アルザスは、フランス東部、ドイツとスイスに隣接するライン川上流の西岸にあるワイン生産地域である。
アルザスの文化は、ゲルマンとフランスの影響が混在していることが特徴である。
1982年から2016年まで、アルザスはバ・ラン県とオー・ラン県からなるフランス首都圏で最も小さな行政区であった。
2014年にフランス議会で可決された領土改革により、2016年よりアルザス行政区はシャンパーニュ=アルデンヌ、ロレーヌと合併し、グラン・テストとなった。
アルザスの経済・文化の中心地であり、最大の都市は、現代のドイツとの国境に位置するストラスブールである。
この都市には、いくつかの国際機関や団体の本部が置かれている。
アルザス語はシュヴァーベン語に近いアレマン系の方言であるが、第二次世界大戦以降、ほとんどのアルザス人は主にフランス語を話す。
文化
アルザスは歴史的に神聖ローマ帝国の一部であり、ドイツ文化圏であったが、17世紀以降、ドイツとフランスの支配下に何度も置かれた結果、文化的な融合が進んだ。
料理や建築など、伝統的な農村文化の部分にはドイツの特徴が残っているが、近代的な施設はフランス文化が完全に支配している。
地理
アルザスのブドウ畑は、ヴォージュ山脈とライン川に挟まれたエリアに伸びており、距離にして170km、幅1.5~3kmの帯状の産地である。
標高は平地の最も低い箇所で170m、最高は478mに達する。
ヴォージュ山脈が西からの湿った風を遮断し、アルザスはフランスでも特に降雨量の少ないワイン産地となっている。
また山を超えた風はフェーン現象を引き起こし、暖かく乾燥した気候をもたらす。そのため緯度的には北にあるアルザスだが同緯度の地域と比べると年間平均温度は1.5度も高い。
春は暖かく、夏は暑く乾燥、秋は涼しく、冬は寒い大陸性気候である。
また、アルザスの土壌はモザイクと表現されるほど多様である。
ワインの特徴
白ブドウの品種はリースリング、ピノ・ブラン、シルヴァネール、ピノ・グリ、ゲヴェルツトラミネール、ミュスカ。
黒ブドウの品種はピノ・ノワールである。
ヴァン・ダルザス(アルザスワイン)は、ほとんどが白ワインであり、有名な辛口のリースリングを生産している。
フランスで唯一、ブドウの名前で識別されるラベル表記となっている。
ビール
アルザスはフランスの主要なビール生産地であり、ストラスブールとその近郊に醸造所がある。
フィッシャー、カールスブロイ、クローネンブール、ハイネケンインターナショナルなどの醸造所がある。
ホップはコッヘルベルクとアルザス北部で栽培されている。
アルザスでは伝統的にシュナップスも作られているが、家庭用蒸留器の普及や、伝統的な強いアルコール飲料の消費量が減少しているため、衰退している。
アルザスの地方料理
シュークルート(Choucroute)・・・ドイツ語でザウアークラウトと呼び、もともと「酸っぱいキャベツ」という意味を持っている。
キャベツを細かく千切りし、塩とジュニパーを重ね、木製の樽で発酵させる。鶏肉、豚肉、ソーセージ、あるいは魚と一緒に食べる。
伝統的には、ストラスブール・ソーセージやフランクフルト、ベーコン、スモーク・ポーク、モルトーやモンベリオール・ソーセージの燻製、あるいはその他の豚肉製品とともに供されることが多い。
添えられるのは、ローストまたは蒸したジャガイモであることが多い。
By Miguel Discart from Bruxelles, Belgique – 2021-01-10_13-08-38_ILCE-6500_DSC01353_DxO, CC BY-SA 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=101215907
クグロフ(Kouglof)・・・ドイツ名でクーゲルホップフとも呼ぶ。レーズン入りブリオッシュ。
フォワ・グラ・ドワ(Foie Gras d’Oie)・・・ガチョウのフォアグラ。17世紀以来、この地方で作られている。
また、アルザスはフルーツジュースやミネラルウォーターの産地としても知られている。
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