ニュージーランド ピノノワールのクローンとは?10/5,UCD5,DRCエイベル,Dijon Clone

【最終更新日】2024年7月16日

ブドウのクローンとは、優れた特性を持つブドウの一部を取り、遺伝的に同一の個体を増やす方法です。

これにより、品質の安定したワインを生産できます。クローン技術は、特定の病害虫耐性、収量、風味などの望ましい特性を強化するために利用されます。

ブドウ栽培者は、多様な気候や土壌条件に適応したクローンを選ぶことで、ワインの個性や品質を向上させることができます。

クローン化は、伝統的な接ぎ木や挿し木の技術に基づいて行われ、ブドウ品種の多様性と品質の向上に寄与しています。

 

今回の練習問題は、ニュージーランドのクローンからの出題です。

 

*この記事は、WBSワインブックススクールの代表前場が、インスタグラムに毎日投稿するソムリエ・ワインエキスパート試験のお役立ち情報を抜粋し、スタッフが記事にしています。

【過去の記事はこちら】

 

ニュージーランド ピノノワールのクローン

【練習問題】

オークランド空港の税関職員が帰国者の手荷物から没収したブルゴーニュの畑から採ってきたとされる枝から派生したクローンを選んでください。

① 10/5

② DRCエイベル

③ UCD5

④ Dijon Clones

 


 

【解説】

この問題は、ニュージーランドの科目の本文をよく読まないと回答できない問題です。

よく読むとピノノワールのクローンは4つ例示がされていることがわかります(540p)。

例示が4つということは四肢択一にも出題しやすく、出題者側は問題作成に用いやすいということが推測できます。

 

ニュージーランドのクローンは、教本記載ではピノノワールとソーヴィンニョンブランが例示され、ピノノワールでは

10/5,UCD5,DRCエイベル,Dijon Clone

がピノノワールの生産の基礎を成す

と記載されています。

試験を受ける方は押さえておきましょう。

 

【正解】

② DRCエイベル

DRCエイベルは、オークランド空港で税関職員をしていたマルコルム・エイベル氏がフランスから帰国した客の手荷物からロマネコンティの畑から採ってきた枝を押収し、これを後日自分の畑で植えたことが起源とされるクローンです。

海外から植物を持ち込むことは、予期しない病害虫の侵入や遺伝資源の盗用などの問題を抱えています。

無許可で銘醸地の枝を切って持ち込むのはやめましょう。

 

ブルゴーニュの生産者の方と話をすると、

ブルゴーニュはピノノワール単一だと思われているけどピノノワールにもいろいろあって、一つ一つは全然違う

と言われます。

確かに、同じブルゴーニュでも味わいは様々で、テロワールの違いもありますが、それに加えてクローンの違いも味わいに大きく影響を与えるそうです。

これについては生産者レベルにならないとわかりませんし、ワインについては生産者には絶対に適いません。

 

クローンセレクションとマサルセレクション

クローンの問題に派生して、実際の畑の運用についてクローンセレクションとマサルセレクションをおさえましょう。

ブドウ畑でのクローンセレクションとマサルセレクションは、ブドウの品質と収量を向上させるための二つの異なる方法です。

 

クローンセレクション

クローンセレクションは、特定のブドウ品種の中から優れた個体を選び、その遺伝的に同一の子孫を増やす方法です。

クローンは、病害虫に強い、風味が優れている、高収量であるなどの望ましい特性を持つ個体を基に作られます。

この方法の利点は、一貫した品質と性能を持つブドウを安定的に生産できることです。クローンは特定の環境条件に適応しやすく、予測可能な結果をもたらします。

クローンセレクションは通常、研究機関や専門の育種家によって行われ、特定のクローンが選ばれた後、栽培者に提供されます。

この方法は、特定の品質基準を維持し、ワインの一貫性を確保するために広く使用されています。

 

 マサルセレクション

一方、マサルセレクション(Massal Selection)は、伝統的な方法で、古いブドウ畑から優れた特性を持つ複数のブドウ株を選び、その切り枝を新しいブドウ畑に植え付ける方法です。

この方法では、ブドウの遺伝的多様性が維持されます。

マサルセレクションは、特定の個体ではなく、畑全体の健康と多様性に注目します。

マサルセレクションの利点は、ブドウ畑の遺伝的多様性を保つことで、病害虫への耐性を高め、環境変動に対する適応力を向上させることです。

また、複数の特性を持つブドウが混在することで、複雑で豊かな風味のワインが生産される可能性があります。

 

それぞれの比較

クローンセレクションは一貫性と予測可能性に優れ、特定の品質を維持したい場合に適しています。

マサルセレクションは多様性と畑全体の健康を重視し、より自然で多様な風味を持つワインを生み出すことができます。

どちらの方法も、それぞれの目的や目標に応じて適切に選択されるようになっています。

ワイン生産者は、これらの方法を組み合わせることで、理想的なブドウ畑を構築することができます。


 

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