【ソムリエ・ワインエキスパート試験】教本の出題個所を知るポイント

ソムリエ試験、ワインエキスパート試験の一次試験はCBT形式の筆記試験で、その場で合否がわかるシステムになっています。

CBT試験は Computer Based Testing の略で、受験者がパソコンの前に座り、受験者ごとに難易度が調整された問題がランダムに出題される試験形式です。

 

CBT試験は期間を定めて行われ、ソムリエ試験・ワインエキスパート試験であれば例年7月後半から8月末日までがその期間となります。

1か月以上の期間が設けられているわけですから、当然無数の試験問題をデータベースに入れていないといけません。

120問出題されるのにデータベースに200問しか登録されていないと多くの受験生に同じ問題が出題されますから、CBT試験の意味がないからです。

 

では、何問登録されているのか・・・これはもちろん主催者以外にだれにもわかりませんし、わかってはいません。

ただし多くの受験生の声を聴く立場としては、おそらくどれだけ少なく見ても1万問は登録をされていると感じています。

 

この試験はソムリエ協会からはっきりと「ソムリエ協会教本から出題されます」とあります。

ソムリエ協会教本は毎年3月に発売されるソムリエ試験、ワインエキスパート試験のバイブルで、毎年更新されるため、更新個所からも当然多くの出題がなされます。

そのため多くの受験生は3月発売とともに購入して学習をすることになるのですが、教本は800ページにも及びますし、全世界のワイン生産地域が網羅され、文字と地図と表だらけの文字通り教本です。

 

普通はこれを読み込もうと思っても無理だし、挫折をするのが一般人の感覚です。

そのため多くのスクールではまずはスクールの基礎講座を受講していただき、ならしてから教本の学習に進むというスケジューリングを採っています。

WBSも6月までの基礎講座を終わらせてから本格的な教本の読み込みに入れば十分ですし、それで毎年多くの方が合格をされています。

 

 

ただし、ソムリエ協会教本を読んでも「どこを読んでいいかわからない」「何が出題されるのかわからない」という人は意外に多く、これでは最初から最後までを丸覚えしないといけないため、効率が悪くなってしまいます。

僕は多くの方の受験指導をしていますが、上級試験のエクセレンス試験であっても「どこが重要箇所なのかがわからない」という人は多いです。

 

どの分野にも天才肌という人はいて、一度読み込めばはっきりと鮮明に記憶できる人もいると思いますが、普通はこうはいきません。

何度も読み込んで、覚えられなければノートに書きこんで、壁に付箋を貼っていつでも見れるようにして、何とか覚えるのが普通の感覚です。

僕自身も現役時代は壁にも天井にも床にも、ありとあらゆるところに紙を貼って、それで覚えました。

こうなるといよいよ「教本のどこから出題されるのか」は重要で、どこから出題されるのかがわかるのかわからないのかは合否を大きく左右します。

合否だけではありません。どこが出題のポイントなのかがわからなければ余計なところを学習することになりますので、勉強時間が増えてしまい、効率も悪くなってしまいます。

 

今回は試験勉強で重要な「教本の出題個所」について解説をします。

一部クローズコンテンツになっていますが、WBS一般会員様であればすべて閲覧することができますし、本格的に学習を始める前に必ず必要な知識になりますので、できれば最後までお読みください。

 

WBSのソムリエ試験・ワインエキスパート試験対策講座はこちら→

 

総論としてのソムリエ試験・ワインエキスパート試験の勉強方法はこちらをご参考ください→

 

 

なお、今回はソムリエ試験、ワインエキスパート試験を勝負事の対象として検討して理論展開をしています。

一般論としての試験対策とは違いますし、やや飛躍した表現や僕個人の思い入れも反映されていますので、予めご了承ください。

 

それでは、ぜひ最後までお付き合いください。

 

 

 

ソムリエ協会教本の出題個所とは?

