【最終更新日】2024年8月8日
ソムリエやワインエキスパート試験では、伝統的な主要生産国(フランス、イタリア、スペインなど)に関する知識は当然必要ですが、マイナーな生産国についても学習することが重要です。
これらの国々は独自の品種や製法を持ち、特異な風味を提供しますし、いまどき腕のいいワインメーカーはどこの国でも世界に通じるワインを造っています。
これらのワインを学習しないことで見落としてしまうのは、あまりにももったいないでしょう。
さらに、試験攻略の合理性をみても、ソムリエ・ワインエキスパート試験は広範な知識が求められるため、マイナー国のワインに関する知識が差別化要因となります。
CBT試験なのでボラティリティはありながらも、おおむねマイナー生産国であっても2問は出題されるというのが多くの方の感想ではないでしょうか。
言いづらいですが、踏み込むと、メジャー生産地ばかりを追い求めることは、結果的としてマイナー生産地への偏見や差別を自己の中に助長させてしまう可能性があります。
ワインの評価や認知度が一部の有名産地に偏ることで、他の生産地が不当に評価されず、その多様な文化や努力が見過ごされる恐れがあります。
これにより、ワイン業界の多様性と公平性が損なわれ、消費者の選択肢も狭まることにつながる可能性もあるかもしれません。
ワインの楽しみ方はもちろん人それぞれです。
そのうえで、「一部の有名産地のみ追求すること」のデメリットも押さえてみるのもいいでしょう。
ワインの最大の魅力は、その多様な背景と地域性にあるため、多くの産地を楽しもうとする方が最終的に楽しみも深まります。
WBS生の皆様には釈迦に説法ですが、念のため押さえておきましょう。
近年では新興ワイン産地が業界内でも強く注目されています。
マイナーな生産国もまんべんなく学習することで、試験対策が万全となり、かつ、合格後のワインライフにおいても適切な知識が身につくでしょう。
*この記事は、WBSワインブックススクールの代表前場が、インスタグラムに毎日投稿するソムリエ・ワインエキスパート試験のお役立ち情報を抜粋し、スタッフが記事にしています。
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【ソムリエ・ワインエキスパート試験】マイナー生産国はどこまで覚えるべきか?
結論、覚えたほうが得なことが多い
【練習問題】次のモルドバの生産地域のうち、ルーマニア語で「森林地帯」を意味するものを選んでください。
①Divin
②Codru
③Stefan Voda
④Valul lui Trajan
ソムリエ協会教本も年を追うごとに掲載される国が増え、現在は30か国弱の国が掲載をされています。
僕の頃は20か国程度でしたので、コンクールの時には海外の書籍などで学習をするしかなかったのを覚えています。
「なんだ、おまえの頃は20か国なのか、楽勝じゃないか!」と思う方もいらっしゃると思います。
ですが掲載される国が増えることでとれる戦術があります。
僕がワイン業界に戻り、本格的にWBSの開業の準備に入ったころ、当然、当時の試験問題を研究しましたが、正直「自分の時と余り差はないな」が本音でした。
掲載国は増えていましたが問題の質に差を感じなかったのです。
節目はあきらかに2023年でしょう。
2023年試験で一気に問題の質が上がり、「こんなに難しいのか」というつぶやきを目にする様になったのです。
確かに問題は難しくなりましたが、これは踏み込めば試験問題の出題形式が多様化し、さらに問題の質が理解型に変わったのが大きかったです。
逆に生産国の範囲の広がりについては難易度に直結せず、マイナーな生産国はページ数に合わせてどうしても理解型の問題よりも暗記型の問題が多くなります。
暗記型が多いということは、せんじ詰めれば浅い知識で答えられる問題が多いと捉えるのが無難でしょう。
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この問題は教本本文を読み込めばすぐに回答ができますので、難易度は低めの問題です。
また、メタ的に考えても「森林地帯」が一つの単語なので、③④は考えにくく、かつ、①はvinが入っているのでワイン関連のキーワードではないかと推測(諸説あり)ができます。
モルドバの掲載ページは僅か5ページですので、地図問題、歴史、生産地、ブドウ品種を含めても丁寧にやってもいいとこ1時間もあれば読み込めるでしょう。
これでおおむね2問は必ずゲットできますので、捨て問にするにはあまりにももったいないです。
僕は一般呼称については池田先生と、エクセレンス試験についてはなーな先生とタッグを組んでいます。
そのためソムリエ協会の公開の試験の連続性についてはかなり深く研究していますし、「なぜこの問題が出るのか」までを
出題側の心理をさぐることで高い精度の推測を実現しています。
これは出題傾向を研究するとわかりますが、「生産国・地域のメジャーマイナーを理由に出題の差をつける」ことはソムリエ協会は基本的にしません。
と言うかそんなことをしたら試験の信頼性を落としますし、信頼性を落とせば権威性が保てませんので、試験運営の経営合理性から考えても掲載国は平等に接するのです。
ということは、マイナー国であっても必ず出題はされますし、掲載事項がまだ多くはないので、案外お勧めだという見方もできます。
マイナー生産国を軽視するデメリット
ワインのマイナー生産国を軽視することには、いくつかの重要なデメリットがあります。
これは、資格試験の戦術面よりも、あなたのワインライフに大きく影響を与えますので、しっかり押さえるようにしましょう。
ワインの学習においてマイナー生産国を軽視するデメリットは、まず、ソムリエやワインエキスパートとしての知識の幅が狭まります。
フランスやイタリア、スペインといった主要生産国のワインについて詳しいことはもちろん重要ですが、世界には多くのマイナー生産国があり、それぞれがユニークなワインを生産しています。
これらの国々のワインを理解することで、顧客やあなたのワインライフに対してより多様な選択肢を提供することができ、差別化を図ることができます。
次に、試験対策としても不利になります。近年のワイン資格試験では、出題範囲が広がっており、マイナーな生産国のワインに関する問題が増えています。
これらの知識を持っていないと、試験で高得点を取ることが難しくなる可能性があります。
また、ワインの生産国は年々増えており、新しい生産国が市場に登場することも少なくありません。
これらのトレンドを追いかけ、常に最新の情報を持っていることが、ソムリエ・ワインエキスパートとしての評価を高める鍵となります。
さらに、マイナー生産国のワインにはしばしばコストパフォーマンスの高いものが多く含まれています。
これらのワインを理解し、推薦できることは、顧客に対して予算内で高品質なワインを提供する手助けになります。
特にレストランやワインバーで働くソムリエにとっては、顧客の満足度を高めるための重要なスキルとなります。
最後に、マイナー生産国のワインを軽視することは、ワインの多様性を享受する機会を失うことを意味します。
ワインの最大の魅力はその多様性にあり、様々な地域の風土や文化が反映されたワインを楽しむことで、ワインの世界がより豊かに感じられます。
この豊かさを理解し、伝えることができるソムリエは、より多くの人々にワインの魅力を伝え、楽しませることができるでしょう。
以上のように、ワインのマイナー生産国を軽視することには多くのデメリットがあり、それらを避けるためにも、幅広い知識を持つことが重要です。
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