ソムリエ二次試験 品種ごとの見分け方(赤ワイン編)

こんにちは!今回はソムリエ二次試験の赤ワインの品種の見分け方についてお話しさせていただきます。

 

ソムリエ二次試験のテイスティングは学科と比べて対策や練習が難しい試験です。

しかし、通過率は7割ほどとさほど低くなく、試験の傾向を掴んでおくことである程度太刀打ちできるようになる試験です。

 

本記事ではソムリエ二次試験の赤ワインの全体像と頻出の品種カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール、シラーの見分け方についてお伝えしたいと思います。

 

ソムリエ二次試験 赤ワインの見分け方

ソムリエ二次試験の赤ワインの過去問

まずは次のデータをご覧ください。

過去5年間のソムリエ・ワインエキスパート二次試験で出題された赤ワイン品種です。

 

2022年ソムリエ

シラーズ

 

2022年ワインエキスパート

カベルネ・ソーヴィニヨン

シラー

 

2021年ソムリエ

サンジョベーゼ

メルロ

 

2021年ワインエキスパート

テンプラニーリョ

カベルネ・ソーヴィニヨン

 

2020年ソムリエ

ネッビオーロ

 

2020年ワインエキスパート

カベルネ・フラン

ピノ・ノワール

 

2019年ソムリエ

カベルネ・ソーヴィニヨン

テンプラニーリョ

 

2019年ワインエキスパート

サンジョベーゼ

カベルネ・ソーヴィニヨン

 

2018年ソムリエ

シラーズ

 

2018年ワインエキスパート

メルロ

グルナッシュ

 

何が求められているのか?

白ワイン編ではシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリングといった代表的な品種に出題が集中しているという話をしましたが、赤ワインではカベルネ・ソーヴィニヨン、シラーが多い他は出題がバラけていることが分かります。

 

品種がバラけているということは難しいのではないか。と考える方もいらっしゃるかと思いますが、これはソムリエ協会としては白ワインほど品種を当てることを受験生に求めてはいないと読み取ることもできます。

白ワインと同じようにタイプ分けをきちんと行い、大きく回答を外さないことが重要になります。

 

では赤ワインの品種を見分ける際にどのようなタイプ分けを行うのが良いでしょうか。

白ワインではアロマティック品種とニュートラル品種を分ける方法をお伝えしましたが、赤ワインでは色で分ける方法が使えます。

 

ソムリエ試験の赤ワインは基本的に若いワインが出題されますので、大体紫の色調が見られることが多いです。

その中でも

・淡い紫(ルビー)

・濃い紫(ガーネット)

に分けられ、例外的に

・オレンジがかった紫

の3つの色調に分けられます。

 

淡い紫の品種はピノ・ノワール、マスカット・ベーリーA、ガメイの出題が考えられます。

濃い紫の品種はカベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、メルロなどがあります。

オレンジがかった紫はソムリエ試験にしては珍しく少し熟成のニュアンスがあるワインですが、そのような熟成を念頭においた品種は、テンプラニーリョ、ネッビオーロ、サンジョベーゼが挙げられます。

 

ですので、試験本番ではいきなり品種を探るのではなく、色調を見て淡い紫であればピノ・ノワールやマスカット・ベーリーA、ガメイを候補に入れながらテイスティングを進める、このようにテイスティングを行うとスムーズかと思います。

 

カベルネ・ソーヴィニヨンの見分け方

ではここからは個別の品種を見分けるポイントをお伝えいたします。

まずはカベルネ・ソーヴィニヨンですが、シラーと並んでソムリエ試験でも最も出題率の高い品種の一つです。

色調は典型的な濃い紫(ガーネット)です。

この色調のワインが出題された場合はカベルネ・ソーヴィニヨンやシラーが答えになる可能性が高いでしょう。

 

そんなカベルネ・ソーヴィニヨンの見分け方ですが、正直ほとんどないと言っても過言ではありません、、、

果実の香りはブラックベリーなど黒系果実が主体で、アルコール度数も高めのしっかりとしたタイプのワインが多いですが、これは他の色調の濃い赤ワイン品種にも共通する点です。

