【ローヌ】ソムリエ試験・ワインエキスパート試験過去問と勉強方法

【最終更新日】2022年12月31日

ローヌ渓谷地方は北部(セプタントリオナル)と南部(メリディオナル)に分かれ、一般的には高級ワインが密集する北部とリーズナブルなワインが並ぶ南部になっています。

ワインファンの心理としてはどうしても北部の高級ワインに注目がされがちですが、出題の傾向としては北部も南部もまんべんなくされているので注意が必要です。

 

南北に細く広がる北部に比べて南部は東西にも広がり、また細かいAOCも増えてきます。

そのため南部はとらえどころがなく、苦手意識をお持ちの方も多いエリアといえるでしょう。

 

苦手意識が持たれやすいエリアではありますが、実際のワインライフではお値打ちで品質の高いワインも多く、ローヌワインファンは多いかもしれません。

陽の光をたっぷり浴びて育ったローヌのワインは全体的に飲みごたえがあって、かつ品質の割に価格がおさえめな傾向があります。

 

19世紀にフランス全土に鉄道が敷かれた際に、価格にうるさいパリジャンたちを虜にしたのがローヌのワインでした。

これによってパリ周辺で生産される酒質の貧弱なワインは淘汰され、ワインの空白地帯となった経緯があります。

そんな歴史に思いをはせながら学習をしてみてはいかがでしょうか。

 

 

*年度別に過去問は随時追加の予定です。

 

本格的な学習に入る前に、事前に全体の難易度と傾向を押さえておきましょう。

 

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ソムリエ試験・ワインエキスパート試験全体の勉強方法はこちら→

 

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過去問全般の取り組み方はこちらをご参考ください→

 

【こちらの過去問もご参考ください】

 

 

【ローヌ渓谷地方】ソムリエ試験・ワインエキスパート試験過去問

2022年

【問題1】ローヌの強風

Vallée du Rhône地方において、ローヌ渓谷の北から南に吹き抜ける強風を1つ選んでください。

①ケープ・ドクター

➁ボーラ

③ミストラル

④ゾンダ

 

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③が正解です。

北部のローヌは半大陸性気候で、南部ローヌは地中海性気候です。

この地方を象徴する風にミストラルがあり、風速は30m/秒を超えることもあり、1年のうち120~160日間も吹くとされています。

ちなみに、①のケープ・ドクターは南アフリカ、西ケープ州に春から夏の期間に南東からの吹く強風です。

➁のボーラはアドリア海や、ギリシャ、トルコなどで北または北東から吹き降ろす風です。]

④のゾンダはアンデス山脈から東側のアルゼンチンへ吹く乾燥した高温の西風です。風土の問題は各国頻出されやすいので覚えておきましょう。

 

【問題2】基礎的なAOC

Vallée du Rhône地方において、主要品種のSyrahにMarsanne、Roussanneの混醸が10%まで認められているA.O.C.を1つ選んでください。

①Côte-Rôtie

②Hermitage

③Cornas

④Saint-Joseph

 

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④が正解です。

Saint-Joseph(サン・ジョゼフ)はローヌ川右岸、Condrieu(コンドリュー)の南に位置しています。

北部ローヌではCrozes-Hermitage(クローズ・エルミタージュ)と並んで大きなA.O.C.で、北端の4ヵ村はCondrieuと重なっています。

赤はSyrahを主体に、白ブドウのMarsanne、Roussanneの混醸が10%まで認められています。

白はMarsanne、Roussanneのどちらか単一、またはブレンドが認められています。

 

【問題3】コルナス

Vallée du Rhône地方において、A.O.C.Cornas(コルナス)の品種構成を選んでください。

①Syrah 100%

➁Syrah 85%以上+Marsanne、Roussanne

③Syrah 80%以上+Viognier(混植混醸のみ)

④Viognier 100%

 

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①が正解です。

➁はCrozes-Hermitageで赤はSyrahを主体に白ブドウのMarsanne、Roussanneを15%まで混醸可能です。白はMarsanne、Roussanneのどちらか単一、またはブレンドが認められています。

③はCôte-Rôtie(コート・ロティ)のことを指しています。なお、Côte-Rôtieは赤のみの生産が可能なA.O.C.です。

 

【問題4】ジゴンダス

Vallée du Rhône地方において、A.O.C.Gigondas(ジゴンダス)の生産可能色を1つ選んでください。

①ロゼ

②赤、白

③赤、ロゼ

④赤、白、ロゼ

 

