【最終更新日】2023年10月13日
日本ソムリエ協会が主催するソムリエ資格は、飲食店やワインショップ、インポーターなどの、主にワインに関連するサービスやアドバイス、実務家のための資格です。
この資格は試験が年に1回あり、1次試験から3次試験までのすべての試験にパスすることで初めてソムリエの呼称資格を名乗ることができます。
僕は前場亮といいます。
WBSというオンラインのワインスクールを運営していて、自身のユーチューブチャンネル「ワインブックス」はチャンネル登録者で言えばワインジャンル最大規模になっています。
そのため情報発信者として発信する情報も多いですが、同時に入ってくる情報も格段に広く深く、また最新性が伴っています。
ここでは、あなたがソムリエ試験を志すにあたって、努力が報われ、最低限方向性を間違えないように、できる限り丁寧に解説をします。
まずはざっくりとこの記事をお読みいただき、ソムリエ試験の全体像を理解して、そのうえで各論を知るようにしましょう。
ぼくはWBSというオンラインのワインスクールを運営していますので、当然WBSで学習をするのが合格の最短ルートだと思っています。
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ソムリエ試験、ワイン系スパート試験はもちろん、上級のエクセレンス試験まで完全に対応していますので、皆様のご参加をお待ちしております。
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目次
ソムリエ試験の勉強方法
ソムリエとは?
ソムリエ試験の前に、まずはソムリエのイメージを共有しましょう。その方が伝わりやすいはずです。
ソムリエとは、飲食店やホテルなどで、お客様にワインやその他の飲料を提供する際に、その選択やサービスを担当する専門家のことです。
ただしソムリエの職域は以前に比べて広がっている現状があり、インポーターやワインショップ、コンサルタントなど、飲食店以外の活躍の場も増えてきています。
ここでは一般的な飲食店、ホテルなどのソムリエについて検討します。
ソムリエの役割は、お客様が飲みたいと思う味わいや料理に合わせた最適な飲み物を提供することで、お客様の満足度を高め、店の利益を増やすことにあります。
ソムリエが行う主な仕事内容は、以下のようなものが挙げられます。
- 【ワインリストの作成 】ソムリエは、お店のコンセプトや料理のテイストに合わせて、ワインリストを作成します。各ワインの特徴や品質、価格などを考慮しながら、多様な選択肢を提供することが求められます。
- 【顧客対応】 ソムリエは、お客様が求める飲み物の嗜好や予算を聞き出し、最適な選択肢を提供することが求められます。また、適切な温度やグラスなど、サービスに関するアドバイスを行い、お客様の満足度を高めます。
- 【ワインのセラーマネジメント】 ソムリエは、ワインのストックや品質管理、購入計画など、店内のワインセラーの管理を担当します。ワインの保存方法や古酒の取り扱いなど、専門知識が求められます。
- 【スタッフ教育】 ソムリエは、自身が持つワインや飲み物に関する知識やスキルを、店内のスタッフに伝え、彼らの教育に貢献します。また、新しいワインの紹介やテイスティングイベントなどを開催し、スタッフとお客様の知識向上を促します。
これらが主なソムリエの職務になります。
この中でも最も重要なのはなんといっても実際の営業でのお客様へのサービスでしょう。
ほとんどのお客様はワインについての知識は持っておらず、そのような方へ適切なワインをお勧めし、実際に抜栓してワインを注ぐ。
簡単なように聞こえますが、実際には顧客心理の深いところまでを知らないと顧客心理にはリーチできません。
ソムリエの資質、必要な知見
次に、ソムリエとして活躍するために必要な資質と知識経験を見てみましょう。
ソムリエには、飲料に関する高度な専門知識と、お客様に対する高いサービススキルが求められます。
以下に、ソムリエに必要なスキルと知識を5つ挙げてみます。
- 【ワインの知識】 ソムリエには、ワインに関する深い知識が求められます。ワインの種類や生産地、ブドウ品種、生産方法、味わいの特徴など、幅広い知識を持ち、適切なアドバイスをすることが求められます。
- 【お料理とのペアリング】 ソムリエには、食品とのマッチングに関する知識が必要です。食材や調理法によって、ワインの味わいが変化することを理解し、最適なマッチングを提案することが求められます。
- 【サービススキル】 ソムリエには、お客様に対する高いサービススキルが求められます。お客様のニーズを理解し、丁寧かつ迅速なサービスを提供することが必要です。
- 【コミュニケーション能力】 ソムリエには、お客様やスタッフと円滑なコミュニケーションが必要です。お客様との会話や、スタッフへの指導・教育を行い、円滑なコミュニケーションを図ることが求められます。
- 【ワインセラー管理】 ソムリエには、ワインセラーの管理に関する知識が必要です。ワインの保存方法や品質管理、在庫管理などを行い、店舗内でのワインの管理を担当することが求められます。
