2022年度ソムリエエクセレンス合格体験記④cutbackさん

こんにちは。ワインブックスの前場です。

今回は2022年度ソムリエエクセレンス試験に一発合格されたcutbackさんの合格体験記です。

おそらくcutbackさんは全受験生の中でもかなり上位のほうで合格をされたはずです。

プロならではのリアルな体験記になっていますので、ぜひご参考ください。

 

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【エクセレンス試験合格体験記】

 


 

一次試験

WBSのスケジュール通りに勉強を進めました。

講義を受けてからその国の勉強をしていたので後半はかなり時間に追われてしまいましたが、ドイツ・オーストリアの範囲辺りからそれまで1回の講義を1ヶ月使って終わらせていたのを20日前後で終わらせて、次の講義の範囲の予習をしつつ復習もしていました。

なーな先生からのアドバイスもあり、特にやり込んだのが東ヨーロッパ、イギリス、カナダ、ウルグアイなどページ数の少ない国(コスパの良い国)と、フォローアップセミナーで取り上げられた地域です。

これらの国々と地域は、出題があれば必ず回答できる自信が持てるまで繰り返し勉強しました。

事実一次試験の主な得点源はこれらの国々と地域からの出題でした。

 

勉強方法は、とにかく書きました。何度も何度も書きました。

一回の講義で大体60問の出題数だったので1日に3問から4問を目標に覚えていき、しっかりと書けるようになったら前日までの勉強した範囲を含めて通しで問題を解いていくという勉強方法を地道に続けて行きました。

何度も間違えてしまう問題はピックアップをして毎日繰り返し勉強しました。

便利だったのが携帯のフラッシュカードのアプリです(なーな先生に教えてもらったあれです)。

このアプリで講義の問題を解いていました。

 

1日のスケジュールは朝出勤前に1時間、仕事の休憩時間に1時間、トータル1時間30分〜2時間位勉強の時間を取っていました。

仕事から帰宅してからは全く勉強しませんでした。

疲れと眠気で効率が悪く感じたので、早寝早起きを心掛け朝の時間帯に特に集中してやりました。

あと利用したのが通勤時間です。

車で往復1時間はかかるので車に乗っている時間は講義のアーカイブかフォローアップセミナーを聞いていました。

繰り返し聞いていると耳で覚えられるので、ただ書いて覚えるよりは覚えやすかったと思います。

 

フランスはボルドー、シャンパーニュ、ブルゴーニュを中心に勉強しました。

と言うかそれ以外のところまで手が回りませんでした。

 

講義での出題は一通りやったのはやったのですが、教本の多いページ数と膨大なAOC、フランス語独特の綴り、フォローアップセミナーで取り上げられなかった、などを半ば言い訳にしながら後回しにしていたら一次試験当日になっていた感じです。

イタリアはなーな先生も仰っていましたが、綴りがほぼローマ字読みで覚えやすく、実務でも多く扱っていたので非常に覚えやすく、勉強しやすい国でした。

フォローアップセミナーでも取り上げられたので特に力を入れた国の1つです。

 

スペインもフォローアップセミナーで取り上げられた国でした。

重要な国の1つではありますが、フランス、イタリアに比べると教本のボリュームが少なくなってきたので少し楽な気持ちになりました。

ポルトガルはスペインより更にボリュームが少なくなったので数日で終わらせる事ができました。

ただ何度やっても覚えられないD.O.P.がありそれが印象に残っています。

 

ドイツ・オーストリアは苦手な国々で勉強する前は気が重かったのですが、どちらの国もフォローアップセミナーで取り上げられたのでやらない訳にはいけません。

WBSの講義の練習問題をしっかりとやり込み、少し早めに切り上げ東ヨーロッパの予習に入りました。

 

東ヨーロッパ諸国、イギリスは一次試験の最重要ポイントと位置付け、WBSの講義の前に各国20問前後の練習問題を作り繰り返し勉強しました。

練習問題を自分で作るのはかなり時間がかかり大変でしたが、その分頭に入りやすかったです。

実務であまり扱う事もなく馴染みのないワインや地域の連続でしたが、ここが取れなければ合格は無いと感じていたので頑張れました。

 

