【最終更新日】2022年10月6日
こんにちは。ワインブックスの前場です。
今回は、ソムリエ試験、ワインエキスパート試験で気になっている人も多いと思いますが、「短期合格」についてです。
最初に結論を申し上げますと「短期合格」は結果論です。
短期合格できればそりゃ誰だっていいかもしれません。しかし学習期間が短くなればなるほど合格の可能性は減るのが合理的な判断ですし、「どこまで短期間にできるか」を探っていくのは半分ばくちになってしまいます。
僕はワインブックススクールというワインスクールを運営していて、スクールでは多くの方が学習をされて、そして毎年多くの方が合格されています。
その中で「このくらいが適正な学習期間」というものははっきりと認識できていますし、「どこからが短期合格なのか」というラインも把握できています。
今回は謎の「ソムリエ試験・ワインエキスパート試験の短期合格」について、最初に総論の検討と、その後に
・どこからが短期合格なのか
・どこからがどこまでが適正な学習期間なのか
・これ以上期間をかけるのは逆に時間をかけすぎている
について、率直に、具体的に解説をします。
ここは経験がものをいうところですので、中には「?」と思う部分もある人はあると思います。
できれば腹落ちがしやすいように最初から最後までお読みいただければと思います。
【ワインブックススクールに興味のある方は覗いてください】
目次
ソムリエ試験・ワインエキスパート試験の短期合格とは?
短期合格はなぜ目立つのか?
ソムリエ試験、ワインエキスパート試験のことで合格者に聞いたり、あるいはいろいろ検索をすると、
・3か月で楽々合格!
・1か月半で合格☆
・無勉で合格(≧▽≦)
などのキーワードを見つけることがあります。
それらの言葉は納得できるものもあれば”本当かな”と思うところもありますし、中にはほぼほぼ嘘だろと思わせるようなものまであるのが実際のところでしょう。
本当にどれくらい勉強したかはその人にしかわからないし、あとからどうにでも言えるのはその通りでしょう。
では、なぜ合格した人は「短期間の学習で合格できた」というのでしょうか?または「短期間での合格」が目に留まりやすいのでしょうか?
今回はそこを検討してみましょう。
単純な広告
これは何もソムリエ試験、ワインエキスパート試験だけではありません。
どんな資格試験でも学習期間が極端に短いことを誇示する経験談や広告はよく見かけるはずです。
広告であればわかりやすいでしょう。
「うちの生徒はこれだけの短期間で合格しました」とうたえば、
「え?そんな短期間で自分も合格できるの?」
と思った人が入学してくれるかもしれないし、そういう戦略で広告を練っているのでしょう。
単純な体験談
合格者の中にはいろいろな人がいます。
一般の会社員の方もいれば飲食店勤務の人もいますし、主婦の方もいるでしょう。
ソムリエ試験・ワインエキスパート試験は可処分時間との戦いなので、プロパーの受験生はほぼいないでしょう。
いろいろな事情がありますから、どうしても学習時間が取れずに直前に本格的に学習を始める人もいるはずです。
その中でたまたま3か月前からの学習で合格したとしましょう。
「事情があって3か月前からの準備だったけど、でも頑張りの結果合格できました!」
こんなふうに誰かに言いたくなるし、SNSをやっていれば一行添えたくなるのが人情でしょう。
なぜ短期合格は目立つのか?
では、検索エンジンなどでよく「3か月で合格!」などの短期間での合格体験は目に留まりやすいのでしょうか?
これは単純に検索ユーザーの心理が現れているといっていいでしょう。
「できれば短期間の学習で合格したい」
「できれば学習時間は短い方がいい」
多くの受験生はこう考えているはずです。
そりゃそうでしょう。ただでさえ忙しい毎日に鞭打って学習するわけですから、できればこんな苦行は短い方がいいと願うのが人情でしょう。
そうなるとどうしても短期合格の記事にすがりたくもなるし、参考になるところがあるんじゃないかとクリックします。
するとその記事のGoogleでの評価が上がり、結果として多くの人も目に留まりやすくなる、ということになるのです。
具体的な「短期合格」とは?