ここであげた5個についてはどれも必須のもので、どれが欠けてもソムリエとしては不十分です。
知識だけでも駄目だし、接客ができるだけでも物足りないでしょう。
せっかく仕入れたワインを適切に管理して販売する能力は、お店側にすればもっとも重要視する能力のはずです。
ソムリエ試験の概要
いかがでしょうか?ここまででソムリエのイメージが共有できたはずです。
ただし文言だと随分固い職業のように思えたかもしれません。そこについてはまた後述します。
ではここからいよいよソムリエ試験の概要を見てみましょう。
ソムリエ試験の日程
ソムリエ試験は毎年1回開催されます。
毎年3月頃に募集が開始され、7月後半から8月末日までが1次試験、10月中旬頃に二次試験のテイスティング、そして12月初旬に実技試験があります。
この中でも最もかなめになるのがなんといっても一次の筆記試験です。
この一次試験はCBT方式といってコンピューターに登録された多数の試験問題から、難易度が調整された問題がランダムに選出され、パソコンで出題され、パソコンで回答するというものです。
筆記試験はここ数年で極端な難化傾向にあります。WBSであればほとんど受験生はその年の初めから講義を受講し、半年以上の学習期間を経て合格をしています。
ソムリエ試験の難易度
ソムリエ試験は、ワインに関する高度な知識とサービススキルを要求される業界で、その試験内容も非常に難易度が高いと言われています。ソムリエ試験は、一般的に次のような特徴があります。
幅広い知識を要求される ソムリエ試験は、単なるワインの知識だけでなく、料理やマッチング、調理法、ワイン生産法、業界全般に関する法律や経済など、幅広い分野に及ぶ問題が出題されます。
記憶力を要求される ソムリエ試験は、大量の情報を短期間に覚えることが求められます。
ワインの生産地、生産法、品種、味わいの特徴、マッチング、飲み頃などの情報を正確に記憶する必要があり、これを制限時間にこたえなければなりません。
また、ソムリエ試験の合格率は年によってボラティリティがありますが30%低度と非常に低いと言われています。
また、その上級のエクセレンス試験になると合格率は極めて低く、10%を切る年もあります。
試験を受ける前にはしっかりと準備が必要です。
ソムリエ試験の勉強時間
ソムリエ試験はWBSのアドバイスですとおおむね300~400時間の勉強時間をお勧めしています。
この時間は一日に1時間の勉強時間をとっても1年かかりますので、かなりの情報量をこなさないといけないことになります。
ほとんどの受験生は勤務しながらの受験ですし、かつ、飲食業はただでさえ長い労働時間に悩まされているところも多いはずです。
こうなると勉強時間を確保することがどれだけのことなのかがイメージできると思います。
ただし、この勉強時間についてはネットなどでは「短期間で合格」「無勉で合格」などの記事も目に入りますが、これは昔の難易度の時のことで、現在は難易度が上がり決して短期合格をできるような難易度ではありません。
勉強時間は長ければ長いほどいいというわけではありませんが、かといってあまりにも短いとばくちになってしまいます。
ここは過去の経験を踏まえ、できれば手堅く300~400時間を目安にしていただくのがいいと思います。
お勧めの覚え方
ソムリエ試験は、非常に多くの知識や技術を要求されるため、試験に合格するためには適切な覚え方が必要です。
以下に、ソムリエ試験の覚え方についてまとめました。
WBSであればボルドーの格付けや残糖分、各種規定については学習支援システムがあるので、そちらを賢く利用して、隙間時間に記憶の質を上げることができます。
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システム化する
ソムリエ試験には非常に多くの情報があります。それらを覚えるためには、システム化することが必要です。
例えば、ワインの原産地や品種、味わいなどを、地域別や品種別に整理し、枠組みを作ることで覚えやすくなります。
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アウトプットする
情報をただ覚えるだけでは、試験で必要な知識を実際に使いこなすことはできません。
アウトプット(出力)することで、その知識が自分自身のものとなり、覚えやすくなります。
例えば、勉強した知識をフラッシュカードにまとめたり、口頭で自分自身に問いかけたり、誰かに教えることで、知識を復習し、定着させることができます。
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繰り返し学習する
情報を一度覚えただけでは、試験前に忘れてしまうことがあります。
繰り返し学習することで、定着させることができます。例えば、定期的に復習を行ったり、週に一度、一か月に一度など、自分に合った間隔で学習を繰り返すことで、知識を定着させることができます。
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実践する
