Lazio ラツィオ州

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ラツィオ州(lazio)は、イタリア半島の中央部に位置し、北はトスカーナ、ウンブリア、マルケ、東はアブルッツォ、モリーゼ、南はカンパーニャ、西はティレニア海に面しているイタリアの20の行政区の一つである。

州都はローマであり、イタリアの首都で最大の都市である。イタリアで2番目に大きい地域経済圏である。

この地域は主に平坦で、最東部と南部には小さな山地がある。南部地区は、かつて湿地帯でマラリアが発生していたアグロ・ポンティーノの平地が特徴で、数世紀をかけて埋め立てられた。

「すべての道はローマに通ず」と讃えられた古代ローマ時代の繁栄で有名な都市ローマがあり、中世以降もローマ・カトリックの総本山ヴァティカン(バチカン)があることから世界の精神的中心地である。

古代帝国時代ではまさに「世界の中心」あり、「信仰の中心」であった。

19世紀後半にイタリア王国の首都となってからは、ファジズム時代、戦後高度成長期を通じて、一貫して重要な役割であり、現在でも政治、ジャーナリズム、芸能、テレビの中心である。

また世界中の芸術・文化遺産の3割がローマにあるといわれており、世界中から観光客が押し寄せている。

 

気候・地理

州の東を南北に走っているアペニン山脈があり、ラツィオとアブルッツォを隔てている。州の真ん中をテヴェレ川が横切り、オスティアでティレニア海に注いでいる。

ラツィオ州にある多くの丘陵地帯、湖などは火山性のもので、土壌も火山性のところが多い。西のティレニア海近くには平地もあり、かつて湿地帯であったところをムッソリーニが干拓して農地とした場所も多い。

気候は温暖で雨が少ない典型的な地中海性気候だが、アペニン山脈近くでは大陸性の涼しい気候となる。

イタリアの州都の中で最も日照時間と晴れの日が多い街がローマであり、気候に恵まれている。

 

ワインの特徴

主要品種は下記である。

マルヴァジア・ビアンカ・ディ・カンディア(ローマ周辺のカステッリ・ロマーニ地区で栽培されている白ブドウ)

マルヴァジア・デル・ラツィオ(ラツィオ州のカステッリ・ロマーニ地区で栽培される白ブドウ。マルヴァジア・プンティナータとも呼ばれる。病害に弱いため栽培されなくなっていたが品質は高く再評価されている)

トレッビアーノ・トスカーノ

トレッビアーノ・ロマニョーロ(ロマーニャ地方で栽培されるトレッビアーノの下品種)

トレッビアーノ・ジャッロ(ラツィオ州、特にカステッリ・ロマーニ地区で栽培される白ブドウ。ブドウが成熟すると黄色(ジャッロ)になるのでこの名前がついた。ブレンド用品種として使われることが多い)

チャサネーゼ(ラツィオ州の固有品種の黒ブドウ。1960年代まではラツィオ全体で広く栽培されていたが、今はピリオ、アッフィレ、オレ

ヴァノ・ロマーノなどの狭い地域で栽培されている)

モンテプルチャーノ(イタリア中部で最も重要な黒ブドウの一つ)

 

料理

ラツィオ州の料理では、スパイスが広く使われている。

またローマやラツィオの料理は、野菜やパスタなど安価な食材を使うが、貧しい人々はタンパク源を必要としていた。

そこで、富裕層に高価な部位を売却した後に残った動物の死骸、いわゆる「クイント・クアルト(Quinto quarto)」(4分の5の意味で、家畜を4等分に解体する際に、使われない部分や内臓などをまとめてクイント・クアルトと呼んでいる)を利用したのである。

クイント・クアルトにはトリッパ、腎臓(尿臭を消すためにレモンを入れた水に長時間浸しておく)、心臓、肝臓、脾臓、脳、舌、牛尾、トロッター、パジャータ(母乳だけで育った子牛の腸)などが含まれ、このような素材を利用した料理が多くある。

 

それら以外でラツィオ州で最も有名な食べ物のひとつはパスタである。この地方で考案された料理には、以下のようなものがある。

スパゲッティ・アッラ・カルボナーラ(パンチェッタと玉子、ペコリーノ・ロマーノ・胡椒)

ペンネ・アッラビアータ

スパゲッティ・アッラ・グリシア

スパゲッティ・カーチィオ・エ・ペーペ(DOPチーズであるペコリーノ・ロマーノと胡椒でスパゲッティを和えた羊飼いの料理)

ブカティーニ・アッラ・アマトリチャーナ(グアンチャーレ、トマト、トウガラシ、ペコリーノ・ロマーノのソース)

グアンチャーレとは、塩をまぶして乾燥させた豚の頬肉である。様々なソースに使われる。

グアンチャーレは、豚の頬肉から得られるカット肉で、ラルド(背脂)やパンチェッタ(腹脂)とは異なる組成の貴重な脂肪分が含まれた赤身の筋が交差しており、パンチェッタよりも硬く、より独特な風味を持っている。

また、ペコリーノ・ロマーノ・チーズも重要な食材である。

野菜もよく使われ、中でもアーティチョーク(カルチョーフィ)が有名である。

カルチョーフィを使った料理として、カルチョーフィ・アッラ・ジュディア(アーティチョークをオイルで揚げた料理)が有名である。

伝統的な肉料理には、サルティンボッカ・アラ・ロマーナ(仔牛にパルマ産生ハムとセージを巻き、白ワイン、バター、小麦粉で煮込んだもの)、アバッキオ・アラ・ロマーナ(子羊のロースト、ガーリック、ローズマリー、コショウ、刻んだ生ハムの組み合わせ)などがある。


 

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