【最終更新日】2025年1月3日
こんにちは。WBSの前場です。
ワインの資格試験に挑戦する方にとって、二次試験のテイスティングは学習初期にはかなりハードルが高いと感じているでしょう。
そこで、多くの受験生が疑問に思うのが、「テイスティングの準備をいつから始めれば良いのか?」という点です。
本記事では、二次試験対策のスタート時期について解説します。
結論から言えば、「早くに始めるに越したことはない」という当たり前の理屈になりますが、それでは身もふたもないので、踏み込んで解説をします。
ここでいうテイスティングとは、普段の趣味や仕事で行うテイスティングとは異なります。
試験向けのテイスティングでは、決められたフォーマットに従って、ワインの外観・香り・味わいを分析し、的確なコメントを記述するスキルが求められます。
ワインライフでの楽しむためのテイスティングではなく、正確さと一貫性が重視される点を理解して練習を進めましょう。
また、最近盛り上がりを見せているブラインドテイスティングについては、何年もかけて積み上げていくものなので、それこそ試験向けの「今年合格するため」のトレーニングとは違います。
試験には「試験で求められるテイスティング能力」があって、それはブラインドテイスティングでの最重要項目である「当てること」とはちがいますので、最初におさえておきましょう。
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目次
ソムリエ試験・ワインエキスパート試験の二次試験テイスティング準備はいつから始めるべきか?
スタート時期を決める3つのポイント
テイスティングの準備を始める時期は早すぎても遅すぎても問題があります。
早すぎるとモチベーションが続かず、練習に対する集中力が低下する可能性があります。
一方で遅すぎると、必要なスキルが十分に身につかないまま試験を迎えるリスクが高まります。
ポイントは、自分自身の理解力や習熟度、試験日程を踏まえて適切なタイミングを見極めることです。
ここでは、あなたがテイスティングの準備を始めるにあたって3つのキーポイントに沿って解説します。
1. 現在のスキルレベルを見極める
テイスティング経験が豊富な方であれば、3–4か月前のスタートでも間に合うかもしれません。
一方、初心者の場合は早めに取り掛かることを強く推奨します。
具体的には、「香りの種類を言い当てる自信があるか」や、「酸味や渋味のレベルを表現できるか」といった点を自己評価してみましょう。
なお、今の段階で「当たる」「当たらない」は一切気にする必要はありません。
二次の本試験であっても結論をすべて外しても合格する方はいらっしゃいますので、思い切って「当たる当たらないは試験の合格不合格とは直接関係しない」と割り切るのも一つの手段です。
2. 試験日程を逆算する
多くの試験では、一次試験の結果が出た後に二次試験の準備を始める方が多いですが、それでは時間が足りない可能性があります。
試験日程を確認し、一次試験の準備と並行して二次試験の基礎練習を取り入れることが重要です。
今年度二次試験の日程はまだ発表されていませんが、おそらく例年通り10月前半の可能性が高いです。
そうなった場合に、9月の1か月まるまるをテイスティングのトレーニングに充てられますので、「集中して1か月で試験合格するための準備期間」ととらえて日々を過ごすのがベストです。
3. 練習環境を整える
テイスティングの練習には、実際にワインを用意し、ブラインドで試すことが必要です。
自宅での練習環境を整える、あるいはワインスクールやテイスティンググループに参加する準備を早めに進めておくとスムーズです。
ブラインドテイスティングは、一人で実現するのはかなりのハードルなので、学習仲間を探して複数人で学習するのは非常に効果的です。
WBSにはブラインドテイスティング通信講座もありますので、それを複数人で試すことで費用をおさえ、効果的に学習することが可能です。
効率的な準備の進め方
■ 基礎知識を固める
テイスティングの基礎知識を身につける際、単なる結論だけを覚えるのではなく、ワインの醸造やブドウ栽培との関連性を理解することで、より深い知識を得ることができます。
例えば、ワインに感じられる酸味はブドウの収穫時期や栽培地の気候と深く関わっています。
冷涼な気候で育ったブドウは酸味が強く、暖かい気候では酸味が穏やかになる傾向があります。
また、ブドウの成熟度や収穫タイミングが味わいに与える影響も考慮すると、ワインの個性を正確に捉える力が養われます。
香りについても、例えばバニラやスパイスのニュアンスは、ワインが樽熟成されているかどうか、どのような樽が使用されているかといった醸造プロセスに由来します。
同様に、果実やフローラルな香りは、使用されているブドウ品種の特性を反映していることが多いです。
これらの背景を理解することで、香りや味わいの由来を論理的に説明できるようになり、試験でも説得力のあるコメントを作成する助けになります。
テイスティングは分析だけではなく、ワインがどのように造られたのか、またその背景にあるブドウ栽培の知識を結びつけることで、より深い理解と自信を持つことが可能になります。
試験に向けた練習の中で、これらの要素を意識的に取り入れることをおすすめします。
■WBSのブラインドテイスティング通信講座を活用した場合の3ステップ
WBSのブラインドテイスティング通信講座を利用することで、効率的かつ効果的にテイスティングスキルを向上させることができます。
以下の3ステップで学習を進めましょう。
なお、ブラインドテイスティング通信講座はソムリエ試験・ワインエキスパート試験の一次試験にアジャストしていますが、より具体的な教材については2025年8月ころ販売の予定ですので、そちらでしっかりと対策をさせていただきます。
いまからブラインドテイスティング通信講座をご利用いただかなくても全く問題ございません。適宜ご判断ください。
送付された教材とワインを活用
