【南西地方】ソムリエ・ワインエキスパート試験過去問と勉強方法

南西地方はフランスワインの中でも地味で、かつ、のっぺりとワイン産地が広がっているように見えるため苦手意識を持ちやすいカテゴリといえます。

実際にはボルドー地方のガロンヌ川、ドルドーニュ川の上流域が主な産地となっているため、川の沿岸に産地が広がるため、けっしてのっぺろ広がっているわけではありません。

 

しかし、実際のワイン産地を見てみるとほかの産地のように主要な川というようには見えずに、そのためとらえどころのない産地に映るのはその通りでしょう。

そのためフランスワインの中でも最も捨て門にされる分野なのは、おそらく南西地方かもしれません。

 

そのうえで、実際のワインはコストパフォーマンスがよく、品質が高いわりに価格が抑えめのワインも多く、実際のワインライフでは重宝するワイン産地であることも知られています。

しっかりとした味わいの赤ワインからボルドーの貴腐ワインを思わせる甘口ワインまで、品質が高く、料理にも合わせやすいワインはきっとワインファンを虜にするはずです。

 

具体的な学習方法としては、まずはガロンヌ川とドルドーニュ川上流域をしっかりと押さえたうえで、バスク地方をとらえれば全体像は把握しやすいはずです。

また、全体としての重要度は決して高くない上に、著名ワインが点在しているため重要論点は絞りやすい傾向にあります。

重要論点をしっかり押さえたうえで、それ以外のワインを戦略的に切り捨てるのがこの地方攻略のカギといえるでしょう。

 

さて、以下が2022年度のボリュームゾーンの難易度の過去問と解説です。

 

年度別に過去問は随時追加の予定です。

 

本格的な学習に入る前に、事前に全体の難易度と傾向を押さえておきましょう。

 

WBSのソムリエ試験、ワインエキスパート試験対策講座はこちら→

 

ソムリエ試験・ワインエキスパート試験全体の勉強方法はこちら→

 

*クリックで回答と解説を表示!を押下すると回答と解説が表示されます。

過去問全般の取り組み方はこちらをご参考ください→

 

【こちらの過去問もご参考ください】

 

【南西地方】ソムリエ試験・ワインエキスパート試験過去問

2022年

【問題1】地方都市

Sud-Ouest地方最大の人口を誇り、航空機産業や宇宙産業の重要な拠点となっている都市を1つ選んでください。

①Lyon

②Lille

③Nice

④Toulouse

 

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④が正解です。

Toulouse (トゥールーズ)はこの地方最大の人口であるとともに、エアバス社の工場やCNES(フランス国立宇宙研究センター)の研究部門が置かれるなど、航空機産業や宇宙産業の重要な拠点となっています。

 

【問題2】松林の名称

Sud-Ouest地方の大西洋海岸沿いからGascogne地域一帯に広がる松林の名称を1つ選んでください。

①アグノーの森

②ランドの森

③フォンテーヌブローの森

④トロンセの森

 

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②が正解です。

この「ランドの森」に象徴されるように、Sud-Ouest地方では林業、製紙業、樹脂抽出業も主要産業の1つです。

温泉も多く、グリーンツーリズムも含め、観光産業でも栄えています。

 

【問題3】ワインの生産量

Sud-Ouest地方の2020年度のワイン生産量において、赤ワインが占める割合を1つ選んでください。

 

①17%

②37%

③57%

④87%

 

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③が正解です。

2020年度においては、赤:57%、白:26%。ロゼ:17%となっています。

なお、生産されたワインのうち、A.O.C.ワインが占める割合は30%強となります。

 

【問題4】基礎的なAOC

Sud-Ouest地方のうち、赤ワインの生産のみ認められているA.O.C.を1つ選んでください。

 

①Pécharmant

②Montravel

③Bergerac

④Marcillac

 

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①のPécharmant(ぺシャルマン)が正解です。

②のMontravel (モンラヴェル)は赤白、③のBergerac (ベルジュラック)は赤白ロゼ、④のMarcillac (マルシヤック)は赤ロゼ、の生産が可能です。

