晩腐病:(英)Ripe rot(仏)
晩腐病とはカビによる病気の一種である。
病原菌は、Glomerella Cingulata(グロメレラ・シングラータ)。
収穫期 のブドウ果実を侵し腐敗させる病害で、その被害は急速に進み、日本ではブドウ病害被害中最大のもの。
果実 が軟化する 成熟期 に近くなった頃から発病が始まり、熟度が進むにつれ激しく発病する。
しばしば壊滅的な被害になることもある。葉、枝、巻ひげなども侵すが、成熟果の軟化腐敗の被害が最も大きい。
初期は淡褐色の病斑が果皮表面に現れ、次第に紫褐色になり、果実は腐敗、ミイラ化する。
病原菌は結果母枝や巻ひげの組織の中で病斑をつくることなく越冬する。そのため見た目だけでは罹病しているかどうかが判らない。
翌年、病原菌は雨によって無数の胞子を拡散し、葉や枝、幼果に付着。菌糸となって果粒組織内に侵入して繁殖を開始する。
その後の降雨により再び胞子は拡散し、病害が広がる。
防除には罹病結果母枝や巻きひげを園内から取り除くなどで、病害菌をできる限り除去することが大切である。
また休眠期にベンレート(ベノミル剤)などを散布することも有効である。
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