【最終更新日】2024年3月6日
焼き肉店は日本人の嗜好によくマッチし、夏も冬も集客が望めるなど、ビジネス的にも妙味のあるものです。
ワイン好きな方の中には焼肉とワインのペアリングを試す人も多く、実際に高級焼き肉店などではワインリストも充実しているところも多いです。
ワイン好きなお客様は食べ物や飲み物に理解が深い方が多く、そのため良いワインリストのお店を見つけるとリピートにつながりやすい傾向があります。
焼き肉店であれば、当然焼肉に合わせやすいワインをそろえることが大事になりますが、では、具体的にどのようにして選べばいいのかについて悩まれるお店も少なくありません。
ここではあなたが焼き肉店のワインリストを作成するにあたって大事なポイントを、できる限り再現がしやすいように解説します。
記事の冒頭、信頼性のために簡単に自己紹介をさせていただきます。
私は前場亮と申しまして、ワインジャンル最大級のユーチューブチャンネル”ワインブックス”を運営しています。
オンライン最大級のワインスクール”WBSワインブックススクール”も運営していて、毎年多くの方をソムリエ試験、ワインエキスパート試験合格に導いています。
なお、店舗様向けにWBSがあなたのお店のワインと料理に合わせて個別トレーニングをするAIソムリエサービスも提供しています。
ワインは長期の保存がきくため、一度仕入れればよほどのことがない限り売れ残ることはありません。
また、接客についてもカクテルのような煩雑な作成作業がなく、オペレーションも組みやすいです。
これを機にぜひあなたのお店の焼き肉にも最適なワインのセレクションをお試しください。
目次
焼き肉店のワインリスト作成のポイント
焼肉とワインのペアリング
焼肉とワインのペアリングはまず、焼肉の脂っこさや濃い味わいに対抗するため、タンニンの豊かな赤ワインが適するとされています。
例えば、カベルネ・ソーヴィニヨンやシラーは、肉の旨味を引き立てつつバランスを取ります。
焼肉の具体的な部位によっても適したワインが異なります。
例えばフィレ肉には柔らかいタンニンとフルーティーな香りが楽しめるメルローやピノ・ノワールがマッチします。
一方で、カルビやサーロインなどの脂の多い部位には濃厚なタンニンのあるワインが相性が良いです。
また、焼肉の付け合わせや調味料も考慮する必要があります。ガーリックやしょうがを使ったタレには、スパイシーでフルボディな赤ワインが相性抜群です。
一方で、塩味が強い焼肉にはシャルドネやソーヴィニヨン・ブランの白ワインが清涼感を加えて調和します。
焼肉とワインのペアリングでは、肉の部位や調味料、好みに応じて様々な組み合わせが可能ですが、バランスが重要です。
酸味やタンニン、フルーツの香りなど、ワインの特徴を理解し、焼肉の素材や調理法との調和を追求することがソムリエの視点から見た理想的なペアリングです。
最低限のワインサービスの機器
お店にソムリエがいない場合でも、良いワインリストがあればお客様はワインを注文できますし、ワインは開けてそのまま注げばいいので、特に手間もかかりません。
ただし、ワインファンはせっかくワインを飲食店で飲むのであれば、いい環境で飲みたいと思っていることが多いので、どうしても最低限の機器は必要になります。
ワインセラーはできれば24本程度は入る大きさのもの、グラスは2~3種類でいいのでできればよいものをそろえたいです。
白ワインやシャンパーニュなどが出る場合はワインクーラーは必要でしょう。
ですが、これらを全部揃えても10万円もかかりません。
ワインセラー(24本入り)5万円
ワイングラス 1個2000円×3種類×5個ずつ=3万円
ワインクーラー 1個2000円 ×2個=4000円
と、合計84000円です。仕入れの額にもよりますが10種類程度のワインリストであれば全部で15万円もあればワインサービスは始められるはずです。
肉の種類とワインの相性
焼き肉店のワインリストを作成する際には、提供される肉の種類を考慮してワインの相性を把握することが重要です。
異なる部位や調理法によって、ワインの選択が変わることを考慮しましょう。