アメリカもフォローアップセミナーで取り上げられた国の1つなので、セミナーの内容とWBSの講義を中心に勉強しました。

昨年度に続き教本にまだ載っていない最新のA.V.A.からの出題があり、そこが他の国々と出題傾向が違うなぁと感じました。

カナタもフォローアップセミナーで取り上げれ、かつ教本のボリュームも少ないので頑張った国の1つです。

日数を掛けずに終わらせることはできたのですが、この辺りから一次試験までのスケジュールが厳しくなってきました。

 

WBSの次の講義の予習だけでなく、復習もしなくてはなりません。

しっかりと勉強し、練習問題も正解率9割ぐらいまで仕上げた国も2ヶ月ぐらい過ぎるとウソのように出来なくなっていました。

ここが記述式試験の特徴なのでしょうか。

回答はわかるのですが、正確に書けないのです。

焦りました。

今まで少しずつ積み上げてきた物が全て無駄になってしまったような虚無感に襲われました。

 

しかし、やるしかありません。必死に復習を始めたら、2回位問題をこなすと自然と思い出す様にスラスラと正しい綴りで解答できる様になりました。

一度しっかり学習した事は思い出すのも早いものです。

安心して復習をこなしていましたが、復習に時間を割けばスケジュールは更に厳しくなります。

 

南アフリカ、チリもフォローアップセミナーで取り上げられた国ですが、スケジュール的に厳しくなってきたのでWBSの講義とセミナーの重なっている所だけを勉強し、その他の所はとりあえず後回しにしました。

10月7日の一次試験の最終講義の後、5日間でそれらの国々の勉強を終えて、残りの日数は全範囲の復習(フランスを除く)総まとめをしました。

今までの講義の練習問題は、全問正解できる所まで何度もやり込み試験当日を迎えました。

10月に入ってからは2時間の勉強では流石に足らず、空いている時間はひたすら問題をやっていました。

 

一次試験前日はなーな先生のおすすめもあり試験会場近くのホテルに泊まり、時間ギリギリまで復習をしました。

これはかなり良かったので、地方から試験を受けに来る方にはおすすめしたいです。

 

当日試験会場のホテルに到着し、自分の不得意な問題のスペルを確認しながら開場を待ち、いよいよ試験開始です。

今回の試験の特徴は、なんといっても全文英文の問題増加ではないでしょうか。

試験時間はおそらく余裕をもって終われると思っていたのですが、英文の問題に時間を取られ、回答に時間がかかりそうな問題を後回しにしたら、後回しにした事すら忘れていて最終問題を回答したところで試験終了になりました。

思った以上に回答出来なかったので落ち込み、不合格を確信しました。

あんなに勉強したのになぁ〜、英文の問題も勉強しないとなぁ〜、また1年間勉強するのやだなぁ〜、ビール飲みたいなぁ〜、などの気持ちを繰り返しながら帰路につきました。

 

結果の発表までは一次試験を通過しているとは思えず、いつから勉強を再開しようかと考えながら、ダラダラと過ごしていました。

一次試験通過者の発表当日、現実と向き合うのが怖くて結果を見ることができませんでしたが、その日の勤務が終わり何気なく携帯を見たら1通のメールが届いていました。

なーな先生からです。

「一次試験通過者の中に名前をお見かけしました。」との事です。

その場ですぐに確認せず、家に帰り落ち着いて確認したところ名前がありました。

信じられませんでしたが、一次試験を通過していました。

 

 

いよいよ2次、3次試験対策の始まりです。

不合格を確信していたので、気持ちの切り替えに数日かかりましたが、12月の試験日まで時間がないうえに、やるべき事は盛り沢山です。

2次、3次の講習は2〜3人のグループになりwebで行われました。

1次試験はなーな先生が担当でしたが、ここからは前場先生の登場です。

 

