こんにちは。WBSの前場です。
二次試験の課題のテイスティングのうち、ソムリエでは4番目と5番目、ワインエキスパートでは5番目に”そのほか飲料”が出題されます。
これは、スティルワイン以外の飲料が出題がされ、これに銘柄だけを回答するというものです。
正直に言えば、特にワインエキスパートでは1問ということもあり、スティルワインに比べると重要度は決して高いとは言えません。
しかし、受験生側の心理からすると、この試験は官能試験の為どれだけ準備をしても完全な正解を試験中に確信することはできません。
そのため「もし自分がボーダーラインにいたらどうしよう」という心理が勝ってしまうため、完全な捨て問にはしづらいプレッシャーがかかります。
もちろん、実際にボーダーラインの場合は合否を左右することになりますし、ソムリエの場合は例年1問は難易度の低い飲料が出題されるため、外してしまうとほかの受験生と差がついてしまう可能性もあります。
そのため、重要度としては、総論としては決して高くはないのですが、それでも全く準備をしないで臨むのは危険ですし、少なくとも受験生の平均値程度のトレーニングはするべきです。
ここでは、WBSでのそのほか飲料のテイスティングを受験することを前提に、具体的なトレーニング方法をご紹介します。
なお、WBSでの実際のフリーテイスティングは自由時間になりますので、この記事をもとに、各々適切なトレーニングをしてくださいますようお願いします。
前場が常駐していますので、わからないことはいつでもご相談ください。
目次
そのほか飲料のトレーニング
香りだけで判断するか、味わってから判断するか
ワインスクールやソムリエによって意見が分かれるのが、「そのほか飲料を香りだけで判断するのか、それとも味わってから判断するのか」です。
そのほか飲料はアルコール度数が高く、受験生によっては口にすることがそもそも苦手という人もいるはずです。
また、実際のソムリエコンクールでも香りだけで判断するソムリエもいるため、判断に迷うところかもしれません。
結論から言うと、お勧めは「香りだけで判断する」手法です。(もちろん香りだけではなく、外観を見たうえで、香りまでの情報で判断するという意味です)
味わってから判断するのは、香りまでの段階で結論が出せない場合にとどめていただき、味わってから結論を出すことを一つのパッケージにするのは個人的にはお勧めしません。
なお、これはそのほか飲料については「味わわない」ということを言っているわけではありません。
結論を出すのは香りまでの段階にしておき、味わいは補足情報程度にとどめておく、というとらえ方です。
また、実際のWBSにおいてのトレーニングでは、なかなかない機会ですので、味わいまでをご経験することをお勧めします。
なぜ「香りまで」で判断をするのか?
せっかく味わいまでを確かめることができるのに、香りまでの情報で判断をするのかについては意見が分かれるところでしょう。
受験生の立場からすれば味わいまでの情報で総合的に判断したいと思うのが普通の感覚です。
しかし、実際に経験をしていただければわかりますが、そのほか飲料はワインに比べると圧倒的に種類が少なく、また、特徴もよく現れています。
そのため「わかる」「わからない」がはっきりと分かれ、わかる場合は最初の一嗅ぎでわかることが多く、逆にわからない場合は味わってもわからないことが多いです。
また、仮に難易度の高い飲料が出題された場合、回答は割れるため外したとしても決定的なミスにはなりえません。
難易度の高い飲料を仮に正解できたとしても、二次試験は例年8割程度が合格する試験なので、結論に影響することはまれです。
そのため多くのスクールでも「味わいまでのトレーニングを要する」課題だとは判断されていないのかもしれません。
難易度の低い飲料とは?
では、難易度の低い飲料を検討しましょう。
難易度が低いというのは、受験生の多くが正解しやすい飲料ということなので、逆に言えば「外してしまうと差がついてしまう」飲料です。
これは、特徴が見出しやすく、かつ、独自性の高い飲料と言えます。
例えばアマレットというリキュールを例に上げましょう。
アマレットはイタリアの杏子の核のリキュールで、杏仁豆腐の香りづけに使われることもあります。
香りも判別しやすく、かつ、ほかに同様の酒が少ないため、おそらくしっかり準備をすれば香りまでで一発で判別できるはずです。
同様のお酒では
・アマレット
・グランマルニエ
・コワントロー(ホワイトキュラソー)
・チェリーヒーリング
・クレームドカシス
・ドライシェリー
・ホワイトポート
・ルビーポート
これらが出題された場合はラッキーととらえたうえで、手堅くチェックを入れるようにしましょう。
難易度の高い飲料とは?
では、逆に難易度の高い飲料とは何でしょうか?
これは難易度の低い飲料の逆を考えればわかりやすいです。
特徴が見出しづらく、かつ、同様のお酒がほかにも多い酒です。
例えば、コニャックとアルマニャックを完全に見分けろと言われても、普通は「そんなのハードル高すぎ」と思うはずです。
当たり前ですがコニャックらしいアルマニャックもあれば、アルマニャックらしいコニャックもありますが、さすがに審査員もわかりやすいものを出題します。
ただし、それであってもはっきりと分別をするのは難しでいすし、これにカルヴァドスやマールなども選択肢にあればよほど準備をしないと正解にはたどり着けません。
・オードヴィ―ドキルシュ
・オードヴィ―ドフランボワーズ
・オードヴィ―ドポワール
・マール
・ウイスキー各種
・焼酎各種
分かりやすい酒類は、理屈でなくまず味わってみる
では、仮にWBSでのテイスティングの場だとして、実際に様々な酒類を目の前にできた場合のトレーニングを検討しましょう。
最初に分かりやすい飲料を検討して、そのうえでわかりづらい飲料を紹介します。
まず、わかりやすい飲料については、これは理屈ではありません。
グランマルニエとコワントローはともにオレンジ風味ですが、明らかに色が違いますので、ここで理屈を言っていては時間はいくらあっても足りません。
特徴が出ていて、かつ、独自性のある飲料については気合と根性で事前に特徴を覚えたうえで味わい、即判別ができるようにしておきましょう。
分かりづらい酒類は理屈で判断する
では次に、わかりづらい酒類を検討しましょう。
分かりづらい酒類とは、特徴が見出しにくく、かつ、類似する酒がほかにもあるという酒類です。
ここでのポイントは、
・外観の色
・アルコール度数
・香り
・糖分
これをもとに分類して、最終的には官能で判断するのが正攻法です。
いきなり何も用意せずにただ官能で判断するのではなく、官能は最終手段で、その前段階である程度をスクリーニングをするというものです。
ここは具体例をあげて説明したほうがわかりやすいでしょう。
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