【購入後】ソムリエ試験 論述試験 予想問題と模範解答

【最終更新日】2024年8月23日

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ソムリエ論述試験の予想問題と模範回答のページです。

必ず前文の「なぜ論述試験がソムリエ試験に必要なのか」について、理解したうえで予想問題と模範解答にお進みください。

 

単に模範解答を覚えるだけであれば、本来の意味でのソムリエ論述試験の意味は果たされなくなります。

結論を言えば論述試験はソムリエにとって必須のスキルである「考察力」「対応力」「推察力」が求められています。

ここからは決して本筋を外さずに準備をするようにしましょう。

 

ソムリエ試験の論述問題は、単なる知識の確認にとどまらず、ソムリエとしての基本的な資質やスキルを評価する重要な部分です。

特に、論述問題では「相手が何を望んでいるのか」を的確に理解し、それをどのように説明するかが求められます。

 

ソムリエは、お客様に対してワインの魅力や適切な選び方を伝える役割を担っていますが、

そのためには単にワインの知識が豊富であるだけでなく、お客様のニーズや嗜好を正確に把握し、わかりやすく、かつ魅力的に説明できる能力が必要です。

 

論述問題では、特定の状況やテーマに基づいて、ソムリエとしてのアプローチや提案が求められます。

通常は数百文字の文字で答える一般的なイメージの論述ですが、2023年度はポップの作成が出題がされました。

 

推測される論述の形式は、例えば、これまで通りの文字ベースの論述に加え、ポップの作成、お客様の嗜好に基づいたワインリストの作成などです。

このどれもが、相手の立場に立った考察力が重要であり、その場に応じた柔軟な対応が求められます。

 

また、専門用語を過度に使用せず、一般の人々にも理解しやすい言葉で説明するスキルも試験されます。

これらの能力は、実際の業務においても顧客満足度を高めるために不可欠であり、論述問題を通じてこれらの資質が備わっているかどうかを評価することが、ソムリエ試験の目的の一つとなっています。

 

ソムリエの資質に推察力や考察力、対応力が求められる理由は、お客様に最高の体験を提供するためです。

ワインの知識だけではなく、顧客の好みやニーズを敏感に察知し、それに合った提案をすることが重要です。

例えば、特定の料理や場面に適したワインを選ぶ際、顧客の表情や言葉から意向を読み取る推察力が必要です。

 

また、考察力は、複雑なワインの特徴や背景を理解し、それをわかりやすく説明するために役立ちます。

対応力も、予期しない状況や質問に対して柔軟に応じることで、信頼を築き、顧客満足度を高める要素となります。

 

試験勉強ということになりますと、どうしても「合格できるために手っ取り早い方法を教えてくれ」というスタンスにもなりがちです。

ですが、最低限「なぜソムリエ試験に論述試験が組み込まれているのか」を理解したうえで予想問題・模範解答を見ることで、より一層理解が深まります。

 

それでは、ソムリエ試験論述問題の予想問題・模範解答に進みましょう。

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合わせまして、論述試験対策のテキストも必ずお読みください→

 

論述試験・ポップの書き方についてはこちらをご参考ください→

 

ソムリエ試験 論述試験 予想問題と模範解答

パターン①誰でも回答できる問題に適切に回答する

抽象的なワインや、あるいは出題されたワインについての解説を求められる設問です。

この設問である程度書けることが重要です。

模範解答をできる限りイメージを持ち、丸覚えするくらいの感覚で取り組むことをお勧めします。

なお、設問が

①あなたの意見を聞いているのか

②お客様に説明するのか

③プロに向けて説明するのか

で選択する言葉も変わってきますし、語尾も変える必要があります。

 

・軽めの白ワイン(exシャブリ、サンセールなど)に合わせるお料理をワインを初めてお飲みになるお客様に250文字程度でお勧めしてください。

(241文字)

軽めの白ワインは、数ある白ワインの中でも比較的低い温度で楽しむタイプの白ワインです。

お料理の温度とワインの温度帯を合わせたほうが好相性であるため、温菜よりも冷菜とご一緒にお召し上がりになられることをお勧めします。

また、軽めの白ワインに共通する要素として強い酸味が挙げられます。

そのため冷菜の中でも酸味が印象的なお料理、または酸味を補うとより印象が良くなるお料理と好相性です。

例えば白身魚のエスカベッシュや、カルパッチョなど淡白な魚介類を使用した冷菜、シンプルな野菜料理がお勧めです。

 

