【最終更新日】2024年8月23日
2023年度のソムリエ試験、ワインエキスパート試験の最大の注目は、やはりソムリエ試験の合格率でしょう。
おそらくこの記事をご覧の皆様も、例年に比べて圧倒的に低い合格率を目の当たりにして、それで気になっていろいろ検索してお越しのはずです。
結論を言うと2023年度のソムリエ試験の合格率は17.7%ですので、「2023年度ソムリエ試験は難しい」は当たっていますし、逆に言えば17.7%の合格率の試験を簡単というのはさすがに乱暴です。
ただし、ただ「難しい」で終わらせてしまうのではなく、「なぜ厳しい結果になったのか」を分析することは大事ですし、その方がポジティブでしょう。
ここで、できる限り客観的に数値をもとに分析をしてみましょう。
僕は前場亮と申します。WBSというオンライン最大級のワインスクールを運営していて、毎年多くの受講生の方がソムリエ試験、ワインエキスパート試験に合格をしています。
2024年度ソムリエ試験、ワインエキスパート試験の合格を目指す方は、WBSでお待ちしております→
目次
【2023年度】ソムリエ・ワインエキスパート試験は難しい?を数値で解説
ソムリエ試験の推移
このグラフはソムリエ試験の受験者、合格者、合格率をグラフで表したものですが、確かに2023年度のソムリエ試験合格率は突出して低く、グラフで見ても厳しい結果なのは一目瞭然です。
それとともに青線の受験者が右肩下がりで下がっていて、受験者がソムリエ試験に苦手意識を抱えているのではないかと推測をすることができます。
ソムリエ試験は過去5年ほどで急激に難易度が上がったとされていて、「そんなに難しい試験なら受けない」という人も多いのかもしれません。
ただしここは推測をするしかないのですが、仮に試験の難化があって受験者に苦手意識があったとしても、それを上回る合格プレミアがあれば受験者の減少にはなりません。
ということは、試験難化をネガティブなイメージととらえる人にとって、それ以上に合格プレミアを見出しにくいという厳しい現実もあるところにはあるのでしょう。
ワインエキスパート試験の推移
では、もう一つのワインエキスパート試験を検討してみましょう。
ワインエキスパート試験の推移をみると、若干のボラティリティはあっても受験者、合格者、合格率ともにソムリエに比べると堅調に推移をしていることがわかります。
2023年度試験であってもワインエキスパート試験の合格率は40%を超えていて、ソムリエのざっと倍以上の合格者が出ています。
ソムリエ試験とワインエキスパート試験の違いはせんじ詰めると3次試験があるかないか、です。
3次試験とはデカンタージュの実技と論述ですが、2023年度はここで多くの方が不合格になったとの話を多く聞きます。
主催者側の都合を検討すると、一次試験でソムリエ試験とワインエキスパート試験の難易度の差を出すことは考えづらいです。
というのも、ワインエキスパート試験に合格するとそこから5年間はソムリエ試験の一次試験を免除になる優遇制度があって、主催者側は一次試験は完全な同等の難易度ととらえているとするのが合理的な判断だからです。
難易度に差がないにも関わらず、合格率にここまでの乖離があるということは、いよいよしっかりとした分析が必要になります。
ソムリエ試験とワインエキスパート試験、何が違ったのか?
ではここから具体的な分析を進めていきましょう。
ここまでの事実として、
①ソムリエ試験は合格者、合格率ともに低く、
②ワインエキスパート試験は堅調に推移
③難易度に両者の違いは見出しにくい
④試験制度的に、ソムリエ試験は3次試験があって、ワインエキスパート試験にはない
があげられます。
まず第1に、言いづらいですが母集団の違いです。単純にソムリエよりもワインエキスパートの方が受験者集団のレベルが高かったというのは、ここまでの乖離があるところを見ると可能性として高いです。
実際に受験指導をしているのでわかりますが、ワインエキスパート試験の受験者はほかの資格試験でも合格されていて、しかもその試験は難関試験として知られている、という方も多いです。
ソムリエは就業要件がありますし、だから逆に言うと「仕事だから仕方なく」という受験者もいるはずですが、ワインエキスパートは就業要件はないので、よほど「ワインが好き」でないと受験しないはずです。
この違いがソムリエとワインエキスパートの母集団に差が出てしまう理由になるのは想像がつきやすいです。
3次試験の有無
ソムリエの3次試験はデカンタージュ、論述ですが、2023年度は論述にPOPの作成が出たなど、苦手意識をお持ちの方もいらっしゃったかと思います。
ソムリエ試験ポップの書き方についてはこちらをご参考ください→
ですが、論述については試験を表面的に捉えるのではなく、「なぜそうなるのか」を日々学習していけば決して難しいものではなく、実際にWBSでは例年と変わらない推移となっています。
また、デカンタージュについては例年と変わったところはないため、考えられるとしたら
・論述の難易度があがった
・デカンタージュの審査内容が厳しくなった
くらいしか推測をすることができません。
就業要件の厳格化
もう一つ重要な点が、就業要件の厳格化があげられます。
ソムリエの受験資格を満たすための就業要件の審査は、三次試験合格者に行われるため、事前に確認をすることができません。
そのため、「例年であればそこまで厳しく見られないけど、2023年は厳しく見られたから不合格になった」の可能性もあります。
ただし厳しいようですが就業要件を書類上で証明することができないのであれば、そもそも資格要件が無いので受験はできなかったはずです。
これについてはWBSとしてはさすがにフォローのしようがありませんし、無理せずワインエキスパートにしたほうがいいとアドバイスをしております。
ソムリエ試験とワインエキスパート試験、合格者の推移
このグラフはソムリエ試験の合格者(青棒)、ワインエキスパート試験の合格者(赤棒)、ソムリエ試験合格者÷ワインエキスパート試験合格者(折れ線)になります。
これを見てお分かりの通り、ソムリエ試験合格者÷ワインエキスパート試験合格者が年々割合として下降していて、2023年度はついにソムリエ試験とワインエキスパート試験の合格者が逆転したのがわかります。
つまりいきなり2023年にソムリエの難易度が上がったのではなくて、この傾向は数年前から始まっていて、それが顕著になったのが2023年だというのが僕の判断です。
厳しいことを言いますと、おそらくワインエキスパート試験の受験者がソムリエ試験を受験しても合格率はソムリエよりも上の可能性が高いですし、それだけワインエキスパート受験者のモチベーションは高いです。
この試験はしっかりと研究し、適切に努力をすれば合格できる試験です。
ソムリエの就業要件の厳格化、日々の実務や学習時間の捻出の大変さなどを検討すると、かなり厳しいものですし、受験者の身になれば気後れする気も十分にわかります。
ですが、ワインエキスパートの合格者の推移との比較を見ると、単純に試験研究をしっかりしたかしてないかの差もあったはずで、これについてはWBSとしてもしっかりと情報発信に努めたいと考えております。
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