飲食店の創業計画書⑤具体的な営業戦略の記載

今回は、飲食店を開業してからの具体的な営業戦略を記載します。

営業戦略と言うと膨大なページ数の企画書を想像する人もいるかもしれませんが、的を得ていれば1枚で十分に説明が可能です。

逆に言えば的を得ていなければ何枚書いても説得力はありません。

「融資担当者であればどう考えるか」を想像しながら記載をしていきましょう。

 

飲食店の創業計画書⑤

事業の具体的戦略の記載

前述しましたが営業戦略というと壮大なものを想像する人が多いと思います。

確かに大企業の営業戦略ともなればそれなりの規模の企画書になりますが、今回は最初の一店舗目の戦略ですので、的を外さずに、かつ的確に説明することが重要です。

最初にコツを説明しますと、ここで重要なことは、大きく道をそらさないということです。

次の戦略を聞いて、あなたはどう考えるでしょうか?

 

ケース①

山奥の一軒家を改装して本格フレンチを開業する。

フランスの三ツ星店で何年も修業したので料理には自信がある。

良い料理さえ出せば必ずお客はついてくるし、今までの修業先もそうだった。

自分のお店は売り込みなどをせずについてくるお客を大事にする戦略だ。

 

ケース②

駅前の立地にこだわりのパンケーキ屋さんを開業する。

客単価は2500円と高めだが、それ以上の価値があるので集客は成功させる自信がある。

SNSとインターネットでの集客に自信があるので、早くから黒字の予定だ。

 

納得感があるかどうか

あなたはこの二つの戦略を聞いて、「なんか残念だなあ」と感じませんでしたか?

確かに腕のいい料理人かもしれませんが、待っているだけでは集客が成功する可能性は低いでしょう。

駅前であれば客単価を下げて誰にでも好まれる業態のほうがいいし、こだわりのお店やネット集客をするのであれば無理して駅前に出店する必要はありません。

 

この二つのケースはわかりやすくダメな部分をフォーカスしていますので「こんな馬鹿はいないよ」と思ったかもしれません。

しかし、自分だけで作り上げた計画書だと、どうしても自分可愛さのあまり無理のある記載になってしまうことが多いのです。

融資担当者はここまで読み込んでいるので、ここから先に重視するのは、融資するにあたっての納得感なのです。

 

料金の説明

では、今回の創業計画書を見てみましょう。

営業戦略とはいっても、

 

①料金の説明

②メインターゲット

③集客方法

 

この三つしか記載していませんが、通常はこの三つで全く問題ありません。

 

まず料金ですが、ここでは立地を考慮して手堅く設定をしています。

この店舗は大型商業施設の駐車場の入り口手前という立地なので、駅前商売に似た戦略で問題ありません。

表現は悪いですが、「誰にでも好かれるけど、わざわざ出向くほどの料理ではない」ことが立地に合致するのです。

逆にここで高級路線をやろうと思ったり、知る人ぞ知るというお店だと説得力はかけるかもしれません。

 

メインターゲットの説明

ここでは商業施設の駐車場入り口から当然に導き出せるターゲットを記載しています。

ファミリー層を中心に、ご夫婦、カップルも当然メインターゲットです。

ここは、集客のフローが想像つくように、自然に導き出せる無難な戦略で問題ないのです。

 

集客方法

通常はここが最も重要になります。

当たり前ですが集客方法があいまいだとどれだけほかが素晴らしくても絶対に融資はおりません。

ここでは、FCチェーンであることの強みを生かして、まずはブランディングができていることによる集客を第一の接点にしています。

どこかで聞いたことがあるお店であれば「どんなもんだ」という一見客が見込めます。

客単価からしても、仮に1000円以下であれば失敗しても「まあこんなもんか」で済みますので来店のハードルは低いでしょう。

 

さらに、フリーペーパーやグルメサイトでの広告宣伝を説明しています。

今回のケースでは立地がいいのでこの程度の記載で問題ありませんが、立地に難がある場合はここをしっかりと記載しないと納得感は薄いでしょう。

具体手にSNSでの手法やホームページでの集客方法、都心部であれば雑誌やメディアなどへのアピール方法なども記載しましょう。

特に最近はSNSによって一気に人気店になるお店が多く、その戦略を具体的に説明ができれば多少無理のある立地でも納得感は出しやすいです。

 

そして、当たり前ですが③で日々の地道な努力も次の集客につながることをしっかりと説明します。

「来たお客にいい料理といいサービスをするのは当たり前じゃないか」と思うかもしれません。

しかし、融資担当者はこの部分を手厚く記載できているほうが返済の可能性が高いと考えるものですし、意外と見落とされがちなところなので、ある程度熱く語ってもいいかもしれません。

 

 

ここは創業計画書の中でも最も重要なページですので、あなた自身だけで判断するのではなく、できれば提出前に信頼のできる友人などに見てもらい、感想を正直にいってもらったほうがいいでしょう。


 

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