ソムリエ試験は、実技試験もあります。
試験で必要な技術を覚えるためには、実際にワインを注いだり、グラスを持ったり、飲み方を練習したりすることが必要です。実践を通じて、試験で必要な技術を身につけることができます。
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適切な休息をとる
適切な休息をとることは、試験に向けた勉強にも重要です。
長時間勉強し続けることは、疲れやストレスを引き起こすことがあります。適切な休息を取りながら、体調とともにメンタルも維持して最終合格をつかみましょう。
ソムリエ試験のスケジューリング
ソムリエ試験は、難易度が高く試験内容も幅広いため、スケジューリングが非常に重要となります。逆に言えばスケジューリングさえうまくいけば、WBSの実績にであればほとんどの方が合格をしています。
以下に、ソムリエ試験のスケジューリングのポイントをまとめました。
- 【試験日程の確認】 受験者は、試験日程を確認し、自分の予定や勉強計画に合わせて受験日を決定する必要があります。
- 【自分なりのスケジュールを作成する】 受験までに十分な勉強時間を確保するためには、スケジュールの作成が必要です。勉強内容を細分化し、日々の勉強時間を設定することで、効率的な勉強が可能となります。
- 【勉強の優先順位を決定する】 ソムリエ試験は、膨大な知識を問う試験です。そのため、勉強すべき内容の優先順位を決定することが重要です。基礎知識から始め、必要に応じて重要度の高い分野を優先的に学習することが望ましいです。
- 【練習時間を設定する】 ソムリエ試験は、実際のワインサービスや開栓などを行う実技試験もあるため、練習時間も重要です。練習時間を設定し、実際のワインサービスや開栓、テイスティングを行うことで、試験に備えます。
- 【体調管理・メンタルコントロール】 この試験は長丁場なので体調管理も重要です。また、体調以上にメンタルコントロールも重要です。十分な睡眠と栄養バランスの取れた食事を心がけ、心身ともに健康を保つことが必要です。
WBS生の合格者に話を聞いても、どれだけはうまくいっているように見える合格者であっても中だるみを経験したり、気分の浮き沈みはあるという報告をいただいています。
長丁場の試験勉強をどのように乗り切るか、ここについては経験がものをいうところになるかもしれません。
ソムリエ試験の範囲【生産国】
ソムリエ試験では、世界中の多種多様なワインに関する知識が求められます。
そのため、各国のワインに関する知識を習得することは、試験合格に必須と言えます。以下に、主要なワイン生産国の勉強方法を紹介します。
ここに挙げた生産国は本当の重要度の高い国ですが、実際には東欧諸国やアメリカやカナダ、オーストラリアやチリなどのニューワールドもあり、ワイン生産国であればほぼすべての国が対象となります。
ここでは伝統国を見てみましょう。
- フランス フランスは、世界的に有名なワイン生産国です。ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパンなど、各地域で異なる種類のワインが生産されています。フランスのワインについて勉強する際には、各地域の特徴やブドウ品種、栽培方法、生産プロセス、味わいなどを学習することが重要です。
- イタリア イタリアは、赤ワイン、白ワイン、スパークリングワインなど、多彩なワインが生産される国です。トスカーナ、ピエモンテ、ヴェネト、シチリアなど、各地域に特色あるワインがあります。イタリアのワインについて勉強する際には、各地域のワインの特徴や味わい、ブドウ品種、栽培方法、生産プロセスなどを学習することが必要です。
- スペイン スペインは、リオハ、リベラ・デル・ドゥエロ、シェリーなど、特色あるワインが生産される国です。特にリオハは、世界的に有名なワイン産地の一つとして知られています。スペインのワインについて勉強する際には、各地域の特徴やブドウ品種、栽培方法、生産プロセス、味わいなどを学習することが大切です。
- ドイツ ドイツは、白ワインが有名なワイン生産国です。モーゼル、ラインガウ、フランケンなど、各地域で異なる種類の白ワインが生産されています。ドイツのワインについて勉強する際には、各地域の特徴やブドウ品種、栽培方法、生産プロセス、味わいなどを学習することが必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?ソムリエ試験の勉強方法の全体像がなんとなく見えてきたと思います。
おそらくほとんどの人は
「なんか難しそうだ」「なんかとっつきにくそう」
こう思ったはずです。
実際にはその通りで、決して簡単ではないし、方向性がしっかりしないと努力が報われない可能性もある資格試験です。
逆に言えばしっかりした方向性さえあれば、後は学習範囲を定めて記憶の質を高めることで、合格の可能性はかなり高くなります。
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