・軽めの赤ワイン(ex ACブルゴーニュなど)に合わせるお料理をワインを初めてお飲みになるお客様に250文字程度でお勧めして下さい。

(252文字)

軽めの赤ワインは、赤ワインの中では比較的低い温度で召し上がることに適しているワインです。

赤ワインはどんなお肉料理とも好相性と考えてしまいがちですが、脂分の多いお肉と低い温度帯で供される軽めの赤ワインを一緒に召し上がると、口の中に脂が残りやすくなってしまいます。

そのため脂分が少なく、ワインとバランスの取れた重た過ぎないお料理がお勧めです。

例えば鶏胸肉のソテーや、ジャンボン ペルシエのようなお肉を使用した冷菜、またはシンプルに調理された赤身の魚、濃厚なソースと合わせた白身魚、と合わせることをお勧めします。

 

・樽熟成のシャルドネ(USシャルドネなど) に合わせるお料理をワインを初めてお飲みになるお客様に250文字程度でお勧めして下さい。

(274文字)

樽熟成されたシャルドネは、そのワインのコクや複雑味を生かすため、白ワインの中では比較的高い温度で楽しむタイプのワインです。

そのため冷菜よりも温菜に合わせたほうが料理とワインのギャップを少なくすることができます。

白ワインの中では高い温度で供されるとはいっても、赤ワインに比べると低温です。

そのためあまり脂分の多い肉質とは相性が良くありません。

比較的淡白なお肉、または少し脂分のある白身魚と合わせることをお勧めします。

例えば鶏もも肉を白ワインやクリームで煮たお料理や、樽熟成由来のロースト香に合うよう香ばしく皮目を焼いた金目鯛はお勧めできるお料理です。

 

・重めの赤ワイン(exオーストラリア シラーズなど) に合わせるお料理をワインを初めてお飲みになるお客様に250文字程度でお勧めして下さい。

(278文字)

重めの赤ワインは比較的常温に近い温度で楽しむタイプのワインです。

重めのワインは共通する要素として強いタンニン分と果実味があり、非常にボリューム感が感じられます。

料理とワインの温度帯を合わせると、口の中で両方の要素がまとまりやすくなるため、冷菜よりも温菜が適しており、ワインのボリューム感に負けないメイン料理と合わせることをお勧めします。

重めな赤ワインはシンプルな赤身肉のステーキと共に召し上がると、ワインがソースのような役割になるため、非常に好相性です。

また、脂分の強いお肉と合わせても、強いタンニン分が口の中の脂分を洗い流すため、心地よい印象になります。

 

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パターン②常識的な問題をワインを飲んだことのないお客様にお勧めする

一次試験に合格した知識があれば、常識中の常識の問題について問われる設問です。

ここでしっかりと記載できることが心理的に大きなアドバンテージになります。

日本のワイン、酒、食材も問われることが多いです。

日本のワイン、日本酒の項目は必ず目を通すようにしておいてください。

 

・甲州ワインの魅力を甲州ワインを飲んだことのないお客様に250文字程度でお勧めしてください。

(261文字)

甲州は日本で最も栽培されているワイン用品種であり、日本を代表する白ブドウ品種です。

甲州を使用したワインは初めて海外のコンクールで金賞を受賞した日本ワインであるため、甲州は海外でも高く評価されています。

甲州を使用したワインは柑橘のような香りが特徴です。また、ブドウの糖度が少し上がりづらいため、ブドウが持つキレのある酸味を感じやすいワインが多く生産されています。

全体的な要素がタイトに感じられるワインが多いため、出汁や旨味を重視する繊細な和食と好相性です。

まさに日本人の味覚に適したブドウ品種であるため、是非お試しください。

 

・マスカットベリーAの魅力をマスカットベリーAを飲んだことのないお客様に250文字程度でお勧めしてください。

(248文字)

マスカットベリーAは日本の新潟県で開発されたワイン用ブドウ品種です。

日本では白ブドウ品種である甲州に次ぐ栽培面積を誇り、赤ワイン用品種の中で最も栽培されているブドウ品種です。

マスカットベリーAを使用したワインはタンニンが穏やかで親しみやすい味わいが特徴です。

赤ワインは渋みが強いため苦手なイメージをもっている方にも、お勧めすることができます。

親しみやすくまろやかな印象のワインが多いため、出汁と醤油、砂糖を合わせた和食と相性が良く、日本のご家庭で楽しむ赤ワインとして最適です。是非お試しください。

 

