【最終更新日】2024年8月23日
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こんにちは。WBSの前場です。
このページではソムリエ・ワインエキスパート試験・二次試験に進まれる方に向けて、試験に合格するための重要なポイントをできる限りコンパクトにまとめています。
結論を言うとソムリエ・ワインエキスパート試験の二次試験は普段のテイスティング能力ではなく、「どう対応するのか」「どう準備するのか」の考え方の方が重要な試験だととらえています。
これはなにもテイスティングの能力を斜に見ているのではありません。二次試験の条件、状況を合理的に分析すればおのずと導かれるものです。
コンパクト、とは言ってもかなりのボリュームですし、必ず踏み込んで理解していただき、表面的な理解にとどまらないようにしてくださいますようお願いします。
テイスティング能力は経験がものを言う世界です。
また、ワイン業界の中にはとんでもなくブラインドテイスティングが強い人というのは存在します。
そういうもともとのテイスティングの素地がある人がさらに経験を積むことで、圧倒的なテイスティング能力は磨かれて行きます。
僕はソムリエコンテストに30歳の時に優勝しましたが、その時でもテイスティングは人より優れているとは思っていませんでした。
なぜなら勉強会に参加すると、僕よりもテイスティング能力が明らかに上の人も何人もいましたし、とても勝てっこないと最初からあきらめるくらいの差を感じていたからです。
では、このくらいの圧倒的な経験値がないとソムリエ・ワインエキスパート二次試験はダメなのかというと、そうでもないのがこの試験の実情です。
実際に多くの人は本格的なテイスティングのトレーニングは一次試験合格後から始めるでしょうし、それでも多くの人が合格しています。
WBSでも「普段のワインの学習をしっかりしていれば、二次試験は一次試験後に準備して大丈夫」とお伝えをしています。
もちろんこの考えには異論もあるでしょうし、中には「なにテイスティングを舐めたこと言っているんだ」とお怒りの方もいらっしゃるかもしれません。
ただしこれはソムリエ・ワインエキスパート二次試験とテイスティングを分離して考えた場合のことで、経験上、「二次試験」と「テイスティング」は分離して考えたほうが早いというところから来ています。
ここであなたに質問をします。
①ソムリエ・ワインエキスパート試験の二次試験はテイスティング試験だ。テイスティングは経験がものを言う世界だから、最低でも3年は修業が必要だ
②ソムリエ・ワインエキスパート試験の二次試験はテイスティング試験だ。試験には当然攻略法が存在するから、やり方次第では1か月で攻略が可能だ
応えはいわなくて大丈夫。おそらくほとんどの人は②を選ぶでしょう。
文脈を見れば、これはソムリエ・ワインエキスパート試験の二次試験を「テイスティング」ととらえるか「試験」ととらえるかの違いです。
多くの人はテイスティングには膨大な経験が必要だという共通認識を持っているはずです。僕も同じです。
ですが、ソムリエ・ワインエキスパート試験の二次試験は「テイスティング試験」ですから、「テイスティング」であると同時に「試験」でもあるのです。
これをテイスティングという面から見るのか、試験という面から見るのかで取り組み方は大きく変わってきますし、もちろん結果にも直結します。
この記事では、あなたがソムリエ・ワインエキスパート試験の二次試験を受験するにあたっての考え方・方向性についてできる限り具体例をあげて解説します。
おそらくここまでお読みのあなたであっても、「いや、テイスティングは経験がものを言う世界だから」と半信半疑な方もいらっしゃるはずです。
また、「そんな考え方とか方向性とかはどうでもいいから、手っ取り早く試験合格の近道を教えてくれよ」という人もいるはずです。
これについては記事を読むにしたがって明らかになりますし、おそらくあなたも「なるほど」とうなずく部分があったからここまで読み進めてくださったのでしょう。
この記事に価値があるかどうかの結論については、もう少し読み進めてから出すようにしてみてはいかがでしょうか?