わからない人には”いい人”が多い

のっけから申し訳ないのですが、多くのソムリエ試験・ワインエキスパート試験の受験生にアドバイスをさせていただいて、多くの方と接するうちに、僕はとある一つの傾向があることを知りました。

それが、「教本の出題個所がわからない人にはいい人が多い」ということです。

 

ここは誤解も多いところなので丁寧に説明させていただきますが、ここでいう「いいひと」とは、相手を疑わない、相手の足元を見ない、相手の都合を深読みしない、こういう人のことを言います。

プライベートですとこれは分かりやすいでしょう。

いくら仲よくしようとしてもいつまでも疑われたり、自分の懐具合を探られたり、知られたくもない都合を詮索されればいい気はしません。

そういう人は普通は”いい人”とは感じないでしょう。

 

逆に素直に接してくれて、疑わず詮索せず、知られたくない都合にも触れてこない。

こういう人は”いい人”に映ることが多いでしょうし、人当たりも良く、育ちの良さを感じるものでしょう。

 

誤解がないように、これ、なにも「いい人になるな」と言っているわけではありませんからね、くれぐれも誤解しないようにしてくださいね。

 

兵は詭道なり

「へへへ。戦いなんだから、だましてなんぼ」←言い過ぎです。

 

勝負事の世界を勉強する際に、「孫氏の兵法」を読んだことがある人は多いはずです。

孫氏の兵法は紀元前500年頃に書かれた軍事理論書で、この手のもののうち最も著名なものの一つです。

 

この中の一説に「兵は詭道なり」という文言があります。

細かくは省きますが、せんじ詰めれば「所詮は戦いとは騙しあいだ」ということです。

 

そりゃそうでしょう。多くのひとの命がかかった戦争で相手の策略にまんまと引っかかっていては国を守れませんし、そんな人にトップを任せることはできません。

相手の懐具合もわからず、言っていることを丸呑みする、都合もわからない、これでは戦いにおいては命取りになるのです。

 

・・・。

「兵は詭道なり」たしかに戦術論としては受け入れないといけないメンタリティでしょう。

ただし、ソムリエ試験、ワインエキスパート試験においては「兵は詭道なり」はかなりのパワーワードになりそうです。

 

 

ソムリエ試験・ワインエキスパート試験は・・・?

では、これをこのままソムリエ試験・ワインエキスパート試験にあてはめられるのか?

確かに資格試験ですから勝つ人と負ける人がいますので、勝負事、戦いだととらえることもできます。

上級試験のエクセレンス試験やソムリエコンクールになるともっとこの色合いは強くなってきます。

 

ですが、毎年7000人も受験するソムリエ試験・ワインエキスパート試験であれば、そこまでのものではなく、大きく見れば戦いではありますが、ドロドロしなくても合格することはできます。

逆にあまりにも勝負事、戦いごとだという意識が強すぎてしまうと他者との軋轢を生んでしまい、協調性に欠けると判断されてしまいます。

そのうえで、戦いとか勝負事とかの要素を全く抜きにしている人と、これらの要素「も」あるんだとしている人では学習内容に大きな差が出てきます。

 

僕の経験上、ソムリエ試験・ワインエキスパート試験であれば、勝負事、戦いなんだという意識は100あるうちのいいとこ5くらいで、10あると競争意識が強すぎてとっつきにくいとなる可能性があります。

上級試験のエクセレンスであればこの割合は20はないと困りますし、順位がはっきりするソムリエコンテストになれば50はないとあの魑魅魍魎を勝ち抜けません。

 

教本を”悪い人”になった気分で見る

ではここから、実際に教本を疑いの目で見て見ましょう。

試験ですから当然相手がいますが、誤解も多いのですが多くの場合は受験生同士が競争相手だとする人は多いです。

ですが受験生はいいとこライバルであって、戦う相手ではありません。

ここでいう相手は当然「試験の出題側」になります。

 

あなたが過去問を試してみて、ただ「難しいなあ」で終わらせているのでは先が思いやられます。

試験問題を斜に見て、出題側の意図や都合や事情”も”くみ取ることで、どこが出題されやすいのかがわかるようになるからです。

逆にこれがわからないと重要箇所を自分で探ることができないので他者に依存することになったり、学習効率が悪くなり、可処分時間を削ることになってしまいます。

 

もちろん完全に悪い人になる必要はありません。そんなひとWBSではそもそもお断りです。

ただし、「悪い人の気持ちになる」あるいは「悪いことする人の気持ちを推測する」ことは勝負事では重要です。

思い切り性格悪くなった気で教本を見てみましょう。

 

 

ソムリエ試験・ワインエキスパート試験の出題側の都合とは?

