ピュリニーモンラッシェとは?基礎知識と味わいの特徴、合わせる料理

【最終更新日】2022年10月8日

ピュリニー・モンラッシェ(PULIGNY MONTRACHET)はフランス、ブルゴーニュ地方、コートドール県、コートドボーヌにあるワイン生産地域です。

ぶどう畑の約半分はプルミエクリュ以上の格付けで、世界最高峰の品質と評価の白ワインを生産する村です。

 

AOC上は99%以上が白ワイン、赤ワインは1%以下ですので、ほぼ白ワインの生産エリアといっていいでしょう。

偉大なワインであるモンラッシェとバタールモンラッシェ、シュバリエモンラッシェ、ビアンヴニュ バタールモンラッシェはこの村の畑中心部に集中しています。

隣村のシャサーニュモンラッシェ村とは、これらのグランクリュを分け合っている形になります。

グランクリュを4、1級畑を17も保有しており、ブルゴーニュの中でも屈指のアペラシオンとなっています。

 

評価の高い生産者に

Benjamin Leroux、Alain Chavy、Bachelet-Monnot 、Domaine Benoit Ente、Bernard Morey et Fils、Coche-Dury 、Colin-Deléger 、Etienne Sauzet 、François Carillon、Henri Boillot、Jacques Carillon、Jean Charton,Jean-Claude Bachelet,Jean-Marc Boillot,Leflaive,Louis Carillon,Marc Colin,Marc Morey,Matrot,Michel Niellon,Paul Pernot,Ramonet,Yves Boyer Martenot,d’Auvenay, Château de Puligny-Montrachet,Jacques Prieur,Lucien le Moine,Olivier Leflaive ,Vincent Girardin

などがあります。

 

【シャサーニュモンラッシェはこちらをご参考ください】

[blogcard url=”https://winebooks-media.com/chassagne-montrchet/”]

 

ピュリニーモンラッシェの基礎知識

ピュリニーモンラッシェ村


ピュリニーモンラッシェ村は、ワインに興味のない人であれば全く見るべきところのない村で、少ない人口のほとんどがワイン造りに関連する産業にかかわっています。

実際に村を歩くとゆったりとしていながら、かつ、落ち着いた風情のある建物が並び、いわゆる名家が多いということが感じられます。代々の村長もワイン生産者出身です。

 

街を歩くとお城かと間違えるような住宅も普通に並んでいて、ワインビジネスの興隆を物語っています。

にもかかわらず村全体に浮ついたところがなく、かつ、いわゆる盛り場などがないため、歩くだけで心が洗われるような雰囲気があります。

 

ピュリニー・モンラッシェという名前の由来は、ラテン語の「禿山」からきています。

石灰分が多い土壌のため、ブドウ以外は栽培できないことからこの名前が付いたと言われています(諸説あります)。

 

ピュリニーモンラッシェの格付け

5つの特級ワイン

ピュリニーモンラッシェで押さえるべきは、まずは5つの特級ワインでしょう。

こちらのようにピュリニーモンラッシェ村とシャサーニュモンラッシェ村にモンラッシェと、”モンラッシェ”をハイフンでつなぐ特級ワインが5つあって、これがそれぞれの村にまたがっているのです。

ピュリニー シャサーニュ
Montrachet モンラッシェ 4ha 4ha
Chevalier-Montrachetシュヴァリエモンラッシェ 7.59ha
Batard-Montrachetバタールモンラッシェ 6.02ha 5.85ha
Bienvenu-Batard-Montrachetビアンヴニュ バタールモンラッシェ 3.69ha
Criot-Batard-Montrachetクリオ バタールモンラッシェ 1.57ha

 

これにつけ加えて、ピュリニーモンラッシェには村名ワインがあって、プルミエクリュ、単なる村名クラスのワインがあります。

 

【特級ワインについてはこちらをご覧ください】

[blogcard url=”https://winebooks-media.com/grand-cru/”]

 

プルミエクリュ

1級畑で採れたブドウで造られるワインで、ピュリニーモンラッシェの後に畑名がつくことがほとんどです。

後述しますが、ピュリニーは1級に傑出したワインが多数あります。

1級ワインは以下の通りです。

Sous le Puits (Blagny)

La Garenne (Blagny)

Hameau de Blagny (Blagny)

La Truffière

Champ Gain

Les Chalumeaux

Champ Canet

Clos de la Garenne

Les Folatières

Peux Bois

Le Cailleret

Au Chaniot

Les Pucelles

Clos Des Meix

Clavoillon

Les Perrières

Clos de la Mouchère

Les Combettes

Les Referts

 

ヴィラージュクラス

いわゆる村名クラスのワインで、モンラッシェの名前がついても特級やプルミエクリュとは品質が変わってきます。

生産者や畑の見極めが重要なクラスでしょう。

 

もともとモンラッシェのワインの傑出性が広く知られていたので、これに追従する形で村名が決まった経緯があります。

”ピュリニーモンラッシェ”とラベルに書いてあるとどうしても特級のモンラッシェを連想しますし、混同するユーザーもいるはずです。

これらは一般のユーザーからすればわかりづらく、誤解のもとになる可能性を含んでいるのです。

 