前置きが長くなってしまいました。それでは、ソムリエ・ワインエキスパート試験の二次試験対策講座に進みましょう。
目次
- 1 【2024年最新版】ソムリエ・ワインエキスパート 二次試験対策講座
- 1.1 過去の出題
- 1.2 おさえるべき事実
- 1.3 ①一次試験を突破した人が受験する
- 1.4 ②マークシート形式であること
- 1.5 ③ほとんどの人にとって事実上の最終試験であること
- 1.6 ④二次試験参加者の8割が合格すること
- 1.7
- 1.8 ソムリエ・ワインエキスパート試験の本質
- 1.9 「ワインアイテムを広げる」は無駄。むしろ「ノイズになる」
- 1.10 「マークシートにチェックを入れる」ことの意味
- 1.11 極端な心理条件
- 1.12 【配点】結論で合否はひっくり返らない
- 1.13 具体的なトレーニング方法
- 1.14 テイスティングの準備
- 1.15 生産国、収穫年は気にしない
- 1.16 表現方法のトレーニング
- 1.17 具体的なトレーニング方法
【2024年最新版】ソムリエ・ワインエキスパート 二次試験対策講座
過去の出題
どの資格試験においても過去問の研究は必須です。もちろんソムリエ・ワインエキスパート試験の二次試験も同様です。
最初に、過去に出題されたワインを検討してみましょう。
データはあまり古くても受験者のレベルやワイン業界の背景も変わりますので、ここでは2011年からのデータにしてあります。
また、このグラフは動的コンテンツですので、リアルタイムで更新されます。
ソムリエ・ワインエキスパート試験の二次試験過去問についてはこちらをご覧ください→
まずは白ワインです。
白ワインについてはシャルドネ、ソーヴィニョンブラン、リースリング、甲州の4種類で9割を占めていることがわかります。
次に赤ワインです。
白ワインと違って、ピノノワール、カベルネソーヴィニョン、シラー、シラーズ、サンジョヴェーゼ、メルローなど、品種はある程度分かれていることがわかります。
最後に生産国です。
生産国もある程度ばらけていますが、フランス、アメリカ、オーストラリア、日本で7割を占めています。
出題はフランス系ブドウが圧倒的に多いので、土着品種をつかったヨーロッパの伝統国のワインはおのずと選ばれにくいということが推測できます。
おさえるべき事実
つぎに、必ず押さえるべき事実として、4つのテーマについてざっくりと見て見ましょう。
それが、二次試験は
①一次試験を突破した人が受験すること
②マークシート形式であること
③ほとんどの人にとって、事実上の最終試験であること
④二次試験参加者のおおむね8割が合格すること
この四つです。
③についてはソムリエ試験であれば論述や実技があり、2023年度は実技でも多くの方が不合格になった経緯があります。
ただしWBSの経験からもテイスティング以降で不合格になるのはやはりレアケースで、ここは文脈として表現をしていますのでご了承ください。
それでは一つずつ見ていきましょう。
①一次試験を突破した人が受験する
ソムリエ・ワインエキスパート試験の二次試験は、一次試験を突破した人でないと受験できません。
そのため、ここから、
・一次試験を突破するだけの知識と経験があること
・受験者数はスクリーニングをされて絞られていること
この二つの事実があぶりだされます。
ここを理解しないとそもそもの理論の母体に齟齬が生まれますので、ここは共通認識の上で読み進めてください。
②マークシート形式であること
表現方法、結論など、すべての項目は例年マークシート形式なので、例えばぶどう品種や生産国であっても無限にある中から一つを選ぶのではない、ということです。
結論であれば多くても10個のうちから一つを選ぶことになるので、完全なノーヒントではありません。
・マークシートに必ず正解があること
・正解以外は不正解であること
この二つがわかります。
③ほとんどの人にとって事実上の最終試験であること
ワインエキスパートは二次試験に合格すれば最終合格です。
また、ソムリエであっても三次試験の実技については再現性と最低限のソムリエとしての資質が求められるので、ヤマはあきらかにテイスティングです。
そのためソムリエの方には表現はふさわしくありませんが、記事の便宜上、この二つを押さえてください。
・テイスティングに合格すれば最終合格
・テイスティングに不合格になれば最終合格は来年度以降に持ち越し
つまり、テイスティング試験によって白か黒かの状態に分かれますので、これが受験者の心理にどう影響を与えるかも検討する必要が出てきます。
④二次試験参加者の8割が合格すること
ソムリエ・ワインエキスパート試験の二次試験は一次試験に合格した人のみが受験するため、ある程度スクリーニングがされている状態で実施されます。
一次試験に合格するくらいですのでモチベーションは高く、かつ、一次試験突破する知識がある、こういう人が母体となって試験がされるのです。
そして、公開はされていませんが経験上、二次試験参加者の8割は合格すると多くのスクールは分析していて、WBSも同じ意見です。
あなたは8割の合格率と聞いて、どのように感じますでしょうか?
