ソムリエ・ワインエキスパート二次試験 過去問の模範解答例

ソムリエ試験、ワインエキスパート試験の二次試験の模範解答は、合格発表の際には発表されず、かつ、試験翌年度になってから(例年1月)主催者側の会員サイトに一定期間記載されるのみという公開形式になっています。

試験の透明性・平等性から考えれば必ずしも理想的な公開形式ではありませんが、そこは主催者側も十分に理解しているはずです。

 

ここについては意図は主催者にしかわかりませんし、仮に意図が公表されていても、意見の分かれるテーマの為、どこまでが真意なのかはわかりません。

そのため、当たり前ではありますが合理的に推測をして分析をするしかありません。

 

二次試験の解答が後日一定期間たって限定公開されている理由は、おそらく

①官能試験による意見の相違から試験の整合性を完全に追求するのは難しいこと

②ワインの品質を会場単位、ボトル単位まで完全に一致させることはできないため

③試験運営の権威性とリスクヘッジを含めた経営合理性によるもの

などが理由として予測できます。

 

おそらく合格発表と同時に公開をすると受験生の方からの質問や疑問、不満が噴出し、収集がつかなくなることへの配慮でしょう。

受験生の側にすれば不透明感を感じるかもしれませんが、運営側のリスクヘッジを考えれば当然の合理的判断でしょう。

 

試験ですから当然合格者と不合格者が存在しますが、不合格者は合格者よりも試験結果に不満を持っていますので、テイスティングコメントそのものに疑問を抱きやすい心理になります。

そこでテイスティングコメントの模範解答が公開されれば当然テイスティングコメントの整合性にも不満の矛先は向くことになります。

では、会場の違いによるコメントの差異や、ボトル差、抜栓時間、提供時間などを完全に一致できない状況下でそれらに対応できるか、という実務的な判断なのでしょう。

 

ワインテイスティングが官能試験である以上、全員誰もが納得のいく整合性、完全性は証明できません。

また、最悪な場合を想定すると、不満の矛先は模範解答を設定した試験管に向くことになり、これでは試験管に委縮をさせてしまい、試験はさらにブラックボックス化を強固にしてしまいます。

試験の公平性・透明性は最も重要ではありますが、対象となるワインにそれを完全に求めるのは合理性に欠けると主催者側は判断しているのかもしれません。

 

受験生の側にすれば不透明感を押し付けられるような気になることは、全くその通りでしょう。

ですが、大変に申し訳ない意見になりますが、多くの受験生を抱えるソムリエ協会の側にすれば、中には意図しない攻撃的な意見や言動も予測することができます。

官能試験という性質上、ある程度の不透明感は仕方のない判断だと理解をしています。

 

結論を言うと、そもそもが官能試験のため、完全な透明性、整合性については追求することができず、ある程度の不透明さは主催者側の裁量の範囲内だということになります。

WBS生の皆様におかれましては釈迦に説法かとは思いますが、ここつきましては受け入れていただき、念頭に置きながら準備を進めてくださいますようお願いいたします。

 

さて、以下は昨年度から2017年までの模範解答例となっております。

これ以上前の情報もありますが、実際の模範解答をみると、ワインの評価の傾向は日進月歩ですので、過去5年程度のサンプルで分析するのが合理的判断だととらえています。

 

感想としては、一般論でいう基礎的なテイスティングコメントとは若干の乖離のあるキーワードも部分的にあるようです。ここについてはウェブ講義で解説をします。

 

WBSでは最新情報も含めまして、今後も謙虚に、精緻に分析をしてまいります。

 

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