では、具体的な短期合格について検討してみましょう。
僕が運営するワインブックススクールは、毎年1月から6月のクールで学習をして、そのまま1次試験、2次試験、ソムリエの場合は3次試験を受けて、1年間をかけて合格する方が多いです。
多くのワインスクールではおおむね3月ころに開校して、その年の合格を狙っていくスケジュールです。
1次試験は毎年7月下旬から8月末日までの期間にCBT試験でされますので、おおむね8月を基準に考えると、1月から8月で7か月(WBS)、3月から8月で5か月になります。
なので、ここからワインスクールでの学習を5~7か月を目安にしましょう。
短期合格の目安
5~7か月の学習期間が一つの目安とすれば、「短期合格」と言えるのは手堅く見て3~4か月というところでしょう。
3月に始まるワインスクールの授業のスタートには間に合わなかったけど、そこからの巻き返しで合格できた。そんなところでしょう。
具体的に言えばその年の5月ころに学習を始めて、8月の1次試験に合格する。これは分かりやすい短期合格の形かもしれません。
ただし当たり前ではありますが短期合格を目指せば目指すほど学習時間は短くなり、結果として不合格の可能性は高まります。
そうなると最初から短期合格を狙って学習をするのは半分ばくちになることを意味します。
いろいろな事情があると思いますので、事情があって仕方なく直前の学習になったけど、結果合格出来てよかった。これがベストな形でしょう。
理想的な学習期間
では、逆に理想的な学習期間とはどのようなものでしょうか。
これは自分のスクールのことを言っているようで恥ずかしいのですが、やはり年明けから本格的に学習し、その年の試験に備えるのがベストでしょう。
これは他のスクールさんとの意見の違いですが、昨今のソムリエ試験、ワインエキスパート試験の難易度は上がっているので、3月から5か月の学習ではどうしても詰め込み式の学習になってしまいます。
詰め込み式の学習では本当の要点を機械的に学習する部分が増えてしまい、試験が終われば完全に知識として定着していないなんてこともあるかもしれません。
ワインは一生付き合えるので、学習対象としてはこれ以上の無い価値のあるものだと思いますが、これを試験に合格するために単なる暗記で終わらせるのはあまりにももったいないと考えているのです。
学習期間をかけすぎの場合は?
では、誰もがしたくない「学習期間の取りすぎ」はどうでしょう?
ソムリエ試験、ワインエキスパート試験の1次試験では、半分から6割の人が不合格になります。
そのため普通に学習しても合格する可能性は半分以下なので、どうしても複数年受験をする人は出てくる試験なのです。
ということは、2年目もあきらめずに受験をするのは何も珍しくはないし、恥ずかしくもないし、データからは当然の結果と考えましょう。
ですが、・・・言いづらいのですが・・・。
2回やって駄目だった場合は、さすがに学習の方法か、あるいは学習の密度か、あるいは方向性が誤っている可能性が高いです。
1回目はダメだったけど、いろいろ修正して2回目を受験する、でもダメだった。この場合は大変に言いにくいですがそもそも方角が明後日の方を向いている可能性があります。
ここは悪いことは言わないので、ワインブックススクールにはいり、1度でもいいので僕の週に一度の授業を聞いて、そして直接質問してください。
しっかりと時間を取ってありますので、できる限りあなたに合った学習方法をアドバイスさせていただきます。
まとめ 短期合格を狙うのはギャンブルだよ
いかがでしたでしょうか。今回はソムリエ試験、ワインエキスパート試験の短期合格について解説しました。
当たり前ではありますが、誰でも「できれば学習期間は短い方がいい」と思っています。
ですが、学習期間が短ければ当然学習時間も減りますので、そうなると合格の可能性は減ると考えるのが合理的判断です。
際際を狙うのはギャンブルになってしまうし、ギャンブルに買っても所詮はギャンブルなので、知識は泡もので終わる可能性は高いです。
いろいろな事情があるのは十分承知の上で、出来れば半年程度は準備をして、試験に臨まれることをお勧めします。
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