 

パターン③日本のワインについてお客様に説明する

 

日本ワインに用いられるブドウ品種を代表的なものを中心に説明してください(200文字)

(239文字)

最も日本ワインに使用されているブドウ品種は甲州です。古くから日本に根付いている甲州は、生食用としても栽培されているブドウ品種です。

また、メルロなどワイン醸造に適したヨーロッパ系品種も日本に導入されています。

しかしヨーロッパと日本ではブドウの生育環境が異なるため、日本では日本の気候に適合する交配品種が開発されてきました。

代表的な交配品種は川上善兵衛が開発したマスカットベリーAです。和食に合うような柔らかさを持つマスカットベリーAは、日本で最も栽培されている赤ワイン用品種です。

 

山梨県のワインの特徴をワインを知らない人にむけて説明してください(200文字)

(241文字)

山梨県はワイナリーの数、年間ワイン生産量ともに日本一を誇り、まさに日本を代表するワイン産地です。

山梨県中心部に位置する甲府盆地が中心産地であり、白ブドウ品種である甲州や赤ワイン用品種であるマスカットベリーAが主に栽培されています。

特に日本を代表する白ブドウ品種である甲州を使用した白ワインの品質は高く、柑橘系の香りが印象的で、和食に合うような優しさのあるワインが多く生産されています。

甲州を使用した白ワインの評価は海外でも高く、その品質の高さから海外のコンクールでも入賞しています。

 

長野県のワインの特徴をワインを知らない人に向けて説明してください(200文字)

(233文字)

長野県は山梨県に次いで日本第二位の年間ワイン生産量を誇るワイン産地です。

気候や土壌がワイン造りに適しており、メルロ、シャルドネ、ソーヴィニヨンブランといったヨーロッパ系品種の生産は日本一です。

また、長野県は県内のワイン産業を盛り上げるために信州ワインバレー構想を発表しました。

その結果多くのワイン関係者が長野へと移住し、ブドウの栽培からワイン醸造までを行うドメーヌ型ワイナリーの新規創設が相次いでおり、長野県は今最も活気のある日本ワイン産地のひとつと言えるでしょう。

 

北海道のワインの特徴をワインを知らない人に向けて説明してください(200文字)

(206文字)

北海道は土地の価格が本州と比べて安く、多くのワイナリーが新規参入してきているワイン産地です。

フランス、ブルゴーニュ地方の有名ドメーヌも函館に進出しており、今世界的に注目を集めています。

北海道は冷涼な気候であるため、ドイツ系品種のケルナーやピノノワールなどの冷涼な気候に適したブドウ品種が、多く栽培されています。

日本で栽培されているピノノワールの半分以上は北海道で栽培されており、高品質なワインが生産されています。

 

信州ワインバレー構想とはどのようなものかを説明していください(200文字)

(218文字)

信州ワインバレー構想とは、2013年に長野県が県内のワイン産業を盛り上げるために策定したものです。

食などのワインにまつわる文化とワインが結びつき、ワインを楽しむ文化が根付くことによって、県外からもその文化を楽しみに長野県に人が訪れることを目標としています。

その目標を達成するために、桔梗ヶ原、千曲川、日本アルプス、天竜川という長野にある4つのバレーは、ワイン生産者の育成や長野県産

ワインのPRを通して発展し、NAGANO WINEブランドの確立を目指しています。

 

日本ワインと国内製造ワインの違いをワインを知らない人に向けて説明してください(200文字)

(239文字)

日本ワインと国内製造ワインは、使用できる原料が異なります。

日本ワインとは、国産ブドウを使用して国内で製造されたワインを指します。

この日本ワインと似たものに国産ワインがありますが、国産ワインは国産ブドウだけでなく輸入濃縮果汁や輸入ワインを原料に使用することができます。

そして国内製造ワインとは、この国産ワインと日本ワイン両方を含めた包括的なものです。

日本で栽培されたブドウを使用していなくても国産ワイン・国内製造ワインを名乗ることができますが、日本ワインと名乗ることはできません。

 