例えばたれが多めの店舗であれば、味わいは濃いめの赤ワインをそろえる方がいいですし、アメリカやオーストラリアなどのニューワールドのほうが渋みが派手に感じられて喜ばれることも多いです。
逆にフィレ肉やタンなどの素材の味をそのまま出すような場合はブルゴーニュのような繊細でお肉の味を引き立てるワインが喜ばれます。
肉にしても牛肉ばかりが出るお店と牛も豚も鶏も出る、というお店では当然セレクトするワインも変わってきます。
ワインの銘柄と特徴の理解
各ワインの銘柄や産地、ブドウ品種の特徴を把握することは不可欠です。
肉の味わいとワインの特性をマッチングさせ、お客様に最適な組み合わせを提案できるように心掛けましょう。
ソムリエがいる場合であっても、焼き肉店であればワインに詳しくないお客様も多いはずですので、できる限りわかりやすくイメージのしやすい文言を選ぶようにしたいものです。
逆にソムリエがいない場合はワインリストでわかりやすく訴求し、「なぜこのワインがこのお肉に合うのか」を腹落ちしやすいように解説をすることで、お客様は安心してワインを注文することができます。
季節感、ワインの味わいの考慮
ワインリストには軽めのワインから濃いワインまで、幅広いバリエーションを揃えることが大切です。
これにより、様々な肉の味わいに対応でき、お客様に好みに合わせた選択肢を提供できます。
季節や気温によってもワインの好みは変わるため、ワインリストにはこれらの要素を考慮しています。
夏季には軽快なワイン、寒い季節には濃厚なワインを提案することで、お客様により快適な食事体験を提供できます。
価格帯のバランス
ワインリストには異なる価格帯のワインをバランスよく組み込むことが必要です。幅広い予算に対応し、様々な来店者に適切な選択肢を提供できるように心がけましょう。
ただし、あまりにも幅広い価格のワインをそろえてしまうと、どこが価格のボリュームゾーンなのかがわからなくなってしまいます。
そのため、カジュアルなお店であれば5000円程度、高級店であれば1万円程度を目安にして、そこからふりはばを持たせてワインをセレクトするのが無難です。
また、焼き肉店は気分が高揚したときに来店されるお客様も多いので、何かのイベントの時にふさわしいような高級ワインを置いておくのもポイントです。
耳慣れた高級ワインを置くことで、ポンと意図せずにいきなり注文が入ることもありますので、少量でいいので高級ワインをセレクトするのもいいでしょう。
ワインと焼き肉のペアリング提案
メニューとワインリストを連携させ、特定の焼き肉メニューに対しておすすめのワインを提案するセクションを作成します。
お客様にとって迷いなくワインを選択できるように、専門的な知識を分かりやすく伝える工夫が必要です。
ただし、あまりワインを推してしまうと、今度は「焼肉にはビールでしょ」という人や、ワインが苦手な人にすれば目障りなだけになります。
そのため特段にワインと焼き肉に特化したお店や、一部の高級店以外は料理のメニューに大きくワインを掲示するのはお勧めできません。
メニューの片隅に掲示をして、別にワインメニューを用意することで、ワイン好きな方にさりげなく目に留まるようになります。
実際のワインセレクト
・カリフォルニア カベルネソーヴィニョン→牛カルビ たれ
・ブルゴーニュ ピノノワール→牛フィレ 塩
・キャンティクラシコ→牛ロースたれ、塩
・カリフォルニア シャルドネ(樽)→鶏、豚料理全般
・シャンパーニュ→高級焼き肉店の料理全般に
などをご参考くださるのがいいでしょう。アイテム数については10種類程度で問題ありません。
ただし、10種類とはいってもセレクションがしっかりしていないとワインファンをがっかりさせるだけなので、ドンピシャなワインをセレクトする必要があります。
適切なワインリストがあればワインファンは注文をして、気に入ればワインと焼き肉を目当てに再訪する確率は高いです。
できれば最適なワインリストを作成して、ワインの売り上げを上げていきましょう。
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