「8割も合格できるのか」と思う人もいれば「2割は不合格になるのか」と感じる人もいるでしょう。
これについては後ほど解説をさせていただきます。
いかがでしょうか?ここまでを押さえると、いかにソムリエ・ワインエキスパート試験の二次試験に進む方がいかに特殊な状況であるかがわかります。
にもかかわらず、これを広義の意味での「テイスティングだ」ととらえるのはややピンボケしているのかがわかるでしょう。
特殊な条件下にある方々が受験されるわけですから、その母体に合わせて理論を構築しないとピントは合いません。
逆に言えば母体に合わせることでピントを合わせることができて、より直截的で適切なアドバイスをすることができるようになるのです。
それでは、ここまでである程度の前提条件の共有ができました。
ここまでを踏まえたうえで、さらに踏み込んでみましょう。
ソムリエ・ワインエキスパート試験の本質
ここまで前提条件の共有ができた段階で、おそらくあなたは
「テイスティング試験とは言ってもある程度の幅が絞られていて、取り組み方のほうが大事そうだな」
こう思えるようになっているでしょう。
テイスティング試験は、「テイスティング」と「試験」が組み合わさっていますが、真正面から「テイスティング」と向き合ってしまうと時間はいくらあっても足りません。
一方の「試験」という切り口で向き合えば、ある程度の前提条件がありますし、その前提条件をもとに準備をすればいい、ということが分かったかと思います。
では、「テイスティング」と「試験」では、どのようなバランスで向き合えばいいか?これが本質になります。
本質はずばり テイスティング2:試験8 ととらえましょう。
テイスティングだけ、は絶対NGですが、では試験としての技術だけでもダメだということになります。
「試験の技術」ということになりますと、どうしても「どうすれば点が取れるのか」にフォーカスした内容になります。
そのため試験を斜に見るところも出てきますし、受験生や出題者側の事情を深読みして戦略を練るところも出てきます。
あなたがソムリエ・ワインエキスパート試験の二次試験に合格したいのであれば、この「テイスティング2:試験8」のバランスを意識して取り組むことをお勧めします。
もちろんテイスティングを本格的にやろうという場合は時間をかけてしっかりと取り組む必要があります。
ですがそれは試験合格後に、ゆったりと、試験という枠にとらわれずにやりましょうということになります。
「ワインアイテムを広げる」は無駄。むしろ「ノイズになる」
あえて強い言葉で見出しを出しましたが、二次試験前にあれもこれもとワインを広げるのは、同時にノイズも広げることを意味します。
おそらく先輩方に二次試験のことを相談をすれば、あれもやったほうがいい、これもやったほうがいい、と返答があるはずです。
ただしワインのアイテムをただ広げても試験においては逆にノイズになる可能性がありますので、強めの言葉をつかわせていただきました。
フェーズとして、一次試験を突破する段階で頭はワインの知識でパンパンのはずです。
ここにいきなり経験がものを言うテイスティングを入れ込んでもパンクしてしまいますし、逆効果になる可能性も高いです。
この理屈は最初公開したときに結構反対意見もいただきました。
ただし、受験生の身になって冷静に分析すると、やはりこの考え「も」取り入れたほうが理解の深化は早いです。
また、この理屈は受験生の心理的な事情も考慮すると、より理解が早くなりますので、少し触れておきましょう。
「マークシートにチェックを入れる」ことの意味
ソムリエ・ワインエキスパート試験の二次試験はマークシート形式なので、最終的にはマークシートにチェックを入れることが必須になります。
マークシートに適切にチェックを入れなければ点数にはなりませんし、点数を積み重ねなければ合格はできません。
ここで、あなたが二次試験の当事者で、今まさにテイスティング試験の真っ最中だとイメージしてください。おそらくこう言う心理が働くはずです。
・テイスティング試験に不合格になれば最終合格は来年に持ち越しだ
・過去問の流れから、おそらくメジャーな品種が中心になるだろう
・8割が合格する試験だから、大きく外さなければ合格できる
こういうなんとも混とんとした心理があなたに浮かぶはずです。
では、こういう特殊な心理状況の中で、「ソアヴェかもしれない」というワインが出たとしましょう。
あなたは自信をもってソアヴェ(ガルガネガ)にチェックを入れられますか?