パターン③チーズに合わせたワインを勧める

まずはチーズの総論(山地、タイプ、乳種など)を説明し、お勧めのワイン、その理由をざっくりと記載します。

最低限教本のチーズをざっくりと覚えるだけで回答ができます。

 

・Stiltonに合わせるワインを理由とともにお勧めしてください。

Stiltonにはポートワインやマデイラなどの酒精強化ワインを合わせることをお勧めします。

Stiltonは牛乳から造られているイギリスの青カビタイプのチーズです。

チーズとワインの産地を合わせることを考えた場合、イギリス産のワインを合わせても良いと思いますが、Stiltonは数あるチーズの中でも個性の強い青カビタイプです。

青カビタイプのチーズは特徴的な風味と強い塩分を持ちますので、ワインも相応のボリューム感が必要になります。

そのためアルコール度数と果実味、糖度の高いポートワインやマデイラなどの酒精強化ワインはStiltonに合わせるワインとして最適です。(254文字)

 

・Pont l’Evequeに合わせるワインを理由とともにお勧めしてください。

Pont l’Evequeにはシードルなどのリンゴ原料のお酒や、ボルドー産の赤ワインを合わせることをお勧めします。

Pont l’Evequeはフランスのノルマンディー地方のウオッシュタイプのチーズです。

ノルマンディー地方はリンゴの産地であるため、チーズとワインの産地を合わせることを考えた場合、リンゴ原料のお酒を合わせることをお勧めします。

産地が一致しているだけでなく、ウォッシュタイプであるPont l’Evequeが持つ風味と、リンゴのフルーティーさは好相性です。

また、塩分とのバランスを考えると、適度な果実味とタンニンを持つボルドー産の赤ワインもお勧めができるワインです。(249文字)

 

・Neufchatelに合わせるワインを理由とともにお勧めしてください。

Neufchatelにはシードルなどのリンゴ原料のお酒や、クリュ ボージョレの赤ワインを合わせることをお勧めします。

Neufchatelはフランスのノルマンディー地方の白カビタイプのチーズです。

ノルマンディー地方はリンゴの産地であるため、産地を合わせることを考えた場合、リンゴ原料のお酒を合わせることをお勧めします。

産地が一致しているだけでなく、白カビタイプであるNeufchatelが持つ甘味とリンゴのフルーティーさは好相性です。

また、Neufchatelは白カビタイプの中では塩分が強いチーズです。

そのため果実味があり適度に引き締まっているクリュ ボージョレの赤ワインも好相性です。(250文字)

 

・Valencayに合わせるワインを理由とともにお勧めしてください。

Valencayにはトゥレーヌの赤ワインや白ワインを合わせることをお勧めします。

Valencayはフランスのロワール地方で造られているシェーヴルタイプのチーズです。チーズとワインの産地を合わせることを考えた場合、ロワール地方産のワインを合わせることをお勧めします。

また、Valencayは山羊乳から造られるシェーヴルタイプのチーズであり、そのうえ木炭粉がまぶしてあるため、個性的で濃厚な風味と食感をもちます。

そのValencay濃厚な風味にはトゥーレーヌのワインのような爽やかな風味のワインが好相性です。(215文字)

 

・Cantalに合わせるワインを理由とともにお勧めしてください。

Cantalにはブルゴーニュの白ワインや南フランスの赤ワインを合わせることをお勧めします。

Cantalはフランス中央部、オーヴェルニュ地方で造られているチーズです。牛乳から造られている非加熱圧搾タイプのチーズであり、木の実のような優しい味わいが特徴的です。

少し樽で熟成させたブルゴーニュ産の白ワインであれば、木の実のような風味と柔らかさがあるため、Cantalと好相性です。

また、穏やかな酸味と豊かな果実味をもつ南フランスの赤ワインも、Canatalの風味と調和がとれるので、お勧めができるワインです。(230文字)

 

・Allgauer Berkaseに合わせるワインを理由とともにお勧めしてください。

Allgauer Berkaseにはバーデンのベライヒ ボーデンゼーのワインを合わせることをお勧めします。

Allgauer Berkaseはドイツ南部のアルゴイ地方で造られています。チーズとワインの産地を合わせることを考えた場合、ドイツ南部のワインを選びたいところです。

