Maraschino マラスキーノ

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マラスキーノ(伊:Maraschino)は、マラスカ種のチェリーを蒸留して得られる無色透明のイタリアのチェリー・リキュールである。

クロアチアのダルマチア沿岸に自生するタピワチェリーの小粒でやや酸っぱい果実が、このリキュールに独特の香りを与えている。

代表銘柄はルクサルドがあり、アルコール度数32度である。

 

1759年、ヴェネチアの商人フランチェスコ・ドリオリは、当時ヴェネチア共和国の一部であったクロアチアのザダルで、マラスキーノの工業規模の製造を開始した。

フランチェスコ・ドリオリは、ジュゼッペ・カルチェニガが以前に開発したマラスカチェリーの蒸留のための革新的な技術を開発・完成させ、1759年にFabbrica di Maraschino Francesco Drioli(フランチェスコ・ドリオリ・マラスキーノ工場)を設立することになる。

18世紀の終わりまでに彼のマラスキーノはすでに広く名声を獲得して、ヨーロッパ、特にイギリスの主要市場を独占するようになり、1804年にはオーストリア皇帝から工場にインペリアルレジアプリヴィレジアータという帝国の紋章を使用する資格が与えられた。

 

フランチェスコ・ドリオリの工場は、オーストリア、イギリス、イタリアの王室から、王室紋章を使用する権利を与えられた王室御用達リキュールである。

しかし、当初からドリオリ・マラスキーノは偽造に悩まされており、1980年の工場閉鎖後も偽造は続き、オーナーは度重なる法的措置を取らざるを得なくなるほどはった。

 

緑がかった四角い瓶はムラーノ島のガラス工場から供給され、19世紀初頭には藁で瓶を覆うフィアスコが導入された。

これは、長い航海でボトルを運ぶための典型的なヴェネトの方法であり、長年にわたってブランドを定義するようになった。

 

マラスキーノの評判が高まるにつれ、クロアチアのザダルの名も高まり、ジロラモ・ルクサルド(1821年)とロマノ・ヴラホフ(1861年)を中心とした他の工場が出現、設立されるようになった。

彼らは共にザダルのマラスキーノ産業の興隆を担っているが、その創始者はフランチェスコ・ドリオリであると認められている。

 

1920年代にオレゴン州立大学(OSU)のアーネスト・ウィーガンド教授がカルシウム塩と亜硫酸塩に漬け込みチェリーを長期保管する方法を開発し、以降つけ込んだチェリーから亜硫酸塩を除き、糖漬け・着色したチェリーをマラスキーノチェリーと呼ぶこともある。


 

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