シチリア州(Sicilia)は、地中海に浮かぶ最大の島で、イタリアの20地域の一つである。イタリアの5つの自治州の一つであり、正式にはRegione Sicilianaと呼ばれる。人口は500万人。州都はパレルモ。
紀元前750年頃にはおおくの12の植民地があり、その後シチリア戦争やポエニ戦争の舞台となった。
紀元5世紀のローマ帝国の滅亡によりローマ帝国のシチリア州が終わると、シチリアは中世初期にヴァンダル人、オストロゴス人、ビザンチン帝国、シチリア首長国によって支配されるようになった。
ノルマン人の南イタリア征服により1071年にシチリア郡が成立し、1130年から1816年までシチリア王国が続いた。
その後、ブルボン家の下でナポリ王国と統合し、シチリア王国となった。
イタリア統一の際にジュゼッペ・ガリバルディが率いた反乱「千人遠征」と国民投票により、1860年にイタリアの一部となった。
シチリア州は、1946年のイタリアの制度的な国民投票の18日前、5月15日に自治州としての特別な地位を与えられた。
シチリア州は、特に芸術、音楽、文学、料理、建築に関して豊かでユニークな文化を持っている。
気候・地理
シチリア州は地中海の中央部、イタリア半島の南に位置し、狭いメッシーナ海峡で隔てられている。エトナ山はヨーロッパで最も高い活火山の一つであり、世界でも最も活発な火山の一つである。
島は典型的な地中海性気候である。冬は温暖で雨が多く、夏は暑く乾燥し、中間期は非常に変わりやすくなっている。
沿岸部、特に南西部では、アフリカ海流の影響を受け、夏は灼熱になることがある。
雪は標高900-1000メートル以上で降るが、丘陵地帯で降ることもある。内陸部の山々、特にネブロディ、マドニエ、エトナは完全な山岳気候で、冬には大雪に見舞われる。エトナ山の山頂は、例年10月から5月にかけて雪化粧をする。
一方、特に夏には、サハラ砂漠からの風、シロッコが吹くことも珍しくない。雨量は少なく、水不足に陥る地方もあり、水危機が起こることもある。
ワインの特徴
代表的な品種は下記である。
白ブドウでは、カタラット、アンソニカ、グレカニコ、ジビッポ、カッリカンテが代表的である。
黒ブドウは、ネーロ・ダヴォラ、ネレッロ・マスカレーゼ、フラッパートなどがある。
料理
シチリア州は長い歴史の中で様々な料理やワインを生み出し、そのためシチリアは神の台所というニックネームで呼ばれることもある。
トマト、アーティチョーク、オリーブ(オリーブオイルを含む)、柑橘類、アプリコット、茄子、玉ねぎ、豆、レーズンなどの新鮮な野菜や果物に、周辺の海岸線で獲れたばかりのマグロ、タイ、スズキ、イカ、メカジキ、イワシなどの魚介類をよく使った風味豊かな料理は健康的で、世界中で人気がある。
シチリア料理で最もよく知られているのは、アイスクリームやペストリーなどの濃厚な甘い料理である。
カンノーリは、揚げた菓子生地の筒状の殻に、通常はリコッタを含む甘いフィリングを詰めたもので、世界的なシチリア料理として知られている。
他に甘い料理(お菓子)では、 ビアンコマンジャーレ、ビスコッティ・エンネージ(エンナ原産のクッキー)、ブラッチラッテ(シチリア版ドーナツ)、ブッチェラート、チャルドゥーナ、ピニョーリ、ビスコッティ・レジーナ、ジルジウレナ、フルッタ・マルトラナ、カッサータ、ピニョラータ、グラニータ、クッチダティ(イチジククッキーの変種、別名ブッチャリ)クッチィアなどがある。
南イタリアの他の地域の料理と同様に、シチリア料理でもパスタが重要な役割を果たしており、アランチーニ(アランチーノ・ディ・リーゾ)などの米料理もある。
パセリは多くの料理にふんだんに使われる。シチリア料理といえば海産物が一般的だが、ガチョウ、ラム、ヤギ、ウサギ、七面鳥などの肉料理もシチリア州で見られ、ファルスマーグル(仔牛肉にサルシッチャ、モルタデッラ、ゆで卵、パンチェッタ、カチョウカヴァッロ、ペコリーノ、グリーンピースなどを詰めてトマトソースで煮込んだ料理)が有名である。
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