2次の対策は最初はwebで行われていましたが、途中から前場先生からお題が出された品種を、フルコメントで翌日迄にメールで送る方式に変わりました。

コメントの詳細はWBSのソムリエ2次試験の動画を参考にしながら文章としておかしくなく、お題の品種として一貫性のある文章を心がけました。

最初は1つのフルコメントを書き上げるのに30分から40分はかかりましたが、これを本番では8〜9分で終わらせないといけません。

本当にできるのか不安でましたが、何度も何度もやり続けるとだんだん自分のコメントフォームが出来上がり、かなり時間の短縮ができるようになりました。

 

そして毎回前場先生から出題される品種が絶妙で、これらの品種を押さえておけば大丈夫だな、これを続けていけば必ず2次試験突破できるな、と思わせる内容でした。

また自分のフルコメントにも改善点のポイントを分かりやすく解説をして頂き添削してもらえます。

そのお陰で、時間の短縮をしながらフルコメントの精度アップができました。

 

あと2次試験対策で個人的に良かったのは、ドライテイスティングを繰り返す事で、実際の試験の時に自分のテイスティング能力が上がったと実感できました。

品種の個性をより客観的に捉えられて、何の品種か判断するまでの決断する時間がかなり短縮できるようになったと思います。

実際2次試験は50分の時間に、5問回答しなくてはなりません。

単純に1つの問題に9分時間をかければ、テイスティングは1分間(見直しの時間を考えるとできれば30秒)で決断しなければ試験時間内に終われません。まさに時間との勝負でした。

 

全ての問題に回答し、軽く見直しながらちょっと弱いコメントの解答に少しだけ加筆などをしていたところで、終了の時間になりました。

2次試験通過者の発表までは時間があったので、気分転換を兼ねて会場の外を少し歩き、ゆっくりと昼食をとりました。

お昼前だったのでお店も混んでおらず、受験者と思われる方もいなかったのでリラックスできました。

食事を終え、お茶を飲みながら3次試験対策の資料を見直しをしていたら、店内も段々混み合ってきたので試験開場に戻りました。

 

3次試験対策は、前場先生からのお題のワイン4種類のそれぞれのペアリングと、その理由を3分間で答える、というのを本番と同じ想定で行いました。

2〜3人で順番に解答していきます。初日は全くお話にならない解答しかできず、喋る度に冷や汗をかいてました。

今思い出しても恥ずかしいレベルです。それでもなんとか回を重ねる毎に段々その状況に慣れていき、時間内に解答できるようになりました。

2〜3人1グループでコーチングを受けるので、見当違いな解答をすると他の方も聞いているので、すごく恥ずかしく抵抗があったのですが、それぞれ皆さんの良い解答を自分の物にできたり、逆に慣れてくると、ここはこうした方が良いのでは?など参考になる事が多かったです。

 

試験当日に戻ります。

試験会場に戻り、更衣室で3次試験用の仕事着に着替えて、通過者発表の15分前には指定されている席につきました。

皆さん着替えが終わっており、それぞれ職場の仕事着になっています。思った以上に幅の広い業態の方々がいらっしゃいました。

なんとなく先入観でフレンチやイタリアン、ホテルのレストランの方が多いのかなぁ?などと思っていましたが、カジュアルな業態の方や和食の方など様々なジャンルの方達が沢山いらっしゃいました。

 

そして2次試験通過者の発表です。

受験番号順に通過者の番号が呼ばれていきます。この時の緊張感といったらありません。

自分の番号は後半の方だったので、次々と呼ばれていく通過者と、呼ばれずに肩をおとす方々を緊張感の中で見ていました。

通過者は2次試験受験者の大体半分位だったように思います。

自分の番号も呼ばれ、全通過者の発表の後、残念ながら不合格だった方々はその時点でお帰りになりました。

 