いい人であれば相手の都合は深読みしないで言われたことをそのまま受け取るでしょう。

でも今はそんなことを言う時ではありません。

なにせ教本は800ページもありますので、効率が悪くなれば当然あなたの時間を削ることになりますから、見ようによってはここは戦いなのです。

 

ソムリエ試験・ワインエキスパート試験は受験生から見れば資格試験ですが、運営側にすればただのビジネスです。

「ただのビジネス」という表現をすると反発もありそうですが、この表現が言い過ぎだとしても、少なくともビジネスの部分を完全にゼロにすることはできません。

 

↑の表はソムリエ協会の2022年度決算報告書ですが、試験収益は3億7千万円で一番の稼ぎ頭です。

だからこれを無視して運営することは絶対にできない事情を抱えています。

 

一般社団法人は決算ごとに貸借対照表を公告する義務がありますが、決算の報告までする義務はありません。

ただし業界を代表する団体としての透明性の担保からでしょう。決算書までを公開しています。

 

 

絶対に避けたい”受験者離れ”


決算書からもわかる通り、試験収益は運営のかなめであるのですが、では試験収益とはなにかを検討してみましょう。

試験収益は当然ソムリエ試験・ワインエキスパート試験の受験生が支払う受験料になります。

受験費用は条件によって差はあっても、基本的には受験料×受験者数で出すことができます。

 

ソムリエ協会はソムリエ試験の受験者数が年々下がり、そのため試験収益の落ち込みに直面しています。

運営そのものは極めて順調なのですが、それであっても試験収益をこのまま下げ続けることはできませんし、そのためあらゆる方策を練ることになります。

そのキーワードが、”試験の権威性”と”大衆性”です。

 

試験の”権威性”とは?

司法試験や公認会計士、医師国家試験など、いわゆる難易度が高い超A級ライセンスを想像しましょう。

これらは合格することで高いステータスを得られますが、相対評価こそ違いはあっても合格までの難易度は高く、試験の難易度が権威性をより高めています。

「あの人は司法試験に合格した人だ」となればイコール頭がいい、稼いでいる、努力をした人なんだと思う人は多いでしょう。

これが権威性なのです。

 

資格試験に権威性があればそれだけ受験生にとって価値を見出しやすくなりますから受験者数は増える傾向にあります。

逆に試験に権威性がなければ合格する意味を見出しにくいということになりますから、受験者は減りますし、最悪な場合、受験者になめられます。

 

ソムリエ試験、ワインエキスパート試験であれば、「あの試験は難しい」と思わせることで受験生にとってプレミアが生まれます。

合格をすることでプレミアを感じる人が多くなれば実際のビジネスでもワインライフでもメリットは大きくなりますから、試験の権威性は絶対に落とすことのできないメルクマールなのです。

 

試験の”大衆性”とは?

「なんだ、じゃあソムリエ試験、ワインエキスパート試験も司法試験並みに難しくすれば簡単に権威性が増すじゃないか」

と思う人もいるかもしれませんが、そんなんでは世の中難関試験だらけになってしまいます。

 

試験の難易度を上げ過ぎると今度は受験者に苦手意識を持たれてしまい、「どうせ受けても受かりっこない」となりますから、受験者離れを引き起こしていしまいます。

権威性の反対側には大衆性がありますが、受験者の母数ゾーンを大衆性とした場合に、完全にこれを無視することは絶対にできない事情があるのです。

 

つまり、主催者側としては、権威性を保ちながらも大衆性にも気を払うというなかなか難しいかじ取りをしなくてはいけない、という根源的な事情があるのです。

 

CBT試験であることの事情

ソムリエ試験・ワインエキスパート試験の一次試験はCBT試験なので、これも大きな判断材料です。

CBT試験はその場で合否がわかるということは、すべての設問に回答を設けなければなりません。

ということはコンピューターが正誤の判断ができないといけない、という事情を抱えています。

 

2022年まではすべての問題が四肢択一でした。

四肢択一は、4つ選択肢があってそのうちの一つが正解、というものですが、これはコンピューターであれば簡単に正誤の判断がつきます。

1~4の選択肢があって、3が正解であれば、1,2,4を選べば不正解、3を選べば正解ですから、これは簡単でしょう。

 

逆にいえば正解が割れたり、コンピューターでは判断できないような回答が予測されるような設問は出しにくいということになります。

 

 

いかがでしょうか?なんとも意地悪な気持ちにもなりますが、他資格の受験予備校はもっと踏み込んで主催者側の都合を分析しています。

ここからはクローズコンテンツになりますが、さらに踏み込んで、教本からどのような個所が出題されやすくて、どのような個所が出題されづらいのかを解説します。

 

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