【最終更新日】2020年8月30日
マンションの一室や一般的なご家庭の一室を飲食店とみなして営業したいという相談を受けることはよくあります。
この場合に検討すべきことは、
①許可を法律的に取得することはできるのか
②許可が取れるとして、実際に営業することができるのか
を検討する必要があります。
ここで全体像を見て、具体的に検討してみましょう。
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目次
マンションの一室で飲食店営業許可を取る
法律的には可能
飲食店営業許可は食品衛生法という法律の「食品営業許可」という手続きになります。
食品や飲料に手を加えて販売する営業ですが、この許可要件に「マンションでは許可は取れない」という決まりはどこにもありません。
そのため、一般的な設備上の許可要件さえ満たしていれば許可取得は可能です。
・調理場内に流しが二つ以上ある
・調理場と客席が区分わけされている
・調理場と便所に手洗いがある
・冷蔵庫が設置されている
・扉付きの収納がある
これらが整っている場合は許可が取れる可能性が高いです。
要件を満たす物件はないと考えよう
マンションで飲食店営業許可を取るのは、前述のように要件さえ満たせば良いのですが、ほぼすべてのマンション物件は要件を満たしていません。
そのため何らかの施工が必要になるのですが、改装施工が賃貸契約で認められていれば良いのですが、そんな契約は賃貸ではなかなか見つかりません。
保健所の側からすれば、マンションの一室に許可を出してしまうと、住民間のトラブルが目に見えていますし、そうなると審査のハードルは低くできません。
実際に、私は立場上たくさんの保健所の許可を取得しますが、保健所の職員さんにマンションでの許可について伺うと、一様に「実際には難しいですねえ」の返答です。
バーの場合は警察署の手続きが別途必要
マンションの一室でバーをやりたいという要望も多くききます。
おしゃれなデザインにして隠れ家間満点のバーがマンションの一室にあれば意外性も手伝って案外はやるかもしれません。
ただし、バーの場合は、深夜0時以降に営業する場合、風営法の深夜酒類提供飲食店という区分に該当しますので、保健所とは別に警察署の手続きが必要です。
この「深夜酒類提供飲食店」は、いわゆる深夜営業の許可として知られていますが、手続きは保健所の許可に比べて大変に厳しいことで知られています。
制度の高い図面と面積計算、完成度の高い書類作成が必要になってきます。
また、立地要件として住居地域では出店できませんので、ハードルはさらに高いと考えましょう。
実際に営業できるかは別問題
では、許可が取れて法律上は実際に営業ができるようになったとしても、実際にはさらに高いハードルがあります。
例えばマンションの賃貸借契約では必ず使用目的が記載されています。
ほとんどの場合は住居目的になっていますし、事務所使用であってもしっかりとその旨が明記されているものです。
これらの場合に規約を無視して飲食店営業をした場合、規約違反で退去を求められたり、場合によっては損害賠償請求の対象にもなってしまいます。
賃貸契約以外にもマンション組合の規約違反も考えられますし、これらはそんなに簡単に解決できる問題ではありません。
必ずバレると思おう
「静かにやれば見つからないでしょ」
「周りの人は友人だから協力してくれるに違いない」
人間は自分が可愛い生き物なので、自分に都合の悪いことは要領よく解釈しがちです。
ただし、実際には一般のマンションで飲食店を営業すれば遅かれ早かれバレるのが普通だと考えましょう。
静かにお酒を飲むお店であったとしても酔った勢いで言い争いが始まる可能性もありますし、お客の服装と住んでいる人の服装はやはり雰囲気が違うものです。
「なんとなく雰囲気が違う人が出入りしているなあ」と感じれば「何をしているんだろう」と探りを入れたくなるのが人情というものです。
そのため普通の感覚であれば、バレた場合のリスクヘッジを考えると規約に違反してやるのはやめたほうがいいでしょう。
どうしてもやりたいのであれば事前にマンション組合や建物の所有者に相談して了承をえましょう。
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