 

 

1級畑の秀逸性

ピュリニーモンラッシェの特徴はいろいろありますが、その一つに1級畑の秀逸性があげられます。

シャサーニュモンラッシェの1級畑にも素晴らしいワインは多数ありますが、評価としてはやはりピュリニーでしょう。

特級ワインに比べると柔らかい仕上がりで飲み頃も早く来ますが、ブルゴーニュの白のだいご味といえば、ピュリニーの1級畑のワインを強くお勧めします。

 

1級畑で評価の高いものに、

ル カイユレ、レ ピュセル、クラヴァイヨン、フォラティエール、シャン ガン

などがあり、銘柄によってはグランクリュと同様かそれ以上の評価を得ています。

もっとも、その分価格も高めでほかの村の1級ワインよりも1段高い価格で取引されています。

 

ここでは、評価の特に高い二つのプルミエクリュを見てみましょう。

 

プルミエクリュ ル カイユレ

ピュリニーのプルミエクリュでまずは押さえておきたいのはカイユレでしょう。

カイユレ(CAILLERET)はモンラッシェの畑の北側に面していて、おそらくもっとも特級に近い1級と評価されている畑でしょう。

 

カイユはウズラの意味もあるのですが、この場合のカイユは石っぽさを意味する「カイユ― CAILLOUX」がその語源とされています。

実際にカイユレの表土には小石が混じっていて、緊張感とエレガンスのある仕上がりのワインになります。

生産者によって価格はまちまちですが、おおよそ一本30000円~程度でしょう。

 

面積3.9323ha,ジャン・シャルトロン(0.86ha)、モンティ―ユ(0.85ha)、プス・ドール(0.73ha)、ボワイエ・マルトノ―などの所有者がいます。

 

プルミエクリュ レ ピュセル

乙女という語源の畑ですが(おてんば娘のイメージ)、実際はエレガンスと骨格の太さを感じるワインとして知られています。

畑のほぼ半分を所有するドメーヌルフレーヴが質の高いワインを造り続けているので、これがこのワインのイメージそのものであることは間違いありません。

 

畑はカイユレの下にあって、ここも特級ワインに限りなく近い品質だと評価されています。

こちらもおおよそ30000円~程度でしょう。評価の高いワインですと50000円は軽く超えます。

こうなるとグランクリュ並みの価格ですね。

 

6.66haの面積で、ドメーヌルフレーヴ(3.06ha)、ジャンシャルトロン(1.16ha)、ポールペルノ(0.40ha)、ヴァンサンジラルダン(0.27ha)、フィリップシャヴィ(0.20ha)などの所有者がいます。

 

ブドウの品種

使用されるブドウはシャルドネとなります。部分的に赤ワインのピノノワールも栽培されています。

規定上はピノブランを合わせることもできますが、通常は100%シャルドネで造られます。

 

村の西側に掛けてブラニィの丘があり、その丘の斜面にブドウ畑が広がっています。

東向きの日当たりの良い畑は、標高250m前後の斜面が村名の畑です。

上方部分の4分の3が1級畑、そして残り僅かな部分が特級畑となります。

 

全体的に泥灰土の土壌となり、石灰も含まれているのでミネラル豊富なワインが多く造られます。

区画ごとに違った味わいを楽しめるワインでしょう。

 

【シャルドネについてはこちらをご参考ください】

[blogcard url=”https://winebooks-media.com/chardonnay/”]

 

ピュリニー・モンラッシェの特徴

この地の土壌特有のミネラル豊富な白ワインとなり、酸もバランス良く感じられます。

鉱物的に引き締まったエレガンスさと、控えめなボディは洗練された味わいとなります。

アーモンドやナッツ、レモングラスや青リンゴを思わせるワインで、凝縮された味わいが特徴的です。

 

シャサーニュやムルソーとの比較がよくされますが、ピュリニーはそのどれよりも”ぴんと張りつめた”と呼ばれる酸があり、これが熟成することで一気に華やかになる特徴があります。

一般的にはピュリニーがやや上の評価を受けていて、流通価格も若干高めになっています。

 

一方で、少ないながらも赤ワインも生産されています。

白ワインがメインのため、赤ワインはコートドニュイのワインよりも若干酒質が軽めのものが多いです。

 

 

マリアージュ

ピュリニーモンラッシェのワインは、若いうちはピンと張りつめた緊張感のある仕上がりですので、できれば7~8年は待ってから飲みたいワインでしょう。

1級以上のワインは高級料理との相性が良く、オマール海老やフォアグラなどとのマリアージュが最高です。

また、酒質が強いため肉料理にも十分に合わせることが可能です。

 

完成度の高いワインのため、ご家庭でお飲みになるよりはシェフがしっかりと作りこんだレストランの料理が似合うでしょう。

チーズであれば、シェーブルチーズやルブロション、ブリー・ド・モーがおすすめです。

世界的に誰もが飲みたいと渇望するワインたちなので、できればいい環境の中で、気分を盛り上げていただきたいワインといえます。

 

【マリアージュについてはこちらをご覧ください】

[blogcard url=”https://winebooks-media.com/mariage/”]

 

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