通過者は4人1グループになり、グループごとに順番に呼ばれていきます。

呼ばれると3次試験会場の大きな宴会場の入り口脇の通路の前に椅子が4脚置いてあり、そこに座るように指示がありました。

座ると3種類のワインと日本酒の名前が書いてあるラミネートされた物を渡され、5分間で読んで覚えて下さいと言われました。

それぞれの飲料に合わせたフードのペアリングと、その理由を解答して下さい、と書いてあったと思います。

今回のワインに関しては全てフォローアップセミナーからの出題で、しっかりと対策出来ていたので特に問題はなく、日本酒(5年熟成)には関しては、3次試験対策のコーチングで蒸留酒ではありますが、熟成酒をやっていたので慌てる事はありませんでした。

 

五分が過ぎ、会場の中に案内されいよいよ3次試験開始です。

大きな宴会場は4区画に分かれており、それぞれ指示された自分の区画で3次試験を行いました。

 

まずは抜栓からのデカンタージュ、ゲストとホストにワインのサービスを2分以内に、そしてサービスの後にそのワインの説明とデカンタージュをした理由を2分間で説明し、価格についても言及して下さい、との事です。

同じ銘柄のワインが横置きで、ラックに10本位おいてあります。

開始の合図とともに、簡単な挨拶の後に必要なもの取り揃え、ワインを慎重にパニエに入れ抜栓しました。

練習を積んではいましたが、本番での緊張とライトのスイッチがわからなく手間取ったなどが重なり、デカンタージュの途中で時間切れになってしまいました。

 

気を取り直してワインの説明です。

今回のワインは2015年、カリフォルニア、ナイツヴァレー産、ベリンジャーのカベルネでした。

ナイツヴァレー?何処だっけ?だったのでこれには触れずに、カリフォルニア産、樽を使ってる、濃厚、しっかりとした渋味がある、2015年産なので澱がある可能性があるのでデカンタージュをした、おすすめの料理名、どうしてその料理がおすすめなのか、どんな形のワイングラスが良いか、などを伝えました。

2分間が過ぎ、終了となったところで次の問題です。

3種類のワインと日本酒の名前の書いてあるラミネートされた物を、また渡されました。それを見ながら順番にペアリングを答えていきます。

あくまでも接客中という設定です。

ワイン名と、作り手の名前も書いてありましたが、作り手の名前までは正確に覚えていなかったので、ここは完全にスルーしました。

ワイン名を読み上げ、そのワインの産地、ブドウ品種、味わいの特徴、それぞれどんな料理が合い、なぜその料理が合うのか、そして具体的な料理名を順番に答えていき、最後の日本酒の説明、相性の良い料理名を答えたところで終了になりました。

ありがとうございました、と試験の担当者の方々にお礼を伝えて、試験会場の宴会場を後にし、更衣室で着替えて帰路に着きました。

 

サービスのデカンタージュが途中で終わってしまった事、そのワインの価格に言及しなかった事などを後悔しつつも、2次試験が通過できたので、もし来年また受けるにしても2次試験は免除され、3次試験からなのがせめてもの救いだな、と帰り移動中に考えていました。

1日で2次試験、3次試験を受けるのは非常に疲れました。

 

サービスが時間内に最後まで終わらなかったので、正直合格は難しいかな?と思っていましたが、なんとか合格していました。

他の皆さんも書かれていましたが、WBSでなければ合格はなかったと思います。

特に2次試験、3次試験は1次試験からの期間も短く、何をどう対策すれば良いのかよくわからなかったので、とても助かりました。

その短い期間にコロナの陽性になってしまい、高熱で1週間勉強できませんでしたが、前場先生、なーな先生が特別にカリキュラムも組んでくださり(お忙しい中ありがとうございました)無事合格する事ができました。

これからエクセレンス試験に挑戦する方に、合格体験記が少しでもお役に立てれば幸いです。

 

合格おめでとうございます!

試験の最中に体調を崩されたときはどうなるかと思いましたが、見事に同格をつかむところにcutbackさんの人間力を感じました。

おそらく全合格者の中でもかなり上位のほうだと思いますので、自信をもって前に進んでください!

前場亮


 

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