講座から提供される教材やワインを使って、試験形式のブラインドテイスティングを実施します。
ワインの外観、香り、味わいを詳細に記録し、試験で使うフォーマットに慣れることが重要です。
ブラインドテイスティング通信講座は当たる・当たらない に加えて、ソムリエ試験・ワインエキスパート試験の二次試験に最適なフォーマットで提供しています。
フィードバックを活用して自己評価
講座では解答例や講師のフィードバックが提供されます。
自身の記録と照らし合わせることで、分析の正確性やコメントの妥当性を見直し、改善点を特定します。
また、ゲーム感覚で他者の理解度と自身の理解度を比較することもできるようになっています。
繰り返し練習でスキルを強化
実践を重ねることで、ブラインドテイスティングの精度を高めます。
特に間違えやすいポイントや苦手なワインスタイルを重点的に練習し、試験本番で自信を持てるレベルに到達しましょう。
これらのステップを繰り返すことで、試験で求められるスキルを効率よく習得できます。
基礎的なワインは当たる・当たらないにこだわり、応用的なワインは正確な表現にこだわる、などの段階的な活用が可能です。
試験で出題される主要ブドウ品種に注目
ソムリエ試験やワインエキスパート試験では、白ワインはシャルドネ、ソーヴィニョン・ブラン、リースリング、赤ワインはカベルネ・ソーヴィニョン、ピノ・ノワール、シラーといった主要なブドウ品種が頻繁に出題されます。
そのため、これらの品種を中心にテイスティングを楽しむことが効果的です。
各品種の特徴を学びながら、それぞれのワインが持つ典型的な香りや味わいを理解することが重要です。
例えば、シャルドネのバターやトロピカルフルーツのニュアンス、ソーヴィニョン・ブランのハーブや柑橘系の香り、カベルネ・ソーヴィニョンのカシスや黒系果実の香りを意識してテイスティングを行いましょう。
試験準備の中で、主要品種に集中して練習することで、効率よくスキルを向上させることができます。
また、ブドウ品種ごとの違いを楽しむことで、テイスティングが単なる試験対策ではなく、より充実した経験となるでしょう。
では、ここから具体的に二次試験のテイスティングの準備をいつから始めるべきか、また、始めるとしてどのようにするべきかに進みます。
なお、ここでいう「いつから始めるべきか」については、純粋の「この記事をいつのタイミングで読んだのか」がいいフラッグになると思います。
WBS生であればこの記事は入会のタイミングでお読みいただき、ご参考にされると思います。
WBS生でなくてもこの記事をお読みいただき、参考になった段階でのタイミングとお考え下さい。
1月から始める場合のポイント
試験の年の1月からテイスティングの準備を始める場合、焦る必要はありません。
WBSに入会される場合、WBSのスケジューリングにすべて任せてください。
まずはワインを大まかなカテゴリで区別できるようになることを目指しましょう。
例えば、赤と白、辛口と甘口、軽めと重めといった基本的な違いをしっかりと理解します。
これだけでも、試験の基礎を固める大きな一歩になります。
試験直前になると詳細な香りや味わいの分析に集中する必要がありますが、現段階では無理に細かく分析する必要はありません。
リラックスしながらワインを楽しみつつ、基礎的な区別を習得していくことをおすすめします。
3月から始める場合のポイント
試験の年の3月からテイスティング準備を始める場合、まずは主要なブドウ品種の判別に集中しましょう。
白ワインではシャルドネ、ソーヴィニョン・ブラン、リースリング、赤ワインではカベルネ・ソーヴィニョン、ピノ・ノワール、シラーなど、試験で頻出の品種に絞ることで効率的にスキルを磨けます。
具体的には、各品種が持つ特徴的な香りや味わいを意識しながらテイスティングを繰り返すことが重要です。
例えば、シャルドネのバターやトロピカルフルーツ、ソーヴィニョン・ブランの青草や柑橘系、カベルネ・ソーヴィニョンのカシスや黒系果実など、それぞれの典型的な要素を覚えることを目指します。
また、主要品種ごとに飲み比べを行い、違いを明確に理解するトレーニングを取り入れると良いでしょう。
判別ができるようになれば、試験本番での自信にもつながります。
この時期は品種判別に特化して取り組むことで、基礎を固めることを第一に考えましょう。
一次試験合格後に始める場合のポイント
一次試験合格後から準備を始めるのであれば、効率的に合格するための「試験向けテクニック」に絞った学習が効果的です。
この「一次試験合格後に始める」は、「一次試験合格まで一切なにも意識しないでいる」を意味しますので、いま(1月)WBSに入会されている方には当てはまりません。
WBSは二次試験向けの「いまやるべきこと」についてもしっかりとリードしますので、何も心配しないでください。
「試験向けのテクニック」とは、乱暴に言えば「プロセスはどうでもいいから結論だけあっていればいい」という理屈です。
具体的には、試験でよく出題されるワインの特徴や香り、味わいの表現を暗記し、パターンを把握することが重要です。
例えば、「柑橘系の香り」「酸味の強さ」など、出題頻度が高いポイントを押さえるだけで得点率は格段に上がります。
また、限られた時間内で判断力を鍛えるため、実際にブラインドテイスティングを繰り返し練習することも必要です。
このように、小手先でも表面的なテクニックに集中することで、短期間で効率よく合格を目指すことが可能です。
まとめ
ソムリエ試験・ワインエキスパート試験の二次試験テイスティング準備は、スキルの習得に時間がかかることを考慮し、できるだけ早めに始めるのが理想です。
初心者であれば6か月前、経験者であれば3–4か月前を目安にスタートしましょう。
計画的に準備を進め、試験当日には自信を持って臨めるよう、日々の練習を大切にしてください。
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