また、Allgauer Berkaseは牛乳原料の加熱圧搾タイプのチーズです。しっかりとした食感のある加熱圧搾タイプにはミネラルのニュアンスが好相性です。

ベライヒ ボーデンゼーのワインは高い標高で栽培されたブドウを使用しています。そのためミネラルのニュアンスが顕著に感じられるものが多く、お勧めができるワインです。(248文字)

 

・Fetaに合わせるワインを理由とともにお勧めしてください。

Fetaにはサントリーニの白ワインを合わせることをお勧めします。

Fetaは古くからギリシャで造られているフレッシュタイプのチーズです。チーズとワインの産地を合わせることを考えた場合、ギリシャのワインを選びたいところです。

Fetaは塩水の中に二か月間置くことによる塩の風味が特徴的です。その独特の塩の風味と好相性なのは、島のワインであるサントリーニのワインです。

サントリーニ島の火山性土壌で栽培されたブドウのもつ豊富なミネラル感と切れのある酸味は、Fetaのもつ塩の風味と好相性ですので、お勧めができるワインです。(244文字)

 

・Pecorino Toscanoに合わせるワインを理由とともにお勧めしてください。

Pecorino Toscanoにはキアンティ クラシコやヴェルナッチャ ディ サンジャミーノを合わせることをお勧めします。

Pecorino Toscanoはイタリアのトスカーナ州で造られている非加熱圧搾タイプのチーズです。チーズとワインの産地を合わせることを考えた場合、トスカーナ州のワインを選びたいところです。

また、Pecorino Toscanoは羊乳から造られており、羊乳のまろやかな風味が特徴的です。

そのため味わいを引き締めるタンニンを持つキアンティ クラシコや、Pecorino Toscanoの風味に寄り添うような柔らかさをもつヴェルナッチャ サンジャミーノがPecorino Toscanoと好相性です。(235文字)

 

・Pasta filataを詳しくない方にどのようなものかを説明してください。

Pasta filataは主にイタリアのチーズ造りで行われている工程です。モッツァレッラやカチョカヴァロ、スカモルツァなどがPasta filataを用いている代表的なチーズです。

通常のチーズ造りとは異なり、Pasta filataは生乳を固めて乳酸発酵をさせた後、熱湯で溶かし引き伸ばしながら練り上げてチーズを造りあげていきます。

Pasta filataで造られたチーズはつるりとした表面ながら繊維状の生地をもつため、口に含むとほぐれていくような独特な食感が特徴的なチーズです。(200文字)

 

パターン④ 日本酒に関する設問

・日本酒の発酵である平行複発酵を知識のないお客様にわかりやすく説明してください。

アルコールの発酵は酵母の働きにより、糖分からアルコールと二酸化炭素を生じさせるものです。

ブドウなど糖分が多量に含まれた原料である場合はそのまま発酵させることができますが、穀物などのでんぷん質原料の場合、一度糖分を得る為に糖化という工程が必要になります。

日本酒の場合は、米に繁殖させた麹菌の酵素を利用して糖化が行われます。

通常、発酵と糖化は別々に管理されますが、日本酒は醪に麹を添加するため、糖化と発酵が同時に進んでいきます。

この糖化と発酵が同時に進んでいく醸造技術を並行複発酵と呼びます。

 

・日本酒の醸造の酒母について知識のないお客様にわかりやすく説明して下さい。

酒母は酛とも呼ばれ、麹と水、蒸し米を入れて酵母を大量に純粋培養させたものです。

安定したアルコール発酵を行うためには、酒母は大量の酵母が培養されているだけでなく、酵母に悪影響を与える雑菌が繁殖していないこと、乳酸を適度に含有していることも重要です。

良質な酵母が大量に必要とされる日本酒造りにおいては、この酒母がアルコール発酵の原動力になります。

そのため酒母は「酒の母」という名の通り、日本酒造りにおいて非常に重要な液体です。

 

・日本酒の原料米について、どのようなものが好ましいか、知識のないお客様にわかりやすく説明してください。

日本酒の原料米はすべて蒸して使用されるため、適度な吸水性を持ち、表面は硬く、内部は柔らかく弾力性があることが求められています。

また、麹菌が原料米の中心部に侵食しやすいことが重要です。そのため、隙間が多く柔らかい心白と呼ばれる白色不透明な部分が適度に大きいことも日本酒の原料米には必要とされる条件です。