 

【問題5】同地区のAOC

Sud-Ouest地方A.O.C.Pécharmantと同じ地区にある甘口ワインのA.O.C.を選んでください。

①Saussignac

②Jurançon

③Pacherenc du Vic Bilh

④Gaillac Vandanges Tardives

 

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①が正解です。

Saussignac(ソーシニャック)はPécharmant(ぺシャルマン)と同じくドルドーニュ川流域/ベルジュラック地区のA.O.C.で、貴腐または樹上で過熟したブドウを用いた残糖68g/ℓ以上の甘口ワインです。

➁のJurançonと③のPacherenc du Vic Bilhはガスコーニュ/バスク地区で、の甘口と辛口の白ワイン。

④のGaillac Vandanges Tardivesはタルン地区の残糖100g/ℓ以上の甘口ワインです。

 

【問題6】カオールの主要品種

Sud-Ouest地方のA.O.C.Cahorsの主要品種を1つ選んでください。

①Négrette

➁Tannat

③Côt

④Cabernet Franc

 

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➁が正解です。

Cahors(カオール)はロット河流域地区の生産可能色が赤のみのワインです。

主要品種はこの地を代表するコット(マルベック)で、作付け比率、ブレンド比率ともに70%以上が義務付けられています。

① Négrette(ネグレット)はA.O.C.Fronton(フロントン)の主要品種、➁のTannat(タナ)はA.O.C.Madiran(マディラン)の主要品種としてよく出題されます。

合わせて覚えておきましょう。

 

【問題7】オータンと関係の深いワイン

Sud-Ouest地方において、”オータン”と呼ばれる熱く乾燥した風によりブドウの生育が促されるワイン産地を1つ選んでください。

①Brulhois

②Marcillac

③Gaillac

④Corréze

 

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③のGaillac(ガイヤック)が正解です。

タルン河流域にあるGaillacは地中海性気候の影響により夏は暑く、また大西洋による海洋性気候により湿度が加わります。

 

【問題8】スペイン国境付近のAOC

Sud-Ouest地方の以下のA.O.C.の中で、最もスペイン国境に近いものを1つ選んでください。

①Jurancon

➁Madiran

③Cahors

④Irouléguy

 

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④が正解です。

Irouléguy(イルレギー)はガスコーニュ&バスク地区のA.O.C.です。赤、ロゼ、白の生産が可能。赤、ロゼはカベルネ・フランとタナが主体となります。

 

【問題9】ジュランソン

Sud-Ouest地方のA.O.C. Jurançonにおいて、ラベルに”Jurançon”とのみ表記される場合に生産可能であるワインを1つ選んでください。

①甘口白、辛口白

➁甘口白、甘口赤

③辛口白、甘口赤

④辛口白、辛口ロゼ

 

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①が正解です。

Jurançon(ジュランソン)はアンリ4世の洗礼に使われたと伝わる白ワインの産地です。

温暖で湿気の多い海洋性気候ですが、ピレネー山脈の影響でフェーン現象が起こり、ブドウの生育が促進することより、パスリヤージュ(樹上でブドウが過熟すること)が可能です。

残糖40g/ℓ以上が通常のJurançon であり、残糖4g/ℓ以下の辛口タイプのものはジュランソン・セックと表記されます。

 

【問題10】地方料理

Sud-Ouestの地方料理である鴨の脂煮込みにあたるものを1つ選んでください。

①Coq au Vin

②Confit de canard

③Magret de Canard

④Garbure

 

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②のConfit de canard (コンフィ・ド・カナール)が正解です。

①のCoq au Vin(コック・オー・ヴァン)はブルゴーニュの地方調理で、雄鶏の赤ワイン煮です。

③と④は南西地方の料理(食材)で、③のMagret de Canard(マグレット・ド・カナール)はフォアグラ採取のために肥育した鴨。

④のGarbure(ガルビュール)はベーコン、白いんげん豆、野菜のスープのお料理です。

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