【最終更新日】2023年3月11日
テンプラニーリョ(Tempranillo)はスペインのリオハ原産の黒ブドウで、早熟である事から、“早い“という意味のスペイン語tempranoに由来します。
ギザギザした葉が特徴で、ブドウにしては珍しく紅葉があり秋には真っ赤に染まります。
歴史は古く、3000年以上前からイベリア半島で生育していたとされ、現在ではスペイン、ポルトガルを始め世界中で栽培されており、4番目に多いブドウ品種です。
早熟で、環境に順応しやすい品種である為、イベリア半島の各地で古くから栽培されていて、地方毎で呼び名が変わります。
スペイン国内でもティント・フィノ、ティント・デル・パイス(カスティーリャ・イ・レオン州のリベラ・デル・ドゥエロ)、センシベル(カスティーリャ・ラ・マンチャ州のラ・マンチャ)、ティンタ・デ・トロ(カスティーリャ・イ・レオン州のトロ)や、ポルトガルではティンタ・ロリス、アラゴネス等まだまだ他にも多数あります。
主なテンプラニーリョのシノニムは以下の通りです。
- Aldepenas
- Aragones
- Aragonêz (Portugal)
- Aragonez Da Ferra
- Aragonez de Elvas
- Arganda
- Arinto Tinto
- Cencibel (Castille, La Manche, Madrid, Aragon, Extremadure, Murcie)
- Cencibera
- Chinchillana (Extremadure)
- Chinchillano
- Chinchilyano
- Cupani
- Escobera (Extremadure et Amérique du Sud)
- Garnacho Foño (Amérique du Sud)
- Grenache de Logroño
- Jacibiera (Castille-La Manche, Amérique du Sud)
- Jacivera
- Juan Garcia
- Negra de Mesa
- Ojo de Liebre
- Olho de Lebre
- Sensibel
- Tempranilla
- Tempranillo de la Rioja
- Tempranillo de Perralta
- Tempranillo de Rioja
- Tempranillo de Rioza
- Tinta Aragones
- Tinta de Santiago
- Tinta de Toro
- Tinta Do Inacio
- Tinta Monteira
- Tinta Monteiro
- Tinta Montereiro (Amérique du Sud)
- Tinta Roriz (Portugal)
- Tinta Roriz de Penajola
- Tinta Santiago (Amérique du Sud)
- Tinto Aragon
- Tinto Aragonez
- Tinto de la Ribera
- Tinto de Madrid (Tolède, Cantabrie, Salamanque, Soria, Valladolid, Madrid)
- Tinto del País (Castille, Léon, Rioja)
- Tinto de Rioja
- Tinto de Toro (Zamora)
- Tinto del Toro
- Tinto Fino (Castille, Léon, Madrid, Valence, Extremadure, Rioja)
- Tinto Madrid
- Tinto Pais
- Tinto Ribiera
- Tinto Riojano
- Ull de Llebre (Catalogne)
- Valdepeñas (Californie)
- Verdiell (Catalogne)
- Vid de Aranda (Burgos)
目次
テンプラニーリョの基礎知識
ぶどうの特徴
色調は紫が綺麗なルビーレッドで、チェリー、苺やプラム、タバコ、ディルのようなハーブの香りがあります。
若い内はフレッシュなフルーツの香りが強いですが、年々、プラムのような黒い果実の香りと革の香りが強く出てきます。
酸味は程良く、タンニンも穏やかで溶け込んでおり、渋味も強くありません。ボディもミディアム程度で、飽きの来ない味わいのワインが多く見られます。
強烈な個性が少ないテンプラニーリョはブレンドされる事が多いですが、スペインのリオハやリベラ・デル・ドゥエロでは90%以上使用されているワインも多く、ボルドーやナパと比較される品質のワインが生産されています。
主な産地
スペイン
世界中で栽培されているテンプラニーリョの90%近くをスペインが占めています。
冷涼な気候でも生育できるテンプラニーリョは、他のスペイン原産のブドウに比べ、北部での生産が盛んです。
リオハ、リベラ・デル・ドゥエロ以外にもトロ、ナヴァーラやフランスと接するカタロニアでも栽培されています。
温暖な環境下でも糖度があまり上がらないので、中部のマドリッドやバルデペーニャスではアルコール度数の調整を主としてブレンドされています。
近年リオハではテンプラニーリョを使ったロゼワインや、テンプラニーリョ・ブランカという変異種を使った白ワインも生産されており、ハーブの香りと若干の渋味があり、幅広い料理に合わせられるようになりました。
ポルトガル
作付面積は国内で一番多く、アレンテージョやポルト、ドウロといった地域が有名です。
ポルトガルを代表するブドウ品種であるトウリガ・ナショナル(Touriga Nacional)やトウリガ・フランカ(Touriga Franca)とブレンドされる事が多く、アレンテージョ、ドウロでは赤ワイン、ポルトでは酒精強化ワインのポルトワインが生産されています。
他の地域
アルゼンチン、チリ、アメリカの北南米やオーストラリア、南アフリカでも栽培されています。
どの国でも他の黒ブドウとブレンドされてワインが作られています。
著名なワイン
ベガ・シシリア ウニコ(Vega Sicilia Unico)
[itemlink post_id=”3139″]スペインのワイナリーと言えばまず挙げられるであろう、ボデガス・ベガ・シシリア(Bodegas Vega Sicilia)を代表するワインです。
リベラ・デル・ドゥエロで1864年に創設された会社ですが、“ベガ・シシリア“という名前はそれ以前の文献に記載があり、由来は諸説ありますが、はっきりとはしていません。
[itemlink post_id=”3140″]
サイズや素材の異なる樽を変えながら熟成し、瓶に移してからもまた熟成。
リリースまでに10年以上の熟成期間があり、世界一熟成期間の長いワインと呼ばれる事もあります。
ブドウの品質が悪い年には作られない為入手困難なワインで、ボルドーの5大シャトーと比べても、品質、評価共に全く遜色ありません。
イギリス首相を務めたウィンストン・チャーチルがこのワイナリーのワインを愛飲していたとも言われています。
コンタドール ベンハミン・ロメオ(Contador Benjamin Romeo)
[itemlink post_id=”3138″]リオハでも高品質のテンプラニーリョが生産される、リオハ・アラベサで各ワイン誌から最高の評価を受けている、ベンハミン・ロメオ氏の作るワインです。
様々な土壌と方角を向いた畑の中、野生に近い環境で育てられたブドウを厳しく選定、収量制限し、テンプラニーリョのポテンシャルを最大限に引き出している1本です。
彼はスペイン原産のブドウ品種に拘り、現地でしか飲めないワインもありますが、他のワインも完璧主義者である彼が用意した最高の環境で作ったワインに仕上がっています。
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