【最終更新日】2025年1月22日
こんにちは。WBSの前場です。
昨日、ソムリエ協会から2024年度ソムリエ試験の受験者、合格者、合格率が発表されました。
結論を言うと2024年のソムリエ試験の受験者は3104人、合格者は905人、合格率は29.2%となりました。
僕が運営するWBSワインブックススクールは、オンライン最大級のワインスクールです。
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多くの方が登録しているため入ってくる情報は多く、そのぶん経験が蓄積され、これを適切な形で会員様にフィードバックをしています。
この記事では、2024年度ソムリエ試験の受験者、合格者、合格率をもとにできる限り精緻に分析し、2025年度試験はどうなるのかを推測してみたいと思います。
ワインエキスパート試験の2024年度結果についてはこちらをご参考ください→
これまでのソムリエ試験全体の受験者、合格者、合格率の流れについてはこちらをご参考ください→
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【2025年度試験のお役立ち情報一覧】
- 【2025ソムリエ・ワインエキスパート試験】リベンジ!不合格→翌年に合格するステップ
- 【2025ソムリエ・ワインエキスパート試験】試験前年の年末にするべきこと
- 【WBSでこれから学習される方へ】ワインと認知バイアス
2024年度ソムリエ試験の受験者・合格者・合格率の解説
結論と要約
年度 | 受験者数 | 合格者 | 合格率 |
---|---|---|---|
2016年 | 5712 | 1658 | 29 |
2017年 | 5520 | 1299 | 23.5 |
2018年 | 5233 | 1389 | 26.5 |
2019年 | 4534 | 1353 | 29.8 |
2020年 | 4316 | 1634 | 37.9 |
2021年 | 4517 | 1901 | 42.1 |
2022年 | 3766 | 1132 | 30.1 |
2023年 | 3224 | 570 | 17.7 |
2024年 | 3104 | 905 | 29.2 |
さきほどご紹介しましたように、2024年のソムリエ試験の受験者は3104人、合格者は905人、合格率は29.2%となりました。
これまでの数値は↑のグラフ・表のような流れになります。
総論とすると、2023年度に比べると受験者は微減、合格者、合格率はともに上昇した結果となっています。
受験者数の分析
グラフを見てお分かりの通り、受験者は2024年度試験は3104人となっており、全体的な流れは下降トレンドにあることがわかります。
WBSとしてはソムリエ試験はワイン業界においては必須の資格で、資格取得の価値はもちろん、学習対象としても大変に価値の高いものであると感じています。
飲食店、ワインショップの方はもちろん、ワイン業界の方は是非ソムリエ資格を受験し、広くて深いワインの世界に踏み込んでいただきたいと考えています。
客観的な数値から、どうしても厳しめな分析にはなりますが、受験者が下降トレンドであるのは主に以下の理由があると考えています。
大きく分けるとワイン業界(トレンド)、受験者の心理的な障壁、資格取得のコストパフォーマンス、運営者側の方針などに分けて分析します。
ワイン業界(社会的トレンド)
ワイン需要の停滞
日本国内でのワイン消費量が飽和状態に達している可能性があります。市場全体が成長しないと、ワイン関連資格への需要も減少することがあります。
コロナ禍の影響
2020年以降のコロナ禍で飲食業界全体が厳しい状況に置かれ、特にソムリエの需要が減少しました。
これにより、資格を目指すモチベーションが低下した可能性があります。
受験者の心理的障壁
合格率の変動
2023年には合格率が17.7%と大幅に低下しています。
この急激な難易度上昇は、受験者が「合格が難しい」と感じる要因になり、挑戦をためらわせる一因となっているかもしれません。
後述しますが、難易度に大きな変動があるのは受験生にすると受け控えをする理由になりますので、できる限り安定しているほうが受験生にとっての安心感につながります。
試験の権威性との衝突
試験内容が年々専門性を増している場合、「ソムリエ試験は難しい」というイメージが固定化されます。
通常は試験難易度はある程度権威性と一致しますので、試験の難化は悪いことではありません。むしろ権威性をあげようとする場合はポジティブに働きます。
ただし権威性と比較して合格後のプレミアが感じられない場合は、受験生にすると学習時間や費用に比べて割に合わないと判断される可能性があります。
資格取得のコストと価値
コストの問題