もちろんソアヴェだと自信があればソアヴェにチェックを入れるべきですが、受験生の身になればこれがいかに過酷なことかは想像に易いでしょう。
「ソアヴェかもしれない、でもシャルドネの可能性もある」と思ったとしましょう。
ここで過去問の出題が頭をよぎるのです。
「この試験は8割が合格するのだから、仮にこのワインがシャルドネの場合、ソアヴェにチェックを入れればこれが致命的になる可能性がある」
つまり、あなたがソアヴェ(ガルガネガ)にチェックを入れた場合に、多くの人がシャルドネで正解するのに自分は外してしまうという心理的プレッシャーがあるのです。
この心理的プレッシャーの中、自信をもってソアヴェにチェックを入れるのがどれほどの事か、当事者以外が言うほど簡単なことではないのです。
「ソムリエ・ワインエキスパート試験の二次試験はアイテムを絞ったほうがいい」のご説明はこちら→
極端な心理条件
ソムリエ・ワインエキスパート試験の二次試験はほとんどの受験生にとって事実上の最終試験になります。
三次試験の結果ももちろん重要ですが、一般的にはほとんどの人は一次試験通過後のヤマはテイスティングだと認識しているはずです。
つまりテイスティング試験は多くの受験生にとって最終試験であり、かつ、受験生の8割が通過する試験という、きわめて極端な心理条件に置かれるのです。
では、この心理条件ではどのような行動原理が働くでしょうか?
大勝ちをすることを避け、できる限り損失を回避する心理が強く働くため、無難な判断をするということになるのです。
無難な判断をする人が大勢いるのであれば、当然回答はメジャー品種に寄せられます。
マイナー品種かもしれないと思ったとしても、いざチェックを入れるときになると合格・不合格が頭をよぎりますので、ここでマイナー品種にチェックを入れられるのはよほどのことになるのです。
さて、ここまで前提条件を共有したうえで、いよいよ具体的な取り組み方について解説します。
ブドウ品種の考え方、具体的なトレーニング方法、試験における具体的な得点の取り方を知りましょう。
個別のブドウ品種の表現や得点の仕方についてはWBSでの特別講義での解説になりますので予めご了承ください。
なお、ここからはクローズコンテンツとなります。(購入後のページなので、最後まで閲覧いただけます)
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【配点】結論で合否はひっくり返らない
では、ここからがいよいよクローズコンテンツです。
最初に必ず押さえておきたいのが、「結論で合否がひっくり返ることはない」という基本スタンスです。
この試験は配点が↑のようになっていて、おおむね表現8:結論2の割合になっています。
ブドウ品種、収穫年、生産地は足しても25%くらいしかないのがわかると思います。
合格点については公開はされていませんが、おおむね毎年6割程度と多くのスクールは推測をしていて、WBSも同じ意見です。
つまり、数値上は仮に結論を全外ししても表現が8割あっていれば合格できる、ということになるのです。
もちろん、「表現が8割当たる」ことが前提になりますので不安な気持ちもわかります。
ですが、後述しますが基本的に結論についてはぶどう品種を全部外しても、収穫年と生産地はあてずっぽうで答えてもかなりの正解率が稼げることが過去の経験上わかっています。
また、表現方法をしっかり勉強すれば、おのずと品種選定の審美眼は養われますので、やはり本丸は表現(試験向けの技術)ということになります。
言いづらいですが、WBSにはいませんがこの時期に品種を当てることに躍起になって表現の学習をおろそかにする人はいて、かならず毎年SNSとかで見かけます。
そしてコメントとかで「頑張って!」「ありがとう!」などと会話をして、本番でしくじるのです。
こういう人は過去の事実や数値と向き合えていないので、決して振り回されることのないようにしないようにしてください。
具体的なトレーニング方法
ではここから具体的なトレーニング方法について解説します。
ここまでの解説でわかると思いますが、この場合のトレーニングとは、「テイスティング」のトレーニングではありません。「テイスティング試験のトレーニング」です。
テイスティング試験は、試験8:テイスティング2でしたよね。
そのため実際のトレーニングも試験向け8になり、テイスティングはいいとこ2くらいの準備で構いません。
ここから具体的な実践方法を学んでいきましょう。
テイスティングの準備
最初に、8の試験向けのトレーニングではなく、テイスティングについておさえましょう。
テイスティングとはいっても、結論、品種が白4品種,赤4品種わかれば問題ありません。
しかも無限にある中から4品種が当てられるわけではなく、何かわからないワインが4つあって、これが4つ分類できればいいというものです。
目の前にシャルドネ、ソーヴィニョンブラン、リースリング、甲州があることまではわかっていて、それがどのグラスかわからない状態で目の前にある。
これを当てられればいい、というレベルです。
「なんだ、その程度なら俺だってできる」と思った人がほとんどでしょう。そうです。その通りです。
ここでもう一度白ワインの過去の出題ワインを見て見ましょう。
白ワインについてはご覧のように、シャルドネ、ソーヴィニョンブラン、リースリング、甲州で9割を占めています。
ここからわかるように、
・シャルドネ
・ソーヴィニョンブラン
・リースリング
・甲州
がわかれば9割は対応ができるということになります。
じゃあここでソアヴェとかガヴィとかアシルティコとか、出るかどうかわからない品種を準備しても、正直その時間はもったいないし、8割を占める試験向けのトレーニングに割いた方が合理的です。
では、赤ワインはどうでしょうか?