そして、多量なタンパク質は日本酒の香味の劣化に繋がると言われているため、タンパク質の含有量は少ないほうが日本酒の原料米に適しています。

このような日本酒造りに適した原料米を、酒造好適米や酒米と呼びます。

 

・日本酒の原料米である山田錦について、知識のないお客様にわかりやすく説明してください。

山田錦は日本で最も生産量の多い酒米です。宮城や山形などの東北地方から九州地方にかけて栽培されています。

最も山田錦の生産量の多い産地は兵庫県です。兵庫県は日本で最も高品質な山田錦を生む産地のひとつであり、そのなかでも三木市や加東市が著名な産地です。

山田錦は水分が豊富に含まれていることが特徴です。そのため酒母や醪づくりの際には溶けやすく、日本酒の味わいに奥行きをもたらすことができます。

また、熟成させることふくよかな旨味をもたらしやすいことも山田錦の特徴です。

 

・日本酒の原料米である五百万石について、知識のないお客様にわかりやすく説明してください。

五百万石は日本で二番目に生産量の多い酒米です。1938年に寒冷地向けに開発された酒米であり、主に新潟で生産されていますが、新潟だけでなく福井や富山でも生産されています。

五百万石を使用した日本酒は、その「淡麗さ」が特徴です。

この淡麗という表現は五百万石の誕生により生まれたと言われているほどです。

五百万石は早生品種であり、やや硬く溶けにくい米質をもちます。そのため淡麗で爽やかな味わいのをもたらしやすいことも五百万石の特徴です。

 

・日本酒の原料米である美山錦について、知識のないお客様にわかりやすく説明してください。

美山錦は日本で三番目に生産量の多い酒米です。

たかね錦の突然変異種から選抜・育成され、1978年に命名された品種です。

五百万石と同様に耐冷性が高いため、東日本中心に生産されています。主要産地としては長野や秋田、山形などが知られています。

大粒で豊満な美山錦は、やや硬く溶けにくい米質を持ちます。また、心白発現率が高いこともその特徴です。

そのため美山錦を使用した日本酒は淡麗ですっきりとした酒質をもつ傾向があり、様々なお料理と相性の良い日本酒を生みます。

 

・日本酒の「秋晴れ」とはどのようなものか、知識のないお客様にわかりやすく説明してください。

「秋晴れ」とは夏を越えて熟成させた新酒の品質が、秋に向上していることを言います。「秋晴れ」は「秋上がり」とも呼ばれています。

早春に誕生した新酒はすぐに楽しむことができますが、新酒をひと夏熟成させて秋に楽しむ「ひやおろし」も人気があり、多くの蔵が出荷しています。

この「ひやおろし」を楽しむ際に新酒の状態から品質が向上していた場合、「秋晴れ」という表現を使用します。

一方品質が低下してしまった場合、「秋落ち」という表現を使用することもあります。

 

・燗酒について、どのような飲み方がお勧めか、知識のないお客様にわかりやすく説明してください。

日本酒は冷酒から燗酒まで幅広い温度帯で楽しまれているお酒です。

燗酒においても、40度前後から50度以上など幅広い温度帯で供されています。

一般的に燗酒にすると日本酒のもつ香りは豊かに広がり、口当たりはまろやか、膨らみのある味わい、になる傾向があります。

そのため渇きを潤すためにのど越しを求めている場面というより、日本酒の香りや味わいを楽しむ場面で、燗酒として楽しむことがお勧めです。

また、お料理と共に味わう場面では、おでんなどの出汁の主張が強い温かいお料理と合わせることがお勧めです。

 

・日本酒の醸造で使う水について、どのようなものが好ましいか、知識のないお客様にわかりやすく説明してください。

水は日本酒の全成分のうち約80%を占めます。そのため良質な日本酒の醸造にとって、どのような水を使用するかは非常に重要な要素です。

まず使用する水は無色透明で味やにおいに異常がなく、中性~微アルカリ性のpH値のものが適しています。

また、酒の色を褐変させ、香味を悪くすると言われている鉄やマンガンは、多く含まれていないほうが好ましいです。

一方カリウムやリン、マグネシウムなどの成分は、酵母や麹菌の栄養源となって増殖を助けるため、それらを適度に含む水が日本酒の醸造で使う水には適しています。


 

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