間でソムリエ・ワインエキスパート合わせて7回出題されています。

どちらかというとワインエキスパート試験での出題が多い傾向があります。

また産地はフランスとニュージーランドが3回ずつと多いです。

出題者の意図としては、同じソーヴィニヨン・ブランでもフランス(ロワールやボルドーのものを想定してください)に代表されるオールドワールドとニュージーランドに代表されるニューワールドを区別できるかどうかを試していると思われます。

 

チリのソーヴィニヨン・ブランは受験生にとってやや難しいかもしれませんが、このような出題がされた場合、他の受験生の解答は割れますのであまり深追いする必要はないかと思います。

 

■外観での見分け方

試験で出題されるソーヴィニヨン・ブランはオールドワールドとニューワールド両方が考えられますが、外観の特徴は両方共通しています。

 

総論としては、典型的な若い白ワインの外観です。

澄んでいて、輝きのあるグリーンがかったレモンイエロー。

濃度は淡く、粘性も高くありません。

若々しく軽快な印象があります。

以上のコメントは二次試験では様々な若い白ワインが出題された場合決め打ちのように解答するものです。

試験で出題される白ワインのほとんどがこのような外観をしていますので、外観だけでソーヴィニヨン・ブランと断定するのは難しいです。

 

■香りでの見分け方

ソーヴィニヨン・ブランの見分け方で最も重要になるのが香りです。

アロマティック品種の代表であるソーヴィニヨン・ブランははっきりとした香りがあり、品種の個性も際立っています。

 

総論から言うと、ソーヴィニヨン・ブランはハーブや草を思わせる青々しい爽やかな香りがあります。

青々しい香りと言っても、カベルネ・ソーヴィニヨンなどの赤ワインに見られるピーマンのような香りではなく、刈りたての芝生のような爽やかさのある青さが特徴です。

時に「猫のおしっこ」と表現されると聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、試験で使用するコメントシートには猫のおしっこという選択肢はありませんし、ソムリエがレストランで実際に使用することはほとんどありませんから、受験生の皆さんは意識する必要はありません。

2022年の試験では「果実・花・植物」の香りの選択肢に「草のような」がありましたので、ソーヴィニヨン・ブランが出題された場合このコメントが正解になるかと思います。

 

また、フルーツの香りが強いのもソーヴィニヨン・ブランの特徴ですが、オールドワールドとニューワールドで多少印象が異なります。

フランスのロワールなどオールドワールドでは柑橘類や青りんごなどすっきりとした印象のある果実の香りがあります。

ニュージーランドなどニューワールドのソーヴィニヨン・ブランはパッションフルーツなどトロピカルフルーツのような華やかな香りが強くなる傾向があります。

 

ですので鮮烈な草のような爽やかな香りがあった場合、柑橘類のような爽やかな香りが強ければオールドワールドのソーヴィニヨン・ブラン、パッションフルーツのような華やかな香りが強ければニューワールドのソーヴィニヨン・ブランが候補に入るかと思います。

 

■味わいでの見分け方

ソーヴィニヨン・ブランの味わいは基本的にはステンレスタンク熟成のシャルドネなどスッキリ系の白ワインと近いものになります。

 

アタックはやや軽いかやや強く、甘味はドライ、酸味は爽やかで苦味は控えめもしくは穏やか、ジューシーさを感じるワインが多いです。

アルコール度数はオールドワールドであれば中程度ですが、ニューワールドではやや強いワインも見受けられます。

 

ステンレスタンク熟成のシャルドネとの違いを挙げるとすれば、ソーヴィニヨンブランの方が酸味が強く、余韻が長く感じるワインが多いです。

 

■間違いやすい品種

ソーヴィニヨン・ブランと間違いやすい品種と言えばやはりリースリングだと思います。

二次試験ではアロマティック品種とニュートラル品種をまず見分けることが重要ですが、ソーヴィニヨン・ブランと並んでアロマティック品種を代表するのがリースリングです。

ソーヴィニヨン・ブランと同じように香りの立ち方が豊かではっきりとした個性があります。

また、柑橘類などのフルーツの香りがあることや、酸味がしっかりしているのも特徴で、ソーヴィニヨン・ブランとの共通点も多いです。

 

リースリングは品種特徴香としてぺトロール(石油のような香り)がありますが、ぺトロール香はリースリングの欠陥と捉える生産者もいますので、全てのリースリングにぺトロール香があるわけではありませんから、アロマティック品種の白ワインが出題された場合迷いやすいです。

 

私が受験した2022年のソムリエ試験でもまさにそのような出題がありました。

ドイツのリースリングだったのですが、ぺトロール香はさほど感じず柑橘などの爽やかな香りが印象的でした。

少し花や草など植物のような香りがあったため周りの受験した人に聞いてもソーヴィニヨン・ブランと間違えた人は多かったです。

 

ただ今振り返ると若干のぺトロールのような香りもありましたし、微発泡もしていました。

これは個人的な印象ですが、リースリングは割と還元的に造ることが多いのかわずかに発泡しているワインが多いです。

逆にソーヴィニヨン・ブランで発泡しているワインはそこまで見かけたことはありませんから、ソーヴィニヨン・ブランかリースリングで迷ってどうしようもなくなったら泡を見てみてもよいかもしれません。

 

■まとめ

今回はソーヴィニヨン・ブランの見分け方についてご紹介させていただきました。

 

まず外観だけでは他の品種と見分けがつきにくいです。逆に言うと典型的な若い白ワインにありがちなコメントを選択すれば得点はしやすいです。

 

香りの面が最もソーヴィニヨン・ブランの特徴が出やすく見分ける大きなポイントになります。

どの産地のソーヴィニヨン・ブランでも草や刈りたての芝生のような青々とした香りがあるのが特徴です。

また、オールドワールドのソーヴィニヨン・ブランでは柑橘類などさっぱりとしたフルーツ、ニューワールドのソーヴィニヨン・ブランではパッションフルーツなど華やかなフルーツの香りがあります。

 

味わいでは酸味がしっかりしていることと、余韻が長いということが特徴ですが、リースリングなど他のアロマティック品種とも共通しているので味わいだけで見分けるのも難しいかもしれません。

 

最後に、どうしてもソーヴィニヨン・ブランか他の品種か迷って決められなくなった時の対処法ですが、ソーヴィニヨン・ブランが候補にあるということはアロマティック品種に絞れてはいるわけです。

同じアロマティック品種であれば、他の外観や香りや味わいのコメントは似たものになります。

ですので、品種を間違えたとしても大きく点を落とすことはないと考えられますから気楽に続きの試験に臨みましょう。


 

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