赤ワインは上記のように、白ワインに比べるとばらけた印象がありますので、実際の受験生の回答は割れる傾向があります。
また、サンジョヴェーゼやメルローなどの中間系品種はこれといった決定打がないので、どれだけ準備しても意図的に当てるのは難しいです。そのため、赤ワインについても4種類で構いません。
・カベルネソーヴィニョン
・ピノノワール
・シラー/シラーズ
・マスカットベーリーA
これだけで大丈夫です。仮にメルローやサンジョヴェーゼが出題されても回答は割れますので、致命的なミスになることはありません。
「2割の配分という意味でのテイスティング」という切り口で見れば、これらの4種類だけトレーニングすれば普通に合格します。
事実WBSではほとんどの方がテイスティングで合格しています。
では、これら4種類の判別は簡単か?そうでもないので、油断は禁物です。
ソーヴィニョンブランっぽいシャルドネもあれば、近年ではリースリングでもフランス産のワインは石油の様なペトロ―ル香がほとんど感じられなくなっています。
重要なのは、広げすぎずに、コアとなるこれらの4種類をしっかり見極められるようになりましょう、ということなのです。
純然な「テイスティング」についてはこれだけです。
逆に言えばここはしっかりと見極められるようにしましょう。
生産国、収穫年は気にしない
前述したように、結論だけで合否がひっくり返ることはない、と述べましたが、それでも結論で底上げがあったほうがいいのはその通りでしょう。
ブドウ品種については当てる、ということにフォーカスをしたトレーニングをしながらも、生産国と収穫年は追求しても意味はないし、気にしないのが正攻法になります。
もちろん当たれば嬉しいでしょうし、その分点数は上乗せされますので悪い気はしません。
ですが、ソムリエコンクールの決勝戦に残る選手でも生産国と収穫年までドンピシャで当てることは予定していないはずです。
同じ生産国、収穫年であっても地域や生産者によって風味は変わりますし、追求したらそれこそ何年あっても時間は足りません。
生産国
では、どうすればいいのか?このグラフを見てください。過去出題の生産国をグラフ化したものです。
見てお分かりのように、フランス、アメリカ、オーストラリア、日本で7割となっています。
迷ったらここから選べばいいので、全世界から選ぶ必要はどこにもありません。
詳しい生産国の決め方についてはWBSでの特別講義に譲りますが、例えば「南アフリカかもしれない」と悩むのはいまは時間の無駄です。
仮に出題がされても多くの受験生はマークを入れられる心理にはなりませんので、無難な国にチェックが偏ります。
収穫年
収穫年についてはもっと偏っています。
・白ワインは現在の年マイナス2
・赤ワインは現在の年マイナス3
で半分以上は正解できます。
2023年度の出題を見て見ましょう。
ソムリエ
1 ソーヴィニヨン・ブラン フランス 2021年
2 マルベック アルゼンチン 2020年
3 メルロ 日本 2018年
4 ドライベルモット
5 スコッチウイスキー
ワインエキスパート
1 ソーヴィニヨン・ブラン チリ 2021年
2 リースリング オーストラリア 2021年
3 グルナッシュ フランス 2021年
4 テンプラニーリョ スペイン 2017年
5 ジン
となっています。なんと白ワインはすべて2021年と、見事に2023マイナス2になっています。
赤ワインはソムリエのアルゼンチンマルベックが唯一マイナス3でしたが、そのほかは2021年、2018年、2017年、とばらけています。
2021年はヨーロッパ全土で不作とされていて、特にフランスは収穫量が集計以来最低という記録的な年になりました。
そのためWBSとしても警戒をしていて、「2021年は特殊なヴィンテージなので注意してください」と注意喚起をしていました。
にもかかわらず蓋を開ければ収穫年マイナス2だったのです。
2017年とか2018年でドンピシャで当てられる人はそうはいません。
