アブサンは、ニガヨモギの花と葉、グリーンアニス、スイートフェンネル、その他の薬用・食用のハーブを含むいくつかの植物から得られるアニス風味の蒸留酒である。
歴史的に高アルコール 蒸留酒 として知られており、45-90%の度数となっている。
伝統的には自然の緑の色を持っているが無色のものもある。歴史的な文献では一般に「緑の妖精(la fée verte)」と呼ばれている。
また、伝統的に高アルコール度数で瓶詰めされるが、通常は水で薄めて飲まれる。
アブサンは18世紀後半にスイスのヌーシャテル州で誕生し、その後に19世紀末から20世紀初頭の フランス で、パリの芸術家や作家の間でアルコール飲料として人気を博するようになる。
アブサンはしばしば危険な中毒性のある精神薬物、幻覚剤として描かれてきた。
蒸留酒 に微量に含まれる化学物質ツヨンが、その有害な作用の原因とされた。
1915年まで、アブサンはアメリカやフランス、オランダ、ベルギー、スイス、オーストリア・ハンガリーなどヨーロッパの多くの国で禁止されたが、1981年にWHOが飲食物に含まれるツヨン許容量を定め、10PPM以下とし、その許容範囲内で各国がアブサンを生産するようになる。
21世紀初頭には、フランス、スイス、オーストリア、ドイツ、オランダ、スペイン、チェコ共和国を筆頭に、12カ国で200近い銘柄のアブサンが生産されている。
尚、EUでは未だにアブサンの製法規定が定まっていないが、EU非加盟のスイスでは定義されている。
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