ソムリエ資格取得にかかる費用(受験料、教材費、スクール費用など)は安価ではなく、特に若年層にとっては金銭的負担が大きいです。
合格率も低下しているため、費用対効果を検討して受験者が受験を回避することも推測できます。
WBSはこの問題を解決するために、月額2200円に設定し、できる限り利用しやすい金額で最高の学習環境をご提供するように努めてまいります。
資格の実用性への疑問
全般的に現代社会は資格が必須ではなくなりつつあるため、「資格を持たなくても働ける」という意識が広がり、資格取得の優先度が下がっている可能性があります。
ワイン業界も様々な人材が活躍していて、必ずしもソムリエ資格が活躍のトリガーになっているわけではない、と受験生が判断している可能性があります。
試験運営側の要因
マーケティング不足
ソムリエ資格の魅力や意義が十分に伝えられていない場合、新規の受験者を惹きつけることが難しくなります。
これについては僕の様なワインスクール運営者、ワインジャンルの情報発信者にも責任の一端はあることを強く自覚しています。
そのうえで、主催者側が内向きのマーケティングを行っていることが受験者数減少の一因である可能性は低くはないように感じます。
既存層への偏重
ソムリエ試験のアプローチが、すでにワイン業界で活動している人や熱心な愛好家に限られている場合、新規参加者を収集できません。
ソムリエ協会の運営は専門化が進み、協会の運営トップはソムリエコンクール経験者が多く占めていて、ホームページにもソムリエコンクールの強い価値が強調されています。
コンクールを目指す一部の層と、それ以外の「ワインに興味を持つ初心者」や「実務重視の受験者」との間に心理的な壁が生じる可能性があります。この分断が受験者数の減少につながることも考えられます。
若年層へのアプローチ不足
ワインを好きな若年層やキャリアチェンジを考えている人に対する情報発信が減少していることが問題の可能性があります。
ソムリエ試験が「格式高い」「難解」「一部のエリート向け」という印象を与えているのは経験から見て事実でしょう。
このイメージは若年層にとって「親しみづらい」ものになり、挑戦するモチベーションを削いでいるかもしれません。
合格率の分析
ソムリエ試験の合格率は年々大きな変化を見せています。下記は合格率の推移とその分析です。
合格率の推移
2016年から2021年まで合格率は減りながらもゆるやかに上昇し、2021年に42.1%とピークに達しました。
2022年以降合格率は急下し、2023年には17.7%と過去最低を記録。その後2024年に29.2%と回復しています。
変動が見られた原因
2020年から2021年
コロナ菅の影響で参加者数が減りながらも合格者数が増えたため、合格率が上昇したと考えられます。試験の調整や合格基準の変更があった可能性もあります。
2023年の急落
合格率が過去最低の17.7%になった原因として、試験難易度の増加や調整の不足が考えられます。また、コロナ禍を経たことで参加者の準備不足が影響を与えた可能性もあります。
ソムリエ試験の合格率変動のデメリット
ソムリエ試験の合格率が低下したり、変動幅が大きいことには大きなデメリットがあります。
特に急激な低下は受験者に「試験が難しすぎる」という印象を与え、挑戦をためらわせる原因となります。
逆に急激に難易度が下がるとこれまでの受験生にはプレミアが低下させられた印象をもつことにもなります。
安定しない合格率は試験の一貫性や公平性に疑問を抱かせ、試験そのものの信頼性を損なう可能性もあります。
受験者数の減少や業界全体の活気の低下を防ぐためにも、また、ワインスクールの運営者という立場からも、安定した運営を粘り強く期待していきたいと思います。
まとめ:ソムリエ試験の今後の可能性
ソムリエ試験は、これからさらに進化し、多くの人に挑戦しやすい試験として、ワインの広くて深い世界への入り口として発展していく可能性を秘めています。
参加者数の回復や合格率の安定化がされれば、さらに未来は明るいといえます。
運営側も、試験内容のデジタル化や情報発信の強化により、若い世代にも魅力的な資格として認知されることを目指しています。
スマホを活用した手軽な学習プログラムやエントリーレベルの試験の創設は、参加の敷居を下げ、多様な層の受験を促進するでしょう。
2023年の急激な合格率低下をうけ、2024年度は予想通りある程度回復をしました。
今後は一貫性のある試験運営が行われると期待されます。
合格者のキャリア成功例を発信し、資格の実用性と魅力をアピールすることで、多くの人に「自分も挑戦したい」と思わせる機会を増やすことが重要です。
ソムリエ試験は、新しい世代とともに成長し続ける試験として、なによりワインの魅力を伝える最高の機会として、今後の発展を期待しています。
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