【ポルトガル】ソムリエ試験・ワインエキスパート試験過去問と勉強方法

ポルトガルワインは、ソムリエ試験、ワインエキスパート試験においては存在感は決して強くはなく、日本のワイン市場においても決して興隆しているというわけではありません。

これにはいろいろ理由はありますが、一つはもっとも有名なポートワインが甘口の酒精強化ワインのため、このイメージが日本の消費者に定着した結果、そのほかのワインが相対的に存在感を示しにくいことも理由の一つでしょう。

 

ただし、ポルトガルワインは現在、ヴィーニョヴェルデをはじめとして多くのスティルワインを海外に売り込もうと様々なイベントをしたり、企業が積極的に日本市場に売り込みに来ています。

フランスワインやイタリアワインの値上がりが激しく、ワインを学習する身としては新しい市場の開拓が必要に迫られているフェーズでもあります。

できればポートワイン以外にも様々なワインを試していただき、試験勉強とともに興味をもってポルトガルワインを楽しんで学ぶようにしたいところです。

 

また、観光地としてもポルトガルは大変に魅力的で、昔ながらのヨーロッパの伝統を感じる街並みに加えて英語も通じやすく、かつ、治安も比較的良いとされています。

ワインの生産地域を回る旅をお考えの際には、一つの候補に入れてみてはいかがでしょうか。

 

さて、以下がソムリエ、ワインエキスパート試験のボリュームゾーンの難易度の過去問と解説です。

 

年度別に過去問は随時追加の予定です。

 

本格的な学習に入る前に、事前に全体の難易度と傾向を押さえておきましょう。

 

WBSのソムリエ試験、ワインエキスパート試験対策講座はこちら→

 

ソムリエ試験・ワインエキスパート試験全体の勉強方法はこちら→

 

*クリックで回答と解説を表示!を押下すると回答と解説が表示されます。

過去問全般の取り組み方はこちらをご参考ください→

 

【こちらの過去問もご参考ください】

 

【ポルトガル】ソムリエ試験・ワインエキスパート試験過去問

【問題1】コルクメーカー

ポルトガルにおける世界最大のコルクメーカーの名称を1つ選んでください。

①トレスカス社

②モリードゥーカー社

③アモリン社

④モトックス社

 

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③のアモリン社が正解です。

コルクはポルトガルの主要な輸出製品の1つです。

ポルトガルでは世界のコルクの約半分が生産されていています。

世界最大のコルクメーカーであるアモリン社はコルク臭の原因となるTCAのリスクを取り除いたコルクを開発するなど技術的な面においても世界を代表するコルクメーカーの1つとして知られています。

 

【問題2】ポルトガルの歴史

1143年、ポルトガル王国の誕生にあたって、ローマ教皇の裁定によって結ばれた条約を1つ選んでください。

①サモラ協定

②コンコルダート協定

③ラテラン協定

④パリ協定

 

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①のサモラ協定が正解です。

1096年に現在のポルトガルの原型が生まれました。

その後、カスティーリャ王国との戦いを経て、ローマ教皇の裁定によりカスティーリャ王国との間でサモラ条約が締結されました。

これにより1143年カスティーリャ王国の宗主下でポルトガル王国が誕生しました。

このころからポルトガルワインはイギリスに輸出されていました。

 

【問題3】基礎的なブドウの知識

ポルトガルの固有品種の数を1つ選んでください。

①125種以上

②250種以上

③500種以上

④750種以上

 

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②の250種以上が正解です

1ha当たりの固有品種数では世界最多となります。

1932年から始まるサラザールの独裁政権の影響で近隣のワイン生産国と鎖国状態となったことから、ワインを取り巻く環境が世界から遅れてしまうことになりました。

一方でこの鎖国状態により、多くの固有品種が発達することになりました。

 

【問題4】ブドウのシノニム

Tempranilloと同じ黒ブドウ品種を1つ選んでください。

①Tinta Roriz

②Maria Gomes

③Touriga Franca

④Syrah

 

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①のTinta Roriz (ティンタ・ロリス)が正解です。

テンプラニーリョについては、スペインでは地域ごとに様々なシノニムがありますが、ポルトガルでも異なる呼ばれ方をしています。

なお、ポルトガル南部のアレンテージョ地区ではAragonez(アラゴネス)と呼ばれており、こちらもテンプラニーリョのシノニムとなっています。

 

【問題5】樽熟成との親和性

ポルトガルの白ブドウの中で、特にオークとの相性が良い品種を1つ選んでください。

①フェルナン・ピレス

②ロウレイロ

③エンクルザード

④アルバリーニョ

 

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③のエンクルザードが正解です。

造られるワインは濃厚でありながらエレガントさも持ち合わせていて、ブルゴーニュのようなワインになる可能性を備えています。

ダン地方で主に栽培されています。

 

【問題6】ヴィーニョヴェルデの基礎問題

D.O.C. Vinho Verdeで有名な白ブドウ品種を1つ選んでください。

①Touriga Nacional

②Alvarinho

③Arinto

④Azal Branco

 

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②のAlvarinho(アルバリーニョ)が正解です。

ヴィーニョヴェルデのヴェルデは「緑」を意味しますが、「若々しさ」という意味もあり、若いうちに飲むべきさわやかなタイプのワインが多いですが、近年では技術の向上などによってアルコール度数のしっかりとしたワインでも注目を集めています。

なお、D.O.C. Vinho Verdeの栽培地域を含むMinho(ミーニョ)地域は、緑の地と呼ばれるほど自然が美しい場所で、夏の避暑地として別荘を構える人も多いエリアです。

 

【問題7】ドウロ

D.O.C. Douroが位置する地方を1つ選んでください。

①Minho

②Transmontano

③Terras do Dão

④Duriense

 

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④のDuriense(ドゥリエンセ)が正解です。

D.O.C. Douro(ドウロ)はD.O.C. Porto(ポルト)と同じ栽培地域となりますが、前者は酒精強化をしないタイプのワインに適用されます(後者はポートワイン:酒精強化ワイン)。

 

【問題8】ダン

D.O.C. Dãoの赤ワインの主要品種を1つ選んでください。

①Tinta Roriz

②Touriga Franca

③Touriga Nacional

④Arinto

 

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③のTouriga Nacional(トウリガ・ナショナル)が正解です。

D.O.C. Dão(ダン)はダン川流域に広がる生産地域です。

赤ワインが80%を占め、その中でもトウリガ・ナショナルを主体としたワインが多く生産されています。

 

【問題9】バイラーダ

D.O.C. Bairradaの赤ワインの主要品種を1つ選んでください。

①Tinta Roriz

②Touriga Franca

③Touriga Nacional

④Baga

 

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④のBaga(バガ)が正解です。

D.O.C. Bairrada(バイラーダ)は1979年にD.O.C.認定された産地で、粘土質土壌が多い特徴があります。

生産量の85%は赤ワインであり、タンニンが強くしっかりとした赤ワインができるバガが主要品種です。

 

【問題10】ヴィーニョレジョナル

ポルトガルのVinho Regionalの数を1つ選んでください。

①12

②14

③16

④18

 

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②の14が正解です。

ポルトガルワインは1986年のEU加盟伴いワイン法が整備され、原産地統制呼称ワインD.O.C.、産地限定上質ワインI.P.R.、地理的生産地表示テーブルワインVinho Regional(V.R)、Vinho de Masaの4階層が制定されました。

現在、Vinho Regional(V.R)が14、D.O.C.が31認められています。

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