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④が正解です。

Gigondasは1971年にコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュから最初に独立を果たしたA.O.C.で当初はGrenacheを50%以上使用した赤、ロゼの生産が可能となっていました。

そして、2023年ヴィンテージより白の生産も可能となりました。

ちなみに、①のロゼのみの生産が可能なA.O.C.はTavel(タベル)で主要品種はGrenacheです。

 

【問題5】コートデュローヌヴィラージュから昇格したAOC

Vallée du Rhône地方において、2016年コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュから独立した最新のA.O.C.を1つ選んでください。

①Tavel

②Lirac

③Cairanne

④Rasteau

 

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③のCairanne(ケランヌ)が正解です。

Grenacheを50%以上使用した赤と、Clairette、GrenacheBlanc、Roussanneなどをブレンドした白の生産が可能です。

 

【問題6】ローヌのシェーブルチーズ

フランス産チーズにおいて、ローヌ渓谷地方で造られる乳種が山羊(シェーブル)のものを1つ選んでください。

①Valençay

②Picodon

③Charolais

④Beaufort

 

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➁が正解です。

①のValençayはロワール地方で造られるシェーブルタイプのチーズです。

③のCharolaisはシャンパーニュ地方で造られる白カビタイプのチーズです。

④のBeaufortはサヴォワ地方で造られる加熱圧搾タイプのチーズです。

 

【問題7】シャトーヌフデュパプ

次のぶどう品種の中からA.O.C.Châteauneuf du Papeに使用が認められていないものを1つ選んでください。

①Cinsault

②Muscardin

③Clairette

④Carignan

 

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④が正解です。

Châteauneuf du Papeは南部ローヌを代表するA.O.C.です。

この名は、ローマ法皇ヨハネス22世が構造させた夏の居城の廃墟が今も残る村の名前にちなんでいます。土壌は、白亜紀の石灰質層を覆う砂質の土壌、赤い粘土の土壌、ローヌ河が運んできた玉石の土壌と3つに分かれています。

以下の13品種 (色まで分けると18種)が認められていますが、特に比率に関する定めはありません。

13品種すべてを使用したワインはまれで、通常3~4品種のブレンドからなり、単一品種の場合もあります。

 

【認可されている13品種】

グルナッシュ、シラー、ムールヴェードル、サンソー、クレレット、ヴァカレーズ、ブールブーラン、ルーサンヌ、クノワーズ、ミュスカルダン、ピクプール、ピカルダン、テレ・ノワール

 

【問題8】基礎的なAOC

次のA.O.C.ワインの中から発泡性ワインの生産が認められているものを選んでください。

①Saint-Péray

②Saint-Joseph

③Lirac

④Gigondas

 

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①のSaint-Péray(サン・ペレイ)が正解です。コルナスの南に隣接する白ワインのA.O.C.です。

Marsanne、Roussanneをどちらか単一、またはブレンドして造られる通常の白ワインほか、瓶内二次発酵による発泡性の白ワインがあります。

後者は出荷まで最低12ヵ月間、滓との接触による瓶内熟成が課されています。

 

【問題9】ローヌの郷土料理

Vallée du Rhône地方の「仔羊の肩肉の白ワイン煮込み」料理を1つ選んでください。

①ブランダード・ドゥ・モリュ

➁カスレ

③ドーブ・アヴィニョネーズ

④ラタトゥイユ

 

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③が正解です。

仔羊の肩肉を白ワイン煮込んだアヴィニョン名物の煮込み料理です。

①はLanguedoc-Roussillon地方の鱈とジャガイモのピュレです。

➁はLanguedoc-Roussillon地方の白いんげん豆と肉の煮込みです。

④はProvence地方の野菜のトマト煮です。

 

【問題10】基礎的なAOC

Vallée du Rhône地方において、最も北に位置するA.O.C.を1つ選んでください。

 

①Côte-Rôtie

②Condrieu

③Château-Grillet

④Saint-Joseph

 

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①が正解です。

Côte-Rôtie(コート・ロティ)は北ローヌを代表する高品質なワイン産地です。

ローヌ川添いの切り立った斜面にブドウが植えられていることから日当たりもよく恵まれた栽培条件が揃っています。

赤ワインのみが認められておりその主要品種はSyrah(シラー)ですが、白ブドウのViognier(ヴィオニエ)を20%まで混醸可能です。


 

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【ローヌ】ソムリエ試験・ワインエキスパート試験過去問と勉強方法” への3件のフィードバック

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