 

強いて言えば、カベルネ・ソーヴィニヨンはグリーンな香りがあります。

ボルドーであれば、杉などの針葉樹、チリであればピーマンのような香り、アメリカであれば木樽からくるバニラ香が強く出る傾向があります。

 

ただ、見分けるポイントが少ないからといって難しく考える必要はなく、共通点が多いということは、品種が当たらなくても色調の濃いしっかりとした赤ワイン、という事さえ分かっていれば香りや味わいのコメントは大きく外すことはないはずです。

 

ピノ・ノワールの見分け方

ピノ・ノワールは淡い紫(ルビー)の品種の代表格です。

香りはラズベリーなど赤系果実が主体となります。

また、味わいも色調通りカベルネ・ソーヴィニヨンなどと比べるとタンニンも穏やかなものが多いです。

 

この色調のワインでは他にマスカット・ベーリーAやガメイがありますが、ピノ・ノワールと異なる最大の点は、ピノ・ノワールが「高貴品種」であるという点です。

高貴品種とは歴史的に高品質なワインが生産されるとされてきた品種で、非常に香り高く、余韻が長いです。

 

試験で見分けやすいポイントを絞るとすれば、やはり余韻になると思います。

機会があれば、ピノ・ノワールとガメイやマスカット・ベーリーAを飲み比べてみてください。

ピノ・ノワールの方が飲み込んだ後も味が口の中に長く残る感覚があるかと思います。

 

シラー、シラーズの見分け方

最後にシラー、シラーズですが、カベルネ・ソーヴィニヨンと並んで濃い紫(ガーネット)の色調の品種では頻出の品種です。

カベルネ・ソーヴィニヨンと同じく黒系果実の香りが主体で、アルコール度数も高いものが多いです。

 

見分けるポイントととしては、燻製や黒胡椒などのスパイス香りが強い点です。

 

試験で出題されるシラーはフランスのローヌのものと、オーストラリアのものがほとんどだと思います。

ローヌのシラーは燻製や黒胡椒のスパイスの香りが強く、焦げたゴムのような香りがあります。

オーストラリアのシラーズはカカオやチョコレートのような木樽香や甘草やシナモンのようなスパイス、ユーカリの香りが特徴的です。

 

カベルネ・ソーヴィニヨンとシラーは果実香だけでは見分けるのは難しいと思います。

色調の濃い赤ワインが出された際は、スパイスやグリーンの香りに注目してみてください。

 

まとめ

今回はソムリエ二次試験の赤ワイン品種の見分け方についてお話しさせていただきました。

 

今回ご紹介しきれなかったオレンジの色調がある品種について軽くお話しいたします。

テンプラニーリョなどオレンジがかった色調のワインは木樽での長期熟成が義務づけられていたり、元々紫の色調が少ない品種のためオレンジがかった色をしています。

 

テンプラニーリョはスペインの代表品種ですが、スペインは樽熟成の規定があるように、樽熟成が一つの特徴です。

そのため、力強いバニラ香が感じられる場合が多いです。

 

サンジョベーゼはイタリアの代表品種ですが、独特の土っぽさや、トマトやバルサミコのような香り、アフターにかけて苦みが感じられやすいのが特徴です。

 

ネッビオーロはイタリア北部で主に栽培される品種です。

オレンジがかった色調の品種の中でも特に色調が淡いのが特徴です。

さらに色調に反して酸味やタンニンは強烈です。

 

まとめると、オレンジがかった色調の赤ワインが出題された場合、色の濃淡、木樽やトマトなどの香り、タンニンの収斂性に注目すると品種を見分けやすくなります。

 

今回ご紹介した方法で大まかに品種を見分けることはできると思います。

しかし品種がどうしても分からなかった場合は、最後の手段として、これまで出題された回数の多い品種、国を答えましょう。

淡い紫のワインだった場合はフランスのピノ・ノワール、濃い紫だった場合はフランスのカベルネ・ソーヴィニヨン、オレンジがかった色調だった場合はイタリアのサンジョベーゼがおすすめです。


 

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