おそらく「色調から何となくこれくらいだろう」というもので、大騒ぎするものではありません。
表現方法のトレーニング
では、ここからいよいよ表現方法のトレーニングになりますが、具体的な得点の仕方についてはWBSの特別講座で解説しますので、ここではその考え方について解説します。
テイスティングの判別の仕方や考え方についてはすでにここまで述べましたが、表現方法についてはかなり試験寄りの小手先のテクニックに収れんされてきます。
というのも、言葉は悪いですが二次試験はテイスティングをあなたの主観でやることはそもそも求められてはいません。
ソムリエ協会の主観をどれだけ再現できるのかを問われている試験なのです。
そのためどうしても本質的に小手先になってしまうのです。ここをおさえましょう。
表現方法のトレーニングについては、基本的に
白ワインは
・ニュートラル系(シャルドネステンレス・甲州ステンレス)
・樽熟系(シャルドネ)
・アロマティック系(トロンテス、ゲヴュルツトラミネール、ヴィオニエ)
・リースリング
・ソーヴィニョンブラン
赤ワインは
・ライトボディ(ピノノワール、MBA、カベルネフラン)
・ミディアムボディ(ACボルドーCS、チリCS、サンジョヴェーゼ、メルロ、グルナッシュなど)
・フルボディ(アメリカ・オーストラリアCS、シラー、シラーズ、タナなど)
この違いが分かれば問題ありません。
当たり前ですが、当然アロマティック寄りのニュートラルもありますし、ミディアムボディ寄りのフルボディもありますので、そこは適宜ご判断ください。
つまり、表現方法についてもせんじ詰めればこの8つしか覚える必要はありませんし、この8つが「なぜこうなるのか」が理解できれば本番で適切な判断ができるようになります。
WBS生には釈迦に説法ですが、問題を表面的に捉え、答えをただ覚えるだけの取り組み方では本番で対応することができません。
かならず問題の本質、つまり「なぜこの表現になるのか」を理解したうえで表現方法をトレーニングしてください。
具体的なトレーニング方法
さて、この段階でこの記事も1万文字になります。大変に長いコンテンツをお付き合いいただき、ありがとうございました。
最後になりますが、WBSにおいての二次試験の適切なトレーニング方法について解説します。
基本的には、
①教材での赤白4種類のテイスティング
②二次試験対策ゲーム(WBSトップ→オリジナル問題集→学習支援システム)
③9月毎週火曜日の特別講義(WBSトップ→ウェブ講義→特別講義)
④WBSにお越しいただいてのそのほか飲料テイスティング、ぶどう品種別テイスティング
の4つで問題ありません。
これだけで合格十分な知識・経験が得られます。
WBSは、1月のカリキュラム開始以降、「なぜそうなるのかを考える学習」「脈絡をとらえる学習」を徹底してきました。
逆に練習問題を表面的に反復練習し、学習した雰囲気になる学習とは真逆のスタンスです。
このような学習方法は一見すると面倒だし、遠回りの気にもなるはずです。
ですが、二次試験になってようやくわかったはずです。
結局本番では「目の前の現状を分析して自分で考える」ことが出来なければ合格ができない試験になっているのです。
この時期は、多くのノイズがあなたに降りかかります。
表面的で質の低い学習方法、質の低いモチベーションの言動、誘惑がSNSを開けば目に入るでしょう。
知人に聞けば「あれもやったほうがいい、これもやったほうがいい」という言葉ももらうはずです。
これらはすべてノイズです。本当に質の高い情報は、簡単には公開されないの、ただでは言わない、が普通の感覚なのです。
もしあなたが不安になった場合は、この記事をもう一度見返して、試験の本質を見極めましょう。
あなたなら必ずできるはずです。最後まで応援しています。
WBS 前場亮
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