ワインの”クールクライメート”の意味とワインに与える影響とは?

【最終更新日】2024年7月16日

クールクライメート(冷涼気候)のワイン産地は、通常、緯度が高い地域や標高の高い場所に位置しています。

これらの地域は、ワインの品質と特徴に独自の影響を与える冷涼な気候条件を持っています。

 

冷涼気候の特徴として、夏の気温が比較的低く、昼夜の温度差が大きいことが挙げられます。

これによりブドウの成熟がゆっくりと進行し、酸度が高く保たれる一方で、糖度の上昇も抑えられます。

結果として、酸味が際立ち、フレッシュで繊細な風味を持つワインが生まれます。

 

また、冷涼気候では、病害虫の発生が比較的少ないため、農薬の使用が抑えられる傾向があります。

このことも、ワインの純粋な味わいを保つ要因となります。

 

具体的な影響として、冷涼気候で育ったブドウは酸味が強く、アルコール度数が低めのワインに仕上がることが多いです。

例えば、(もともとのクールクライメートとして知られる)ドイツのリースリングやフランスのシャンパーニュ地方のスパークリングワインは、冷涼気候ならではの特長を活かした代表的なワインです。

これらのワインは、爽やかでミネラル感のある味わいが特徴であり、魚介類や軽めの料理と相性が良いとされています。

 

さらに、気候変動の影響で、一部のクールクライメート地域は今後のワイン生産においてますます重要な役割を果たす可能性があります。

温暖化によって、これまでワイン生産に適さないとされていた地域でも、新たなワイン産地としての可能性が広がっているのです。

総じて、クールクライメートは、独自の気候条件を生かして、他の産地とは異なる個性的で高品質なワインを生産する重要な地域と言えます。

 

*この記事は、WBSワインブックススクールの代表前場が、インスタグラムに毎日投稿するソムリエ・ワインエキスパート試験のお役立ち情報を抜粋し、スタッフが記事にしています。

【過去の記事はこちら】

 

 

【練習問題】

タイダル・ベイの構成の主体となるブドウ品種をつぎのなかからすべて選んでください。

① ラカディー

② ピノノワール

③ ガイゼンハイム318

④ ヴィダル

⑤ セイヴァル

 

*この記事は、WBS前場亮のインスタグラムの記事を引用しています。

 

最近ワイン関係者さんがよく使う言葉に「クールクライメート」があります。

クールクライメートはそのまま訳すと「涼しい気候」です。

これまでは寒すぎて注目されなかったエリアが温暖化によって俄然注目をされるようになったのです。

 

ノヴァスコシア州は典型的なクールクライメート。北緯44度~46度にあって、これは日本最北の駅の稚内と同じ北緯です。

三方を大西洋に囲まれているため海風が強く、大変に冷涼な気候で、冬の降雪量も多いです。

この気候を生かす形で、フレッシュな酸があり、海の風味を生かした味わいのワインが近年注目されているのです。

 

回答

① ラカディー ③ ガイゼンハイム318 ④ ヴィダル ⑤ セイヴァル

ノヴァスコシア州のワインは温暖化によって急激に品質をあげていて、近いうちに日本のワイン界でも注目を集めるワイン産地になるでしょう。

ブドウ品種は20種類以上の品種が使われていてそのなかで、ラカディ、ガイゼンハイム318、ヴィダル、セイヴァルが構成の主体となること、と教本に記載があります。

 

クールクライメートの影響

クールクライメート=冷涼な産地が注目をされるということは、当然ほかの産地も温暖化による影響があるということです。

例えばシャンパーニュ地方は温暖化によって、数十年単位でアルコール度数が上がり、逆に酸がさがりました。

さらに、もともと温暖なエリアであれば、温暖化によって既に使われていたブドウが天候に耐えきれなくなる可能性があります。

このため、ボルドーではより温暖な気候でも生育の可能なブドウ品種を試験的に取り入れるなどの試みがされています。

 

温暖化は決して恩恵を受ける産地だけではありません。

逆にワイン造りの見直しをするところもありますので、できれば全体をとらえるようにしましょう。


 

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